この記事は初心者の方向けです。
1.特長
- エアコンプレッサーと接続し、圧縮空気を動力として、作業面にニードル(針)を往復運動させて連続で当てることにより、剥離作業を行う空圧工具です。エアータガネ・エアーニードルタガネ・ジェットタガネなどとも呼ばれています。
- 溶接後のスラグ・スパッタ落とし、コンクリートや岩盤の目荒らし、鋳物の砂落とし、鋳物・塗装などのサンドブラスト、パネル・鉄板などの錆落とし、などに使用されています。
- ニードルパンチの強力な連続打撃によるショットピーニング効果で、溶接後の劣化部分の補強にも効果があります。
ショットピーニングとは
無数の粒子を高速で衝突させることによって金属材料の強化を行う技術です。衝突によって材料の表面はへこまされ、表面に丸いくぼみが無数につきますが、その圧縮残留応力と溶接時の応力残留部が相殺されることによって表面の硬さが増します。
- 低振動・軽量・ツールレスニードル交換、などの機能を備えた機種もあります。
2.種類
ピストル型
横向き・上向き・下向きなど様々な方向で剥離作業が行えます。
ストレート型
狭い場所や奥まった箇所、段差のある箇所で効率的に作業を行うことができます。多数の針が加工物の凹凸面に追従するので、様々な加工が可能です。
3.主なメーカー
NPK
広範囲な作業用途
エアニードルスケーラ NHR20はベーシックなサイズで様々な作業内容に。従来品と比べ力強く、握り部が細く、グリップし易い形状。
ベッセル
操作性、機能性に優れた高速針タガネ
パワースケーラー GTHPS160はニードル2mmタイプで奥まった場所でも、狙い通りに作業しやすい形状。重心が前にあるので、手首への負担が軽減。ニードル(針)交換が工具を使わず簡単に。
東洋空機
小型軽量、強力打撃、低反動、低騒音
ニードルスケーラ TNS200はニードル2mm×180mmと3mm×180mmの両方に適合。
4.選び方
- 打撃数の確認をしてください。打撃数はbpm(回/分)で表されています。
- ニードル(針)の径(mm)×長さ(mm)を確認してください。標準は、2mm×180mmもしくは3mm×180mmです。
- ピストル型かストレート型かを確認してください。
- カプラやプラグが付属しているかを確認してください。付属していない場合は、エアー取り入れ口のサイズに応じたカプラ・プラグを別途用意する必要があります。
- 空気消費量(m3/min)を確認してください。
ISO規格表記 Rc(=テーパーめねじ) G(=ストレートねじ) |
旧JIS規格表記 | サイズ(インチ) |
Rc1/4 | PT1/4 | 1/4″ |
G1/4 | PF1/4 | 1/4″ |
【参考文献】
・トラスコ中山株式会社(2014)『知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2 」』 p.465 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・日東工器株式会社「省力化機械工具 ツール」,NITTO KOHKI(2017年12月15日閲覧)
・育良精機株式会社「ドロス除去装置・空気式はくり工具」,IKURATOOLS(2017年12月15日閲覧)
・株式会社ベッセル「パワースケーラー」,VESSEL(2017年12月15日閲覧)
・株式会社空研「その他」,株式会社空研(2017年12月15日閲覧)
・信濃機販株式会社「その他ツール」,信濃機販株式会社(2017年12月15日閲覧)
・エス.ピー.エアー株式会社「その他」,SP AIR(2017年12月15日閲覧)
・ショットピーニング技術協会「ショットピーニングとは」,JSSP(2017年12月15日閲覧)