この記事は初心者の方向けです。
1.特長
- エアコンプレッサーと接続し、圧縮空気を動力としてシリンダー内を往復運動するピストンが、先端に取り付けられたチゼル(たがね)を連続で打撃することによる衝撃でコンクリートなどの破砕やハツリ、錆落とし、塗料落とし、スラグ・スパッタ除去、バリ取り、などを行う空圧工具です。
- 空圧工具は、同等能力の電動工具に比べて小型・軽量でパワーがあります。
- 作業内容や対象によって様々な種類のエアーハンマーがあります。
注意
対象物にチゼルを十分に押し付けていない状態で使用(空打ち)すると、内部のピストンがチゼルを打撃せずに本体を打撃してしまい、破損につながる恐れがあります。2.種類
エアーフラックスハンマー(エアーフラックスチッパ)
エアーハンマーの中で最も小型・軽量のタイプです。溶接後のスラグ・スパッタ・スケールなどの除去、アルミのハツリ、塗料・錆落とし、バリ取り、などに用いられます。狭い場所や箇所での作業に用いられることが多いので、作業効率向上のためにストレート型になっています。石材や木材の彫刻に用いられることもあります。メーカーによってはエアーハンマー(エアーチッパー)として分類されていることもあります。
エアーハンマー(エアーチッパー)
エアーチッピングハンマーと呼ばれることもあります。
一般的なタイプのエアーハンマー(エアーチッパー)です。コンクリート・石材・金属などのハツリ、鋳物の砂落とし、錆落とし、壁の取り壊し、剥離・切断作業、などに用いられます。先端のチゼルを交換することで、シャフトやリベットの打ち込みや簡単な杭打ちもこなすことができます。
一般的なタイプのエアーハンマー(エアーチッパー)です。コンクリート・石材・金属などのハツリ、鋳物の砂落とし、錆落とし、壁の取り壊し、剥離・切断作業、などに用いられます。先端のチゼルを交換することで、シャフトやリベットの打ち込みや簡単な杭打ちもこなすことができます。
- ストレート状の本体の後部にハンドルを備えたスタンダード型と、ピストル型の二種類があります。
- 基本的にチゼルは付属していないので、使用するためには別売のチゼルを用意する必要があります。
- 主な先端部分のチゼルには、フラットチゼル・チスチゼル(ポイントチゼル)の2種類があります。その他にも用途に応じて様々なチゼルがあります。
- チゼル差込口の形状は、丸型(R)と角型(H)の2種類があります。丸形はチゼルが対象物に合わせて回転しますが、角型はチゼルが固定されます。
- 振動を軽減する機構を備えた低振動型の機種もあります。
エアーコンクリートブレーカー
振動を軽減する機構を備えた低振動型の機種もあります。その他エアーハンマー
- オートチゼラー:様々な専用チゼルを用いて、自動車・車両などの修理や板金作業などに用いられます。
- ディガ:土壌の堀削、コンクリートの小ハツリなどに用いられます。
- スケーリングハンマー:船舶、ボイラ、鉄骨、橋梁などの錆落としや古塗料落としを効率よく行うことができます。
- コーキングチッパー:コーキング材のハツリ作業用です。
- サンドランマ:鋳物の砂固め、耐火煉瓦固めなどの作業に用いられます。強力で反動が小さいという特徴があります。
3.主なメーカー
マキタ
スケーリングに最適
エアーハンマー AH50は複数の専用チゼルにより様々な場所・箇所で効率的に作業が可能。
ヨコタ
強力なハツリ能力
フラックスチッパは鉄骨の塗料、錆落とし、溶接物のバリ取りなど強力さを要するハツリ作業で広範囲の使用が可能。
不二空機
世界中の鋳物及び各種重工業で使用され認められたデザイン
フラックスチッパー (石材彫刻機)は小型軽量・強力で作業性が良くしかも耐久性に優れたチッパ。小型コンプレッサーでの使用も可能。
4.選び方
- 作業内容に合わせたエアーハンマーを選択してください。
- 取り付けられるチゼルの種類や軸径を確認し、作業内容に合わせたチゼルを選択してください。
- カプラやプラグが付属しているかを確認してください。付属していない場合は、エアー取り入れ口のサイズに応じたカプラ・プラグを別途用意する必要があります。
- 空気消費量(m3/min)を確認してください。
- 打撃数の確認をしてください。打撃数はbpm(回/分)もしくはmin-1で表されています。
ISO規格表記 Rc(=テーパーめねじ) G(=ストレートねじ) |
旧JIS規格表記 | サイズ(インチ) |
Rc1/4 | PT1/4 | 1/4″ |
Rc3/8 | PT3/8 | 3/8″ |
Rc1/2 | PT1/2 | 1/2″ |
Rc3/4 | PT3/4 | 3/4″ |
G1 | PF1 | 1″ |
※NPT1/4といった表記の機種もありますが、これはアメリカ管用の規格のため、PT=NPT間での接続はできません。
【参考文献】
・トラスコ中山株式会社(2014)『知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2 」』 pp.466,537 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・株式会社 東洋空機製作所「エアブレーカー」,TOSEI(2017年12月19日閲覧)
・日本ニューマチック工業株式会社「取扱製品」,NPK(2017年12月19日閲覧)
・不二空機株式会社「ツール」,不二(2017年12月19日閲覧)
・日東工器株式会社「省力化機械工具 ツール」,NITTO KOHKI(2017年12月19日閲覧)
・株式会社空研「製品情報:その他」,株式会社空研(2017年12月19日閲覧)
・エス.ピー.エアー株式会社「製品案内」,SP AIR(2017年12月19日閲覧)