この記事は初心者の方向けです。
1.特長
- エアコンプレッサーと接続し、圧縮空気を動力として、研削・研磨を行うための空圧工具です。各種砥石を先端部に装着して使用します。バリ取りや面取り、金型などの研磨作業、平面研削、ビード取りなど様々な作業に用いられています。
- 空圧工具は、同等能力の電動工具に比べて小型でパワーがあります。
- 作業内容や対象によって様々な種類のエアグラインダーがあります。
2.種類
エアマイクログラインダー
超硬バーや軸付砥石などの先端工具を取り付けて、バリ取りや面取りの仕上げ、仕上げ研磨、ガラス加工などに用いられます。回転数はグラインダーの中でも最も高く、25000~100000min-1という高速回転で素早く作業をこなすことができます。フィルター・レギュレーター・オイラーのエアー三点セットと組み合わせて使用します。
- 細いペン型のストレートタイプと、先端部が下を向いているアングルタイプ(45°・60°・90°・120°)の2タイプがあります。
- 先端工具の取り付け部分は、軸付先端工具用のコレットチャック式(Φ3・Φ6)と、カップ砥石用のねじ式(M7×0.75)の2タイプがあります。(兼用型の機種もあります。)
エアストレートグラインダー
軸付砥石や平型砥石を取り付けて、鋳物バリ取りや溶接部の仕上げ、各種の磨き作業や重研削作業などに用いられます。回転数は5000~20000min-1程度となっています。名前の通り本体がストレート型になっており、モーターと回転部が一直線上に配置されています。構造上外周研削に向いています。
- 先端工具の取り付け部分は、軸付砥石用と平型砥石用の2タイプがあります。軸付砥石用のコレットチャックはΦ3・Φ6が一般的です。平型砥石はΦ65・Φ100・Φ105・Φ125・Φ150が一般的に用いられています。本体の適応サイズ以上の平型砥石は基本的に使用できないため、適応砥石寸法の確認が必要です。
エアアングルグラインダー
軸付砥石を取り付けて、金属のバリ取り、面取り、研削、研磨や錆取りなどに用いられます。回転数は5000~20000min-1程度となっています。先端部が90°下を向いているので、ストレート型では入らないような狭い場所での作業を効率よくこなすことができます。
- 先端工具の取り付け部分はコレットチャックになっています。コレットチャックの能力は、Φ3・Φ6が一般的です。
エアダイグラインダー
エアベビーグラインダーやエアミゼットグラインダーとも呼ばれます。
ストレートグラインダやアングルグラインダーの中でも特に小型・軽量で高速回転型(20000~30000min-1程度)のものをさします。始動レバーの操作も含めてすべて片手で扱うことができます。メーカーによって様々な呼ばれ方があり、エアストレートグラインダー・エアアングルグラインダーカテゴリに分類されることもあります。
ストレートグラインダやアングルグラインダーの中でも特に小型・軽量で高速回転型(20000~30000min-1程度)のものをさします。始動レバーの操作も含めてすべて片手で扱うことができます。メーカーによって様々な呼ばれ方があり、エアストレートグラインダー・エアアングルグラインダーカテゴリに分類されることもあります。
- ペン型のストレートタイプと、先端部が下を向いているアングルタイプの2タイプがあります。
- 先端工具の取り付け部分はコレットチャックになっています。コレットチャックの能力は、Φ3・Φ6が一般的です。
エアディスクグラインダー
エアアングルグラインダーの中でも、切断砥石や研削砥石を用いて研磨・研削・切断を万能にこなせるものをエアディスクグラインダーといいます。平面研削や面取り、ビード取り、バリ取り、金属の切断、錆落としなど幅広い用途に用いられています。回転数は5000~15000min-1程度となっています。
- 使用できる切断砥石や研削砥石のサイズは、Φ65・Φ100・Φ105・Φ125・Φ150・Φ180のものが一般的です。
- 作業性向上のために、サイドグリップが付いている機種が多くなっています。
- 切断砥石や研削砥石の他にも、ダイヤモンドホイール・多羽根ディスク・フェルトディスク・カップブラシなどを装着することができ、様々な対象材に対して様々な作業をすることができます。
- 人によっては、エアディスクサンダーと呼ばれることもあります。
3.主なメーカー
ヨコタ
ベッセル
使い続けるとわかる高効率
エアーマイクログラインダー 精密研削用 (ソフトグリップ) GT-MG55SARは高速回転で芯ぶれ精度が高く、軽くなめらかな研削を実現。小型・軽量・低発熱で安定した性能を長時間持続。
不二空機
業界トップクラスの高回転・ハイパワー
高速ベビーグラインダー 側方排気型 FG-26H-2は芯振れ精度が0.03mm以下で、軽量・コンパクトな本体。低騒音・高耐久も特徴。
4.選び方
- 作業内容に合わせたエアグラインダーを選択してください。
- 作業内容に合わせた形状を選択してください。
- チャックの能力や取り付け可能な砥石の寸法を確認してください。
- 加工対象の材質を確認し、適切な軸付砥石・超硬バー・研削砥石・切断砥石などを選択してください。
- 用途に応じたエアグラインダーの回転数(min-1)かを確認してください。
- 始動方法を確認してください。(ロール式・レバー式など)
- カプラやプラグが付属しているかを確認してください。付属していない場合は、エアー取り入れ口のサイズに応じたカプラ・プラグを別途用意する必要があります。
- 空気消費量(m3/min)を確認してください。
- 適切な空気圧力(MPa)のエア源を確保して使用してください。
ISO規格表記 Rc(=テーパーめねじ) |
旧JIS規格表記 | サイズ(インチ) |
Rc1/4 | PT1/4 | 1/4″ |
Rc3/8 | PT3/8 | 3/8″ |
※NPT1/4といった表記の機種もありますが、これはアメリカ管用の規格のため、PT=NPT間での接続はできません。
【参考文献】
・トラスコ中山株式会社(2014)『知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2 」』 pp.459-461 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・株式会社ベッセル「エアーツール」,VESSEL(2017年12月15日閲覧)
・株式会社空研「グラインダー」,株式会社空研(2017年12月15日閲覧)
・信濃機販株式会社「グラインダー」,信濃機販株式会社(2017年12月15日閲覧)
・エス.ピー.エアー株式会社「製品案内」,SP AIR(2017年12月15日閲覧)
・株式会社 オフィスマイン「製品ラインナップ」,mine(2017年12月15日閲覧)
・ヨコタ工業株式会社「グラインダ」,YOKOTA(2017年12月15日閲覧)
・NAKANISHI「マイクログラインダ&先端工具」,NAKANISHI(2017年12月15日閲覧)