この記事は初心者の方にもおすすめです。
目次
チップソーってどんなもの?
チップソーとは
本体を鋼で丸ノコ状に作り、刃先部分に超硬チップをロウ付けし、刃先を研磨したものがチップソーです。木工用マルノコをはじめ、集じんマルノコ、金工カッター、スライド卓上マルノコ、草刈機・刈払機、など幅広い工具で使用されています。
チップについて
チップソーに取り付けられているチップは、超硬チップ以外にもサーメットチップ、焼結ダイヤモンドチップなどがあります。主に切断する材料によって使い分けられています。
名称 | 主な用途 | 概要 |
---|---|---|
超硬チップ | 木工用 | 硬度と靭性を併せ持つチップ。耐摩耗性・耐欠損性に優れ、長期間スムーズな切断ができます。 |
サーメットチップ | 金工用 | 非常に硬度の高い特殊チタンを主成分としたチップ。耐摩耗性に特に優れており、硬質金属材料でもスムーズな切断が長期間持続します。 |
焼結ダイヤモンドチップ | サイディング用 | ダイヤモンドを高密度に焼結したチップ。優れた耐摩耗性と高強度で抜群の耐久性を実現します。 |
超微粒子超硬チップ | 石こうボード用 | 高強度・高硬度化した超硬チップ。鮮やかな切れ味が持続します。 |
チップソーのカタログの見方
チップソーの種類・特徴を見る前に、まずはカタログスペックの見方を予習してみましょう。チップソーで最も重要なポイントは外径・厚み・刃数の3つになります。
チップソー本体の表記などでは、「190X2.0X72P」と書かれていることが多くなっています。
この場合には1番目の190が外径になり、スペック表記の中で一番大きな数値になります。2番目の2.0は厚みになります。厚みは少数第1位まで表記されるので、間違うことはないでしょう。3番目の72Pは刃数になります。刃数は、外径と混同しないように後ろにPが付きます。一部メーカーではPではなくTになっていることもあります。
製品によっては「190X2.0X20X72P」という表記になっていることもあります。この場合の20は内径(穴径)を表しています。刃数と内径(穴径)の位置は逆になっていることもあります。
ほとんどの製品はこのルールに則って記載しているので、見るだけで大体のスペックが分かるようになっています。スペック表が掲載されている場合には、よりわかりやすく見ることができます。スペック表の場合にも、上のような順番で並んで載せられていることが多くなっています。
外径 | スペックの中で最も重要な部分です。切断したい材料に合わせて選定する必要がありますが、取り付ける工具の能力に大きく左右されます。 |
---|---|
厚み | 厚めのチップソーは剛性が増すのでブレが少なく、スムーズな切断が可能です。一方でモーターに掛かる負担は大きくなります。薄めのチップソーは低出力なモーターでも使用でき、繊細な切断が可能になりますが、よじれが生じやすく、切断幅も狭いので刃が挟まりやすくなります。 |
刃数 | 切れ味に関わってくる要素です。一般的には、刃数が多くなるほど切断面の仕上がりがきれいになりますが、切断材に接する部分が多くなるので切断スピードが遅くなり、熱を持ちやすくなります。反対に刃数が少なくなると切断面は荒くなり、ブレやすくなりますが、素早く切断が可能です。 |
内径(穴径) | 丸ノコなどの工具に取り付けるための穴のサイズです。基本的に、サイズが異なる本体とチップソーでは取り付けができませんが、一部機種では2サイズに対応したものがあります。一般的な丸ノコは20mm、大型の丸ノコやスライドマルノコやテーブルソー、草刈機などは25.4mmになっています。 |
刃型 | チップソーの刃の付き方を表しています。チドリ(交互)刃や平刃、組刃など、切断材に応じてメーカーごとに様々な工夫を凝らして切れ味を追求しています。 |
千鳥刃 | チップを左右交互に取り付けたタイプ。切れ味が軽く、素早く切れるが、仕上がりは荒くなる。主に木材の横挽きに使われる形状。 | |
---|---|---|
交互刃 | 千鳥の両面に刃をつけたタイプ。主に木材の縦挽きや樹脂、非鉄金属に。 | |
平刃 | 主に木材の縦挽きや非鉄金属に。 | |
組刃 | 千鳥刃と平刃を組み合わせた刃。切れ味と安定性を両立。左の図のように5刃1組のものや3刃1組のものなど、メーカーごとに最適な形状を追求している。木材の横挽きや合板などに。 | |
組刃 | 交互刃と平刃を組み合わせた刃。切れ味と安定性を両立。左の図のように5刃1組のものや3刃1組のものなど、メーカーごとに最適な形状を追求している。木材の縦横挽きや合板、樹脂などに。 | |
高低刃 | 平刃に高低差を付けた刃。主に非鉄金属や鉄工などに。 |
ここで紹介した刃型の他にも、各メーカーで様々なタイプの刃型のチップソーの開発・製造を行っています。
チップソーの用途別選び方
それではさっそく、チップソーの選び方について見ていきます。チップソーは用途別に分類されていて、基本的にはその用途のみでしか使うことができません。更に、用途によってスペックが異なってくるので、用途ごとに選び方をチェックしていきます。購入する際には、まずは何を切断したいのか、何を切断できるのかという点をしっかりと確認しましょう。
また、少数ですが、分類をまたがって使用できる汎用型のチップソーもラインナップされています。
木工用チップソーの選び方
木工用チップソーは、丸ノコやスライド卓上丸ノコなどで木材の切断をする際に使われます。丸ノコは電動工具の中でも使う人が多い工具ですので、その替刃である木工用チップソーもメーカーごとにシンプルなタイプから、付加機能がついた高性能タイプまで様々なラインナップがあります。
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木工用チップソーを選ぶ際に最も重要な点は、取り付ける丸ノコやスライド丸ノコの取付可能ノコ刃外径を確認することです。丸ノコやスライドマルノコは基本的に元々ついていた外径のチップソーと同じ外径のものしか取り付けることができません。それぞれの刃の寸法ごとにカバーやボディサイズが異なるため、互換性がないのです。
また、チップソーの選び方というよりは本体の選び方になってきますが、切断時には材料の厚みの約3~4倍の外径のチップソーが必要になります。(チップソー外径の1/3~1/4の切断が可能)
最大切込み深さギリギリでの常用は本体への負荷も大きくなるので、約4~5倍くらいの余裕(チップソー外径の1/4~1/5での切断)をもたせたほうが、工具本体やチップソーの長寿命化やトラブル防止に繋がります。
刃の外径サイズ | 85mm | 125mm | 147mm | 165mm | 190mm | 216mm |
---|---|---|---|---|---|---|
切断能力 (深切タイプ) |
– | 46mm | 57mm | 66mm | – | – |
切断能力 (通常タイプ) |
25.5mm | 37mm | 47mm | 56mm | 69mm | 80mm |
※メーカーや機種によって数ミリ程度の誤差があります。
※スライドマルノコの場合は、同外径の通常型丸ノコよりも更に浅くなります。
一般的な丸ノコでは、外径147~190mmが主流になっています。充電式丸ノコではちょっと下がって外径125~165mmが主流になります。充電式の中でも14.4Vは少々非力なため、125mmまでのラインナップとなっています。さらに電圧の低い10.8Vクラスでは、85mmが限界のようです。
一般的なスライド卓上丸ノコでは、外径190~305mmが主流となっています。充電式のスライド卓上丸ノコは外径165~190mmになります。
丸ノコ盤・テーブル丸ノコでは、外径255mmが主流になっているようです。
刃数で選ぶ(木工用)
木工用チップソーの刃数は、39以下のものから100以上のものまで多彩にラインナップされています。外径が大きくなるにつれて刃数は増える傾向にありますが、一般的には40~70刃程度のものが主流です。刃数が増えるほど切断面がきれいに仕上がるようになりますが、抵抗が増すため切断スピードは遅くなります。一方、刃数が少なくなると仕上がりは荒くなりますが、切断スピードは速くなります。標準で付属されていたチップソーを基準に、刃数を増やすか減らすか、同程度のものにするのかを決めるといいでしょう。人気の刃数は50刃前後のものになります。
- 横挽きをする場合・より繊細な切断をしたい場合、切り口を滑らかにしたい場合
☞刃数が多めのチップソー - 縦挽きをする場合・より高速に切断をしたい場合、厚めの木材を切る場合
☞刃数が少なめのチップソー
付加機能で選ぶ(木工用)
木工用チップソーには、低振動スリット、表面コーティング、パーチクルボード用、リフォーム用、などといった付加機能を持つものがあります。特に付加機能のないシンプルなものでも切断作業は問題なく行えますが、より効率的に切断作業を行いたい場合にはこういった付加機能のあるチップソーを選ぶといいでしょう。
機能 | 概要 | 対応製品 |
---|---|---|
表面コーティング | 表面にフッ素コーティングなどを施すことで、ヤニがつきにくい、滑りが良くなり抵抗が減る、などの効果があります。 | ≫対応製品一覧 |
低振動スリット | 台金にスリットを入れ特殊樹脂を充填することで、台金がわずかに伸び縮みできるようになり、振動を低減します。合わせて騒音を減らします。 | ≫対応製品一覧 |
スライド丸鋸用 | サイズが大きなスライドマルノコなどに適した設計になっています。 | ≫対応製品一覧 |
パーチクルボード用 | 難切断材であるパーチクルボードに対応したチップソーです。 | ≫対応製品一覧 |
リフォーム用 | リフォーム時の解体作業などに最適なチップソーです。釘入り木材の切断が可能です。 | ≫対応製品一覧 |
たて挽き用 | たて挽きに対応したチップソーです。 | ≫対応製品一覧 |
アルミ用 | アルミの切断に対応したチップソーです。 | ≫対応製品一覧 |
ほぞ切り用 | ほぞ切り用のチップソーです。 | ≫対応製品一覧 |
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金工用チップソーの選び方
金工用チップソーは、チップソーカッター(金工用集じん丸ノコ)やチップソー切断機、などで金属・非鉄金属などの切断をする際に使われます。チップソーカッターも丸ノコと並んでよく使われる工具ですので、金工用チップソーも様々なメーカーからラインナップされています。
切断する材料で選ぶ(金工用)
金工用チップソーを選ぶ際に最も重要な点は、切断したい材料に対応するチップソーを選ぶということです。金工用チップソーと一言に言っても、アルミ用、鉄用、ステンレス用、ガルバリウム鋼板用、スパイラルダクト用、軽天用、ホーロー用といった対象材ごとに種類分けされています。対象外の素材を切断すると切断面が荒れたり、切れ味が急激に悪くなったりしますので、必ず対応したチップソーを使うようにしましょう。鉄・ステンレスに関しては、兼用型も多くラインナップされています。
外径で選ぶ(金工用)
金工用のチップソーの外径は、100mm以下のものから455mmのものまで幅広くラインナップされています。どのサイズの取り付けが可能かはお手持ちの工具を確認してください。基本的に元々ついていた外径のチップソーと同じ外径のものしか取り付けることができません。
主流は、100~190mm、255mm、305mm、380mmになります。
また、チップソーを選ぶ際には、適応材料厚の確認も必要です。適応材料厚とは、そのチップソーで何ミリまでの厚みの材料を切断できるかという目安です。工具本体の切込み深さとは異なりますのでご注意下さい。ほとんどの金工用チップソーは、最大で1~6mm以下の厚さまでの切断しかできません。これ以上の厚さの材料を切断したい場合は、数はかなり少なくなりますが、12mmや20mmといった厚物用金工チップソーを使う必要があります。
工具本体の切込み深さは、L型鋼やリップ溝形鋼(Cチャン)、電線管などの切断の際に重要になります。(切込み深さ50mmと書いてあっても、厚さ5mm、外径50mmといった金属パイプは切断できますが、外径50mmの金属棒の切断はできません。)
刃数で選ぶ(金工用)
外径が大きくなるにつれて刃数は増えますが、一般的には30~60刃程度のものが主流です。また、切断する材料によっても異なります。刃数が増えるほど切断面がきれいに仕上がりますが、抵抗が増すため切断スピードは遅くなります。一方、刃数が少なくなると仕上がりが荒くなったり、バリが多く出るようになりますが、切断スピードは速くなります。
鉄・ステンレスなどの厚物を切断する場合には、刃数が少なめのチップソーがおすすめです。反対にアルミやトタンなどの薄物を切断する場合には、刃数が多めのチップソーがおすすめです。鉄用やアルミ用といったチップソーは、その対象材の切断に最適な刃数になっています。
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サイディング用チップソーの選び方
サイディング用チップソーは、集じん丸ノコなどでサイディングの切断をする際に使われます。
刃の種類で選ぶ(サイディング用)
サイディング用のチップソーには、窯業系サイディング用のオールダイヤチップソーと、金属系サイディング用の超硬チップソーがあります。窯業系サイディング用でも超硬チップソー仕様がありますが、主流はオールダイヤチップソーになっています。切断したいサイディングに合わせて刃の種類を選んでください。
オールダイヤチップソーの場合は、8枚刃・10枚刃・12枚刃の三種類になります。
超硬チップソーの場合は、20刃程度のものから80刃程度のものまで幅広くラインナップされています。
刃数が増えるほど切断面がきれいに仕上がるようになりますが、抵抗が増すため切断スピードは遅くなります。一方、刃数が少なくなると仕上がりは荒くなりますが、切断スピードは速くなります。標準で付属されていたチップソーを基準に、刃数を増やすか減らすか、同程度のものにするのかを決めるといいでしょう。
オールダイヤチップソーの場合は、ダイヤが高価なため、刃数を増やすと価格も高くなりますが、 刃自体は超硬チップソーより長持ちするため、ランニングコストは超硬チップソーより低くなる傾向にあります。
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石こうボード用チップソーの選び方
石こうボード用チップソーは、集じん丸ノコなどで石こうボードの切断をする際に使われます。木工用チップソーでも石こうボードの切断自体はできますが、切断面がかなり荒くなってしまい、仕上げの研磨などが必要になってくるので、専用のチップソーを使うことが多くなっています。
外径で選ぶ(石こうボード用)
石こうボード用のチップソーの外径は、100mmと125mmが主流になっています。他のチップソーと比べて外径が小さめですが、石こうボードは標準的なもので厚さ9.5mm・12.5mm、最も厚いタイプでも25mmしかなく切り込み深さが必要ないため、135mm以上のサイズのものはほとんどありません。工具本体に合うサイズを選んでください。
刃の厚みで選ぶ(石こうボード用)
石こうボードは石膏と紙で作られています。よって、刃が厚いチップソーで切断すると大量の粉塵が出るほか、切断面も荒くなってしまいます。そのため、人気があるのは粉塵が少なくすみ、切断面もきれいに仕上がる刃の厚みが薄いタイプになっています。
15mm厚以上の石こうボードを切断する場合には、厚めの刃の方が安定した切断が可能です。
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特殊・その他用チップソーの選び方
ここまでご紹介してきたチップソーの他にも、塩ビ用・プラスチック用・断熱材用・キッチンパネル用・ALC用・人工大理石用といった各種材料に対応したチップソーがあります。
また、多様な材料の切断が可能な万能タイプのチップソーもあります。
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草刈機用チップソーの選び方
草刈機・刈払機でもチップソーは標準的な刃になっています。草刈機は基本的に肩にかけて使うので、なるべく軽量であることが求められます。そのため、草刈機用のチップソーは軽量化のために肉抜き構造やメッシュ構造になっていることが多くなっています。
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草刈機用チップソーの外径は、230mmと255mmの2種類があります。チップソーの外径が大きくなるとその分エンジンやモーターに掛かる負荷が増えるため、基本的に低~中排気量のエンジン刈払機や18Vまでの充電式草刈機が230mm、中~大排気量のエンジン刈払機や36V充電式草刈機が255mmとなっています。
標準で255mmのチップソーが付いている草刈機に230mmのチップソーを取り付けて使うことは問題なくできますが、標準が230mmの草刈機に255mmのチップソーを取り付けて使うと過大な負荷がかかり、作業効率を大きく下げてしまいます。また、モーターやエンジン、クラッチなどの寿命を縮めてしまうこともありえますので、なるべく適正なチップソーを使うことをおすすめします。
チップソー外径 | 充電式目安 | エンジン式目安 |
---|---|---|
230mm | 10.8~18Vクラス | 排気量25cc以下 |
255mm | 36V・36V(18+18)クラス | 排気量25cc以上 |
刃数で選ぶ(草刈機用)
草刈機用チップソーの刃数は、30~40刃のものと、60~70刃のものが主流になっています。このうち30~40刃のものは一般的な草刈用、60~70刃のものは竹・笹・雑木用となっています。
60~70刃の刃数が多いチップソーは、対象材にあたったときの衝撃を抑えることができます。そのため、竹・笹・雑木用といった硬めの植物を対象とするチップソーのほとんどが60~70刃となっています。
一方で、刃数が多いと草との接触部分が多くなります。加えて、重量も重くなり、空気抵抗も増すので、モーター・エンジンへの負荷が増し回転が下がりやすいといった問題もあります。更に、刃数が多くなると、その分刃によって起きる風も強くなってしまうので、やわらかい雑草などは刃が触れる前にあおられてなびいてしまい、うまく刈ることができなくなります。そのため、一般的なやわらかい雑草や密集した雑草などの草刈には、30~40刃の刃数が少ないチップソーがおすすめです。
チップソー刃数 | 刃数の目安 | 用途 |
---|---|---|
多め | 60~70刃 | 竹・笹・雑木といった硬めの植物の刈り払いに |
少なめ | 30~40刃 | やわらかい雑草や密集した雑草の刈り払いに |
小石などに強いタイプ
草刈機用チップソーには、通常のチップソーに比べてチップの取り付けを強化したタイプがあります。チップが欠けにくく外れにくいので、石が多い場所や際刈り、障害物や側溝の周りに最適です。穴径について
草刈機用チップソーは、工具本体に取り付けるための穴径が25.4mmとなっています。一般的な木工用チップソーなどの穴径は20mmなので、木工用チップソーを草刈機に取り付けて使用することはできません。
大型の丸ノコや、スライド丸ノコ用のチップソーでは穴径25.4mmのものがあり、草刈機への取り付け自体は可能です。しかし、草刈機用に設計されているわけではないので、モーターやエンジンに余計な負荷をかける可能性があります。また、木工用チップソーは全般的に50刃以上のものが多く、上で解説したように雑草などの草刈には不向きです。硬めの雑木などにはなんとか使えるかもしれませんが、あまりおすすめはできません。
基本的に草刈機用チップソーは木工用チップソーよりも安価になりますので、木工用チップソーを無理に転用するよりは、専用の草刈機用チップソーを購入したほうが、安全かつ快適に作業ができるでしょう。
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チップソーの種類別おすすめ
チップソー(木工系)
こちらは、木工用チップソーのおすすめです。
マキタ 鮫肌プレミアムホワイトチップソー
HiKOKI(日立工機) 丸のこ用 スーパーチップソー 黒鯱(クロシャチ) 165mm
外径 | 刃数 |
---|---|
外径165mm | 45P |
従来のHiKOKIスーパーチップソーブラック(0032-2668)と比較して、切れ味が約40%アップし、80%長く切れる。ロウ付け強度を落とさず切断抵抗を軽減する段付チップを採用。高硬度な微粒タングステンカーバイトチップで、硬い材料に対する耐摩耗性が向上。鋭角交互刃と平刃を組み合わせた組刃を採用し、切断時のブレと切断抵抗を抑えた軽快な切れ味を実現。フッ素コーティング採用で、木材のヤニや接着剤が付きにくく、集成材等の切断でも軽快な切れ味が持続。マルチボルト36V充電式丸ノコC3606DA(K)に標準付属。
マキタ 丸のこチップソー レーザースリット プレミアムタフコーティング
ヤニや接着剤の付着を防止し、抵抗の少ない軽快な作業を実現するプレミアムタフコーティングを採用。超硬質特殊チップを採用しているので、集成材などの硬い木材の切断に最適。抜群の耐摩耗性と、長寿命を実現。レーザースリット入り。
タジマ 木工用チップソー タジマチップソー 充電丸ノコ用
超硬チップの研削角度を鋭角に設定し、切れ味を重視したチップソー。切断抵抗が少なくバッテリーが長持ち。スピード重視の仮枠向き24Pと集成材もラクに切れる造作向き40Pの2種類をラインナップ。
藤原産業 SK11 くろプラス(木工チップソー)
高含有量フッ素樹脂コーティングにより、滑りが違う。強靭で平らな台金を使用し、精度ある快適な切断を実現。レーザースリット&非硬化特殊ボンド使用により、静振・静音効果が持続。
モトユキ グローバルソー 桜吹雪 木工用 BTS-SF
デザインにも性能にもこだわったチップソー。スリット入りで騒音を吸収。摩耗に強い高硬度特殊チップ採用で長持ち。フッ素コーティングでヤニ・接着剤の付着を抑制する滑らかな表面。
チップソー(鉄・金属系)
こちらは、金工用チップソーのおすすめです。
鉄・ステンレス兼用
マキタ ステンレス兼用金工刃チップソー 150mm DCホワイトメタル A-69216
外径 | 刃数 |
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外径150mm | 48P |
各種鋼材、ステンレス材の切断に最適。サーメットチップ材採用で、高耐久・長寿命。切り屑の排出性をアップした特殊チップ形状。最適な刃列パターンで、抜群の切れ味を実現。従来のチップソーと比較し、切断能率約1.1倍、耐久約1.4倍、1充電作業量約1.1倍に向上。
真誠 ハイテックソー 180mm×1.8mm×36P [鉄・ステンレス兼用] SS-DR180A
外径 | 刃数 |
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外径180mm | 36P |
パイプ、アングル、ハンガーレール、Cチャンネル、塩ビ管などの切断に最適。国内最高級サーメットチップ採用。浜松原産、完全プロ志向の Hi-Tech SAW(ハイテックソー)。
≫刃数40P SS-DR180Cもあります。
レヂトン マッハソー MD
コストパフォーマンスに優れたチップソー。鉄・ステンレス兼用で、アングル、チャンネル、デッキプレート、棒鋼、各種型鋼、各種パイプ、ライニング管、ALC、平板、アルミの切断に最適。
モトユキ グローバルソー 鉄・ステンレス兼用 FR-Nシリーズ
外径 | 刃数 |
---|---|
外径100~185mm | 20P~36P |
アングル鋼、チャンネル鋼、C型チャンネル鋼、鉄筋、平鋼、鋼管、ガス管、ライニング鋼管、しま鋼板、デッキプレート、ハンガーレール、ステンレス(SUS304)などの切断に最適。薄刃設計により切断抵抗を低減。軽くてシャープな切れ味で切断スピードがアップ。耐摩耗性に優れた高硬度・高靭性の特殊サーメットチップを採用。刃欠けを抑え、長寿命を実現。刃室を浅くし、本体剛性をアップさせ左右への振れを抑制することで直進性が向上。
アルミ用
モトユキ グローバルソー アルミ用 GAシリーズ
外径 | 刃数 |
---|---|
外径100~190mm | 36P~60P |
アルミ・銅・その他の標準切断に最適。
アイウッド アルミ用チップソー
外径 | 刃数 |
---|---|
外径80~405mm | 36P~120P |
アルミサッシ等のアルミを素材とした各種パーツの切断に最適。高精度台金を使用し、粘りのあるチップで不安定な作業でもカケにくいチップソー。
ガルバ・板金用
マキタ ガルバリウム鋼板・薄物金工用チップソー
外径 | 刃数 |
---|---|
外径80~125mm | 32P~50P |
ガルバリウム鋼板成形品・Kスパンを少ないめくれできれいに美しく切断できる。
スパイラルダクト用
藤原産業 黒タフ スパイラルダクト用 110X1.4X36P
外径 | 刃数 |
---|---|
外径110mm | 36P |
スパイラルダクトの切断専用110mmチップソー。刃厚1.4mmの薄刃仕様で軽く切れ美しく、ハゼに強く長寿命。亜鉛メッキ鋼板やスーパーダイマ鋼板、ガルバリウム鋼板の切断にも使用できる。特殊配合サーメットチップを採用。
軽天用
天龍製鋸 メタルチップソー
外径 | 刃数 |
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外径100~305mm | 22P~60P |
アングル鋼・鉄筋・チャンネル鋼・軽天バー等の切断に最適。超硬チップを斜めに埋め込んでいる為、チップの欠けや飛びが少なく優れた耐久性・安全性。チップの振れ精度を5/100mm以下で設計しており、切断面が非常に美しく仕上がる。
ホーロー用
モトユキ チップソー グローバルソー(ホーロー鋼板用) HR1
高硬度・高靭性の特殊チップを採用し、刃欠けを抑制。ホーロー鋼板に最適な歯数・刃先角度のコンビネーションを採用し、切断面がキレイ。
チップソー(サイディング系)
こちらは、サイディング用チップソーのおすすめです。
オールダイヤチップソー
真誠 オールダイヤチップソー 12P
モトユキ グローバルソー 窯業サイディングボード用チップソー 外壁達人
窯業サイディングボード、押出成形セメント板、ケイカル板、石こうボード、ラスボードなどに最適。超硬質多結晶ダイヤで抜群の耐久性を実現。切断スピードが早い薄刃設計。ローノイズスリット採用で切断時の騒音と振動を低減。
マキタ プレミアムオールダイヤチップソー
HiKOKI(日立工機) 集じん丸のこ用スーパーチップソー 黒鯱(クロシャチ)[全ダイヤ]
全ダイヤの鋭利な剣先刃仕様で、コバ欠けの少ない美しい切断が可能。補修作業を減らせる。不等間隔チップと特殊スリット採用で、切断時の騒音が低く周囲に配慮した設計。硬く滑らかなフッ素コーティング採用で、木材のヤニや接着剤が付きにくく、集成材等の切断でも軽快な切れ味が持続。木材やパーチクルボードなどの切断にも対応。
ハウスBM オールダイヤソー 張師の業
硬質窯業系サイディング、押出し成形セメント板、スレート、石膏ボード、耐火野地板、人造大理石等の切断に最適。
超硬チップソー
ハウスBM 鉄板サイディング3000
外径 | 刃数 |
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外径80~216mm | 20P~80P |
薄鉄板、金属系サイディング、アルミ建材ブリキ、カラートタン、ガルバリュウム鋼板、スパンドレール等の切断に最適。
天龍製鋸 金属サイディングチップソー
外径 | 刃数 |
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外径80~180mm | 32P~70P |
金属系サイディング・アルミサッシ・薄鉄板等の切断に最適。縦挽に最適なスクイ角、刃数の設定により切れ味抜群。チップの振れ精度を5/100mm以下で設計しており、切断面が非常に美しく仕上がる。
マキタ 窯業系サイディング用チップソー
外径 | 刃数 |
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外径80~185mm | 16P~40P |
特殊形状のサイディングチップと薄い台金の採用で軽い切れ味と超寿命を実現しました。
モトユキ 超硬チップソー 窯業サイディング用 TKシリーズ
外径 | 刃数 |
---|---|
外径80~180mm | 12P~22P |
切れ味・寿命も優れたリーズナブルタイプ。
藤原産業 SK11 黒タフ 窯業サイディング用
高硬度特殊超硬チップ採用により高い耐摩耗性で長寿命。オリジナル刃先形状により、切断時の直進性を高め刃のブレヲ低減し軽い挽きを実現。薄刃設計により、切削抵抗を減らすことで軽い挽きを実現し。美しい切断面。
チップソー(石こうボード系)
こちらは、石こうボード用チップソーのおすすめです。
山真製鋸 石膏ボード用ノンスモークチップソー
薄刃0.8mmで切断時の粉じんを低減。台金「高硬度HRC48」超硬チップ「HRA94.0」を使用。サビからチップソーをガードする両面フッ素コート仕様。
マキタ 石こうボード用(薄刃)チップソー
藤原産業 SK11 石膏ボードチップソー
刃先(超硬)角度を鋭利にし、切断時の切削抵抗を軽減。刃先(超硬)厚1.3mm設計で厚いボードや硬いボードも難なく切断できる。直進性に優れ、まっすぐな切断。
チップソー(特殊・その他)
こちらは、特殊・その他チップソーのおすすめです。
万能チップソー
藤原産業 SK11 MULTIチップソースライド
外径 | 刃数 |
---|---|
外径165~260mm | 60~80P |
木材・塩ビ類・金属・金属系サイディング・窯業系サイディングなどに使用できる(石材・ステンレスは不可)。独自の刃先角度設計により、刃欠けを抑制し大幅な耐久性アップと安全性を向上。強靭で平らな台金を使用し、精度ある快適な切断を実現。スライド丸鋸に対応。
DENSAN 丸ノコチップソー(万能刃) TS-135M
外径 | 刃数 |
---|---|
外径135mm | 40P |
超硬度サーメットチップ採用で長寿命を実現し、多くの材料が切断できる(石材・ステンレスは不可)。ヤニや接着剤に強く、切れ味長持ちのブラックフッ素コーティング。
アイウッド リフォームソー
外径 | 刃数 |
---|---|
外径80~190mm | 28~58P |
塩ビ・プラスチック用チップソー
モトユキ グローバルソー 塩ビ・プラスチック用 PTシリーズ
外径 | 刃数 |
---|---|
外径125~190mm | 46~64P |
塩ビ・アクリルプラスチック・樹脂及び板金材の切断に。
キッチンパネル用チップソー
山真製鋸 キッチンパネルチップソー
外径 | 刃数 |
---|---|
外径100~190mm | 70~120P |
キッチンパネルの切断をチップソーで可能に。薄刃設計(1.1~1.5mm)で、粉じんの低減ときれいな仕上がりを実現。
草刈機用チップソー
こちらは、草刈機用チップソーのおすすめです。
雑草用
藤原産業 E-Value 軽量タイプチップソー 2枚組
軽量で楽々草刈ができる。刃先全面研磨なので、切れ味抜群。チップは斜め埋め込みで、飛びにくく作業者に安全。
高儀 天下無草チップソー軽量 草刈2枚 230×36P 天下無草 230×36P
外径 | 刃数 |
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外径230mm | 36P |
マキタ 刈払機用 ファインチップソー
外径 | 刃数 |
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外径230mm | 32P |
外径255mm | 36P |
切れ味重視タイプや長寿命タイプ、刈刃巻付き防止カッタ付き、安全鑑定適合品など様々なバリエーションをラインナップ。
マキタ 刈払機用 DCホワイトチップソー
低振動&省エネで、充電式草刈機に最適なマキタ純正チップソー。1充電あたりの作業面積約25%アップを実現。
竹・笹・雑木用
藤原産業 山林用チップソー
直径50mmまでの竹や枝を切断可能。夏以降の硬い草にも最適。鋸の目立てを応用し、摩擦が少なく切りクズの排出がされやすい。
マキタ 刈払機用 竹・笹・雑木用チップソー
ハウスBM 刈払チップソー竹笹ブラック TB
ツムラ L-52 オールラウンド
木工用同様の本格研磨で雑木、竹や笹の刈払に最適。従来の山林用60Pに比べ、刃の間隔を広げているので柔らかい草でもしっかり切れる。段ロー付埋込のため耐久性抜群。
小石などに強いチップソー
藤原産業 超強ジャンボチップチップソー
カギ型チップで石やブロックにあたった際のチップ自体の抜け飛びを防止。大型チップ採用により、台金とのロウ付け面積が大きくなりチップ抜け飛びを防止。
アイウッド 刈払機用チップソー強力コブ付カル刈ッタ(一般草刈り用) 9813
台金のコブがチップを保護する石に強いチップソー。特殊チップに木工用と同じ研磨を施し、最高の長切れと切味。メッシュタイプの台金で軽く、作業が楽。
ツムラ F型ハイパーチップソー
従来のF型のナナメ埋込に比べ、2段ロー付け埋込のためチップが非常にはずれにくいチップソー。石の多い所、キワ刈、障害物、側溝周りに最適。強硬岩石対応特殊チップの使用により、チップの欠けを極限に軽減し、驚異の耐衝撃性能を実現。
主なメーカー
チップソーは工具メーカーの純正品以外に、様々なメーカーから販売されています。チップソーを専門とするメーカーもあり、純正以上のクオリティのチップソーもたくさんあります。ここではチップソーを製造している主なメーカーをご紹介します。
天龍製鋸
アイウッド
チップソージャパン
モトユキ(グローバルソー)
ツムラ
真誠
ハウスBM
山真
マキタ
日本の電動工具のシェアトップメーカーで豊富な充電工具のラインナップを持つ。白いコーティングが特徴の「鮫肌」チップソーは、充電丸ノコの1充電あたりの作業量を大幅にのばしてくれる優れもの。
HiKOKI(旧 日立工機)
新ダイワ
タジマ
計測・測定機器を主に手がける総合ツールメーカー。ブルーレーザー墨出し器で墨出し器業界をリード中。チップソーは木工用のみのラインナップだが、安いのによく切れると人気の商品。
ロブテックス
エビ印で知られる1888年創業の作業工具・ファスニングツール・工業用ファスナー・電設工具・切削工具メーカー。チップソーは金工・サイディング用を中心にラインナップ。
藤原産業
主にDIY向け商品を多数手がけるメーカー。主要ブランドのSK11は、低価格でありながら高い品質で一般ユーザーからセミプロユーザーまで幅広い人気を集める。「くろ」シリーズは、価格以上の性能との呼び声が高い人気チップソー。
トラスコ
チップソーを長持ちさせるために
木工用・草刈機用チップソーのヤニ取り
木工用や草刈機用チップソーは、使っていると木や植物のヤニが付着していきます。このヤニをそのままにしておくと、摩擦抵抗が大きくなり切れ味が悪化します。また、ヤニに含まれる水分がサビの原因にもなります。ヤニはブラシなどでこすっても簡単には取れませんが、ヤニ取りスプレーを使うことで簡単に落とすことができます。ヤニ取りスプレーはチップソーだけではなく、ノコギリやセーバーソー、ヘッジトリマーなどにも使えますので、持っておくと重宝するでしょう。
また、表面コーティングがされたチップソーを選ぶことで、ヤニが付きにくく切れ味を長期間維持することができます。
シルキー ヤニクリーン
おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。チップソーの外径・歯数・厚みごとの選び方&おすすめ【木工・金工・サイディング・石こうボード・草刈】、いかがでしたでしょうか。皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。
・ トラスコ中山株式会社 ( 2014 )『 知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2」 』 p.474 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・ ハウスビーエム 「 チップソーの基本説明 」, 株式会社ハウスビーエム (2019年9月25日閲覧)
・ 天龍製鋸株式会社 「 チップソーの基本説明 」, 天龍製鋸株式会社 (2019年9月25日閲覧)
・ 工業用機械刃物の学校/MADE IN HAMAMATSU 渡辺製鋸 「 チップソーの特徴 」, 有限会社 渡辺製鋸 (2019年9月25日閲覧)
・ 株式会社モトユキ|グローバルソー公式サイト 「 商品情報 」, 株式会社 モトユキ (2019年9月25日閲覧)