この記事は初心者の方にもおすすめです。
目次
ディスクグラインダーってどんな工具?
- 先端工具の砥石や刃物を換えることで、金属やコンクリートの研磨、切断と幅広く活躍する定番の電動工具です。
- 金属の切断には、切断砥石を使用します。
- コンクリートの切断にはダイヤモンドカッターを使用します。
- 研磨作業にはダイヤモンドカップ、研削砥石や研磨ディスク・ペーパーを使用します。
- サンダーやポリッシャーと異なり、ディスクを平面に密着させた仕上げ研磨はできないため、硬い材料の粗研磨に向いています。
- より強力なパワーを発揮する高周波グラインダーもあります。
- ディスクグラインダーには、高速タイプと低速高トルクタイプがあります。高速回転タイプは金属切断、低速高トルク型は研磨作業に向いています。
種類と選び方
それではさっそく、ディスクグラインダーの選び方について見ていきましょう。重要な点を項目ごとにまとめてみました。
充電式か、AC電源式か
ディスクグラインダーは、充電式ディスクグラインダーとAC電源式ディスクグラインダーの二つに分けられます。
充電式ディスクグラインダー

2015年頃までは充電式はすぐに止まる、コード式と比べて非力、といった声もありましたが、ここ2年ほどでかなり粘り強くなっています。100mm、125mmクラスであれば充電式も充分の作業をこなします。
バッテリーの電圧は、14.4V、18V、36Vのものがあり、主流は18Vになっています。インパクトドライバーなどでは10.8Vや7.2Vのバッテリーを搭載した機種もありますが、ディスクグラインダーはある程度のパワーが必要になるため、10.8V以下の機種はありません。
AC電源式ディスクグラインダー

安価で種類も豊富です。AC電源なので、安定したパワーを発揮します。150mm、180mmクラスのディスクグラインダーはAC電源タイプになります(150mmで一部メーカーよりコードレスも出ています)。
AC電源の電圧は、単相100V、単相200V、三相200Vのものがあります。一般的に使われるのは単相100V電源になります。よりパワーが必要な場合には単相200Vの電源が使われます。三相200V電源は高周波グラインダーになり、強力なトルクを必要とする造船現場などで使われています。
AC電源式ディスクグラインダーには、高速タイプと低速高トルクタイプがあります。高速回転タイプは金属切断、低速高トルク型は研磨作業に向いています。低速・高速の記載がない機種もあります。
タイプ | 回転数 | 使用用途 |
---|---|---|
高速型 | 12,000min-1前後 | 金属切断向け |
低速高トルク型 | 9,000min-1前後 | 研磨作業向け |
特に記載のないタイプ | 4,000~10,000min-1前後 | 電子制御や無段変速などを搭載している機種もあり、ある程度マルチに作業をこなせる。 |

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刃(砥石)外径で選ぶ
ディスクグラインダーには100mmや150mmといったサイズがあります。これは、そのディスクグラインダーで使用可能な刃(砥石)の外径サイズをあらわしています。
ディスクグラインダーのサイズには、100mm・125mm・150mm・180mmのものがあります。このうち、100mmと125mmが主流になっています。150mmと180mmのものは、基本的にAC電源式になります。
グラインダーのサイズ | 使用(刃)砥石サイズ | 砥石(刃)穴径 | 電源 |
---|---|---|---|
100mm | 100~105mm | 15mm | AC電源式・充電式 |
125mm | 125mm | 20mm | AC電源式・充電式 |
150mm | 150~154mm | 20mm・22mm | AC電源式・充電式(GWS18V-150SCHのみ) |
180mm | 180mm | 20mm・22mm・25mm | AC電源式・充電式(GA700Dのみ) |
付加機能で選ぶ
ディスクグラインダーには、電源形式や刃(砥石)外径といった基本的な項目の他に、より便利に使用するための機能がついている機種があります。ここではそういった付加機能を一覧にまとめてみました。あると便利だなと思う機能を確認してみてください。
機能 | 概要 | 対応機種 |
---|---|---|
モード自動切換 | 充電式のディスクグラインダーによく採用されている機能です。負荷に応じて自動的に最適な回転数に変速します。 | ≫対応機種一覧 |
ブレーキ付き | 電源を切ると自動的にブレーキがかかります。回転が止まるのを待つ必要がないため、素早く次の作業に移ることができます。 | ≫対応機種一覧 |
電子制御 | 電子制御により、負荷がかかっても回転数を一定に保ちます。 | ≫対応機種一覧 |
変速ダイヤル付き | 変速ダイヤルにより、回転数を変更することができます。作業に合わせた最適な回転数に調整することで、作業効率が上がります。 | ≫対応機種一覧 |
過負荷保護機能 | 過負荷時に自動停止することで、故障や事故などを防止します。 | ≫対応機種一覧 |
集じん機接続(要別売品) | 別売品の取り付けにより、集じん機への接続が可能です。 | ≫対応機種一覧 |
サイドグリップ付き | サイドグリップにより、よりしっかりと本体を保持することができます。 | ≫対応機種一覧 |
ブラシレスモーター | ブラシレスモーター搭載で、安定した動作とメンテナンスフリーを実現しています。 | ≫対応機種一覧 |
無線接続 | ボッシュ:電動工具とスマートフォンなどをBluetoothで接続することにより、電動工具の状態の確認や設定の変更ができます。(コネクト機能) マキタ:ワイヤレスユニットの装着で、集じん機とワイヤレスで接続し集じんを行えます。(AWS無線連動集じん) |
≫対応機種一覧 |
連動集じんに対応している集じん機の場合は、電動工具のON・OFFと連動して自動的に集じんのON・OFFができます。この連動集じんには2種類あり、従来式のコンセント連動と、2017年にマキタから登場した無線連動に分けられます。
従来型のコンセント連動方式は、AC電源式の集じん丸ノコであれば問題なく使用できますが、充電式の集じん丸ノコでは使用できないという問題がありました。これを解決したのがマキタの無線連動方式になります。無線連動対応のディスクグラインダーと集じん機同士であれば、ワイヤレスで連動出来るので、充電式のディスクグラインダーでも連動集じんができます。
集じん機について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください☟

高周波グラインダー


高周波発生機に接続して240~400Hzの周波数で動作させ、強力なトルクを生み出します。造船や鋳物業等で使われます。
高周波発生機を動かすためには三相200Vの電源が必要になってくるため、使える場所が限られます。
グラインダー本体も比較的高価になりますが、高周波発生機もより高価なため、初期費用がかなり高くなります。
高周波グラインダーは、こちらからご覧ください☟

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主なメーカー
日立(HiKOKI)
マキタ
ボッシュ
代表的なおすすめ機種
ここからは作業用途別に代表的なおすすめ機種をご紹介していきます。
より詳しいおすすめ機種はこちらでご覧ください☟

充電式ディスクグラインダー
マキタ 100mm 18V 充電式ディスクグラインダー スライドスイッチ GA404DN
自動モード切替機能搭載で快適作業を実現します。軽負荷時は「ハイスピードモード」で軽快に、重負荷時には「高トルクモード」へと自動でモード切替し、AC100V機並みの粘り強さを発揮します。防滴・防じんボディ 「アプト」で安心して使用できます。キックバック時の急激な回転数低下を検知して自動停止するので安全です。
≫パドルスイッチモデルもあります。
リナ
日立工機 マルチボルト 36V 100mm充電式ディスクグラインダー(ブレーキ付) G3610DA
最大出力1,270Wを発揮し、クラス最強の切断・研削性能を有しています。過負荷作業時でも高回転数を確保する強力なモーターおよび制御回路を装備しているので、従来の18V製品では困難だった重負荷作業が効率よく行えるようになり、AC製品同等(G10SH5)の切断スピードを実現しました。
連続作業に便利なスライドスイッチ+ブレーキ付です。細径で握りやすく、小形ヘッドで軽量コンパクトなボディにより、取り回しが良く、効率の良い作業が可能です。
≫パドルスイッチモデルもお選びいただけます。
リナ
低速高トルク型(コンクリートや石材などの切断・研磨作業向け)
ボッシュ 100mmディスクグラインダー(低速・高トルク型) GWS7-100T
リナ
マキタ 100mmディスクグラインダー (低速・高トルク型) 9533BLA
リナ
高速型(金属の切断や研磨作業向け)
マキタ 100mmディスクグラインダー (低速・高トルク型) 9533BLA
リナ
日立工機 100mm ディスクグラインダー G10SH6
リナ
バランス型
日立工機 100mmディスクグラインダー ACブラシレスモーター G10VE
リナ
マキタ 100mm 電気ディスクグラインダ GA4041C
リナ
先端工具の取り外しを工具レスで! 新システム「X-LOCK」

2019年10月、ボッシュから新しいシステムX-LOCKを搭載したディスクグラインダーが発売されました。更に、2020年3月には、マキタからもX-LOCK搭載機がラインナップに加わります。このX-LOCKの最大の特徴は、工具無しで先端工具を交換することができるという点です。
従来のディスクグラインダーは、先端工具を交換する際にロックナットの付け外しをする必要がありました。安全上丁寧に行う必要がある作業ですが、急いでいる時や一日に何度も交換する必要があるような現場では、わずらわしい作業です。
一方X-LOCKでは、先端工具の取り付けも取り外しも工具を必要とせずワンタッチで行えるので、交換の時間を大幅に短縮することができ、作業を効率よくこなすことができます。また、ロックナットがないので、フラットな角度での研削が可能になります。


現在X-LOCKはボッシュ・マキタの2社のみのラインナップになりますが、世界最大手と国内最大手の2社が率先して導入したことにより、今後他のメーカーにも広まっていくことが予想されます。

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DIY向けのおすすめディスクグラインダー
ここでは、DIY・ライトユース向けのディスクグラインダーをご紹介します。
日立工機 電気ディスクグラインダ FG10SS2
マキタ 100V ディスクグラインダ M965
高儀 EARTH MAN 変速ディスクグラインダー 100mm DGR-110SCA
金属の研磨やバリ取り、木材の下地磨きや面取りなどに使用できます。ダイヤル式無段変速機能が付いているので、作業内容に応じて最適な回転数に変速することができます。サイドグリップ付きなので、しっかりと握れます。
新興製作所 ディスクグラインダー SDG-100J
おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。ディスクグラインダーの特長・選び方とおすすめ機種、いかがでしたでしょうか。皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。
・トラスコ中山株式会社(2014)『知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2 」』 p.438 佐川印刷株式会社
・荒井章(2006)『電動工具完全使いこなし術』 p.120-127 株式会社山海堂
グラインダーを使用する際、
高機能付ディスクグラインダー(ブレーキ・キックバック軽減・再起動防止付)でなければならない言う法規がありますか?
重松さま
コメントありがとうございます!
特にそういった法律はございません。