目次
マキタのドリルドライバーが多すぎる!
マキタのドリルドライバーって多すぎると思ったことはありませんか? 2022年6月現在のラインナップは32機種※となっており、なんとインパクトドライバーよりも多い数になっているのです。
特に、18Vや10.8Vのラインナップは種類も多く、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いと思います。
そこで、今回の記事では、多くの方が特に気になっている18Vのラインナップを、様々な角度から比較検討して、能力の違いや使い分け、用途別の選び方を徹底的にチェックしていきます。
もちろん、18Vだけではなく、40Vmaxや10.8V・7.2Vといった各種電圧もしっかりと網羅していきます。最後までご覧いただければ、あなたにとって最適な機種がきっと見つかりますよ。
※在庫僅少品・色違いを除く
ドリルドライバー? マキタはドライバドリルじゃないの?
ドリルドライバーは別名ドライバドリルとも呼ばれています。これはメーカーによって表記が違うため呼び方が混在しているのですが、呼び方が違うだけで工具本体は同じものになります。
この記事では、ドリルドライバーと表記させていただいています。
主要なメーカーでの呼び方は以下のようになっています。
- ドリルドライバー表記
パナソニック・ブラック&デッカー・デウォルト・SK11・インガーソールランド - ドライバドリル表記
マキタ・HiKOKI(日立工機)・ボッシュ・リョービ・京セラ
ちなみに、震動ドリルドライバーも、「震動」と「振動」の2つの表記があります。このうち、「震動」と表記しているのはマキタだけで、他のメーカーは「振動」表記となっています。もちろん、どちらの表記でも同じ工具になります。
マキタのドリルドライバー・震動ドリルドライバーフルラインナップ【2022年6月現在】
2022年6月現在のラインナップを表にまとめてみました。パソコンの場合は、表の下部のスクロールバーやマウスの左右スクロールで左右のスライドができます。スマートフォン・タブレットの場合は、スワイプでスライドできます。
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
36V (40Vmax) |
DF001G ¥70,587 |
× | 150N.m | 41段 (電子式) |
181mm | 2.3kg | ○ (IPX6) |
○ | 0~2,600min-1 | – | 青 |
HP001G ¥71,338 |
○ | 150N.m | 41段 (電子式) |
182mm | 2.3kg | ○ (IPX6) |
○ | 0~2,600min-1 | 0~39,000min-1 | 青 | |
DF002G ¥59,130 |
× | 65N.m | 21段 | 164mm | 1.9kg | ○ (IPX6) |
○ | 0~2,200min-1 | – | 青黒 | |
HP002G ¥59,812 |
○ | 65N.m | 21段 | 164mm | 1.9kg | ○ (IPX6) |
○ | 0~2,200min-1 | 0~33,000min-1 | 青 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
18V | DF486D ¥67,177 |
× | 140N.m | 21段 | 178mm | 2.3kg | ○ | ○ | 0~2,100min-1 | – | 青 |
HP486D ¥67,928 |
○ | 140N.m | 21段 | 178mm | 2.3kg | ○ | ○ | 0~2,100min-1 | 0~31,500min-1 | 青 | |
DF458D ¥56,061 |
× | 84N.m | 21段 | 225mm | 2.2kg | ○ | × | 0~2,000min-1 | – | 青 | |
HP458D ¥56,743 |
○ | 84N.m | 21段 | 225mm | 2.3kg | ○ | × | 0~2,000min-1 | 0~30,000min-1 | 青 | |
DF484D ¥56,061 |
× | 60N.m | 21段 | 182mm | 1.7kg | ○ | ○ | 0~2,000min-1 | – | 青黒 | |
HP484D ¥56,743 |
○ | 60N.m | 21段 | 182mm | 1.8kg | ○ | ○ | 0~2,000min-1 | 0~30,000min-1 | 青 | |
DF487D ¥54,288 |
× | 40N.m | 20段 | 150mm | 1.6kg | ○ | ○ | 0~1,700min-1 | – | 青 | |
HP487D ¥55,038 |
○ | 40N.m | 20段 | 150mm | 1.6kg | ○ | ○ | 0~1,700min-1 | 0~25,500min-1 | 青 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
14.4V | DF474D ¥52,855 |
× | 48N.m | 21段 | 172mm | 1.7kg | ○ | ○ | 0~2,000min-1 | – | 青黒 |
HP474D ¥53,537 |
○ | 48N.m | 21段 | 182mm | 1.7kg | ○ | ○ | 0~2,000min-1 | 0~30,000min-1 | 青 | |
DF473D ¥44,740 |
× | 38N.m | 20段 | 162mm | 1.4kg | ○ | ○ | 0~1,700min-1 | – | 青 | |
HP473D ¥45,422 |
○ | 38N.m | 20段 | 176mm | 1.4kg | ○ | ○ | 0~1,700min-1 | 0~25,500min-1 | 青 | |
DF471D ¥26,803 |
× | 38N.m | 16段 | 192mm | 1.4kg | × | × | 0~1,500min-1 | – | 青 | |
DF370D ¥17,325 |
× | 30N.m | 16段 | 192mm | 1.3kg | × | × | 0~1,400min-1 | – | 青 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10.8V (スライド式) |
DF332D ¥31,801 |
× | 32N.m | 20段 | 154mm | 1.1kg | × | ○ | 0~1,500min-1 | – | 青 |
HP332D ¥32,802 |
○ | 32N.m | 20段 | 168mm | 1.2kg | × | ○ | 0~1,500min-1 | 0~22,500min-1 | 青 | |
DF333D ¥19,028 |
× | 28N.m | 20段 | 179mm | 1.1kg | × | × | 0~1,700min-1 | – | 青 | |
HP333D ¥20,878 |
○ | 28N.m | 20段 | 193mm | 1.1kg | × | × | 0~1,700min-1 | 0~25,500min-1 | 青 | |
DF033D ¥18,447 |
× | 28N.m | 20段 | 149mm | 0.93kg | × | × | 0~1,700min-1 | – | 青 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10.8V (差込式) |
DF330D ¥18,013 |
× | 22N.m | 18段 | 189mm | 1.0kg | × | × | 0~1,300min-1 | – | 青 |
HP330D ¥19,250 |
○ | 22N.m | 18段 | 201mm | 1.0kg | × | × | 0~1,500min-1 | 0~22,500min-1 | 青 | |
DF030D ¥16,161 |
× | 22N.m | 18段 | 157mm | 0.88kg | × | × | 0~1,300min-1 | – | 青 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7.2V (差込式) |
DF012D ¥20,328 |
× | 8N.m | 21段 | 218mm | 0.53kg | × | × | 0~650min-1 | – | 青黒 |
電圧 | 品番 | 震動 | トルク | クラッチ 段数 |
ヘッド長 | 重量 | 防塵 防滴 |
BL モーター |
回転数 | 打撃数 | カラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
18V (DIY用) |
MDF003DSX ¥22,000 |
× | 38N.m | 16段 | 221mm | 1.6kg | × | × | 0~1,400min-1 | – | 緑 |
MHP003DSX ¥23,208 |
○ | – | 16段 | 239mm | 1.7kg | × | × | 0~1,400min-1 | 0~21,000min-1 | 緑 | |
M851DSX ¥23,650 |
○ | – | 16段 | 238mm | 1.7kg | × | × | 0~1,400min-1 | 0~21,000min-1 | 緑 | |
14.4V (DIY用) |
MDF347DS ¥11,065 |
× | 30N.m | 16段 | 198mm | 1.4kg | × | × | 0~1,400min-1 | – | 緑 |
M850DSX ¥19,963 |
○ | – | 16段 | 216mm | 1.4kg | × | × | 0~1,400min-1 | 0~21,000min-1 | 緑 |
マキタバッテリーの電圧一覧と、電圧ごとのおすすめ機種
マキタのドリルドライバー・震動ドリルドライバーを選ぶ上で、まず見るべきポイントはバッテリーの電圧です。この電圧によって、大体のパワーや軽さ、互換性が見えてきます。7.2Vから36Vまで様々な電圧のバッテリーがありますが、「18V機に14.4Vバッテリー」、「36V機に18Vバッテリー」などといった異なる電圧のバッテリーは取り付けできません。一方で、同じ電圧であれば、容量(Ah)が違っても他の工具に使い回すことができます。
バッテリーの電圧ごとにパワー・軽さ・互換性・価格を大まかに数値化したものが下の表になります。数値が高いほど良いということになりますので、参考にしてみてください。
バッテリー電圧 | パワー | 軽さ | 互換性 | 価格 |
---|---|---|---|---|
36V(40Vmax) | 5 | 1 | 3 | 1 |
18V | 4 | 2 | 5 | 2 |
14.4V | 4 | 3 | 4 | 2 |
10.8V(スライド式) | 3 | 4 | 4 | 3 |
10.8V(差込式) | 2 | 4 | 3 | 4 |
7.2V | 1 | 5 | 2 | 5 |
18V(DIY用) | 3 | 3 | 1 | 4 |
14.4V(DIY用) | 3 | 3 | 2 | 4 |
- パワー・・・スペック上最も重要なトルクの高さです。
【低】1<3<5【高】 - 軽さ・・・バッテリー装着時の軽さです。
【重】1<3<5【軽】 - 互換性・・・そのバッテリーを使い回せる工具のラインナップ数です。
【少】1<3<5【多】 - 価格・・・フルセットでの購入価格です。
【高】1<3<5【安】
36V(40Vmax)
2019年10月に登場した新バッテリーシステムです。2022年6月時点で既に140機種がラインナップされています。使い回せるジャンルで見ると、まだまだ18Vシリーズには敵いませんが、今後さらなるラインナップの拡充が期待されます。
36V(40Vmax)バッテリーの高い電圧を生かしたパワフルさが特徴で、連続での高負荷作業が得意です。36V(40Vmax)バッテリーは、現在3種類がラインナップされています。BL4025の場合は18V換算5.0Ahとなるので、18V6.0Ah機と比べると、1充電あたりの作業時間は短くなります。
品番 |
BL4025 |
BL4040 |
BL4050F |
---|---|---|---|
容量 | 2.5Ah | 4.0Ah | 5.0Ah |
出力 | 1.1kw | 1.5kw | 2.1kw |
充電時間 | 28分 | 45分 | 50分 |
18V換算 | 5.0Ah | 8.0Ah | 10.0Ah |
36V(40Vmax)バッテリーの特筆すべき点は、バッテリー単体での防じん防水等級IP56に対応している点です(工具本体に取り付けた場合には、工具本体の保護等級に準じます)。また、従来のバッテリーと比べて耐衝撃性も約40%アップしています。
36V(40Vmax)バッテリーに対応する充電器は、1個口のDC40RAと、2個口のDC40RBのみとなっています。18V用のDC18RF・DC18REなどでは、物理コネクタの形状そのものが異なるので充電することはできません。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー | |
---|---|
|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 | |
|
パワフルなドリルドライバー・震動ドリルドライバーが欲しいなら
なによりもパワフルなドリルドライバー・震動ドリルドライバーが欲しいなら、フラグシップモデルのDF001G・HP001G1択です。150N.mの高トルク、電子式41段クラッチ、振り回され低減機能、防じん防水保護等級IPX6(本体)、防じん防水保護等級IP56(バッテリ)、など従来の18V機を上回るハイスペックマシンです。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバーの中で唯一、φ220mm大口径コアビット、コンクリートφ20mmの穴あけ、鉄工ビットφ20mm対応となっています。
40Vmaxでバランスの取れた機種がほしいなら
40Vmaxバッテリーを採用しながら重量1.9kg、ヘッド長164mm(HP002Gは174mm)と軽量コンパクトのミドルモデルDF002G・HP002Gがおすすめです。上位機種DF001G・HP001Gと同様に、防じん防水保護等級IPX6(本体)、防じん防水保護等級IP56(バッテリ)に対応しています。
18VのミドルモデルHP484D・DF484Dよりトルクが5N.mアップしていますが、ヘッド長は逆に8mm短くなっています。コアビットには非対応となっていますので、コアビットを使う場合は、DF001G・HP001Gを選んでください。
18V
マキタリチウムイオンバッテリーの中で最大のラインナップ数を誇るのが18Vバッテリーシステムです。ラインナップ数は356機種(18Vバッテリーを2個使う36Vシリーズも含む)と圧倒的です。18Vバッテリーを持っているだけで、356機種で取り回しが効くというのは非常に大きなメリットになります。
他の電動工具メーカーと同様に、マキタもこの18Vを主力と位置づけており、毎年多数の新機種を投入しています。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー | |
---|---|
|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 | |
|
18Vのラインナップが特にわかりづらい
上の対応機種一覧を見ていただいたら分かる通り、18Vだけで8機種もラインナップされています。震動の有無を除けばフラグシップ・ハイミドル・ミドル・コンパクトの4種類になりますが、それでも選定に迷ってしまいます。トルク値以外にも選定に必要なポイントがいくつかありますので、仕様表で比較してみましょう。
フラグシップ | ハイミドル | ミドル | コンパクト | ||
---|---|---|---|---|---|
品番 | HP486D /DF486D |
HP458D /DF458D |
HP484D /DF484D |
HP487D /DF487D |
|
最大トルク | 140N.m | 84N.m | 60N.m | 40N.m | |
ヘッド長 | 178mm | 225mm | 182mm/172mm | 164mm/150mm | |
ネジ締め能力 | 木ねじ | φ10×90mm | φ10×90mm | φ10×90mm | φ6×75mm |
小ネジ | M6 | M6 | M6 | M6 | |
穴あけ能力 | コンクリート | 16mm (DF486Dは非対応) |
16mm (DF458Dは非対応) |
13mm (DF484Dは非対応) |
13mm (DF487Dは非対応) |
鉄工 | 13mm | 13mm | 13mm | 13mm | |
木工 | 50mm | 38mm | 38mm | 36mm | |
座堀 | 76mm | 76mm | – | – | |
コアビット対応能力 | φ170mm | φ65mm | × | × | |
チャック能力 | 1.5~13mm | 1.5~13mm | 1.5~13mm | 1.5~13mm | |
回転数 | 高速 | 0~2,100min-1 | 0~2,000min-1 | 0~2,000min-1 | 0~1,700min-1 |
低速 | 0~550min-1 | 0~400min-1 | 0~500min-1 | 0~500min-1 | |
打撃数 | 高速 | 0~31,500min-1 (DF486Dは非対応) |
0~30,000min-1 (DF458Dは非対応) |
0~30,000min-1 (DF484Dは非対応) |
0~25,500min-1 (DF487Dは非対応) |
低速 | 0~8,250min-1 (DF486Dは非対応) |
0~6,000min-1 (DF458Dは非対応) |
0~7,500min-1 (DF484Dは非対応) |
0~7,500min-1 (DF487Dは非対応) |
|
ブラシレスモーター | ◯ | × | ◯ | ◯ | |
サイドグリップ | ◯ | ◯ | × | × | |
重量 | 2.3kg | 2.3kg/2.2kg | 1.8kg/1.7kg | 1.6kg | |
実売 価格 |
フル セット |
¥67,928 (HP) ¥67,177 (DF) |
¥56,743 (HP) ¥56,061 (DF) |
¥56,743 (HP) ¥56,061 (DF) |
¥55,038 (HP) ¥54,288 (DF) |
本体のみ | ¥28,275 (HP) ¥27,513 (DF) |
¥17,178 (HP) ¥16,217 (DF) |
¥17,119 (HP) ¥16,474 (DF) |
¥15,177 (HP) ¥14,415 (DF) |
スペック上で大きく変わってくるポイントとしては、トルク・ヘッド長・コアビット対応能力・ブラシレスモーターの有無・重量になってきます。
一方で、基本的な機能である、ネジ締め能力やチャック能力などはほぼ同等となっています。
それぞれの具体的な数値などは上の表を見ていただきたいのですが、選定の基準としては次のようになります。
コンクリートへの穴あけをするなら
φ170mmまでのコア抜きをするなら・木工ドリルでφ50mmの穴あけをするなら 【パワー重視】
選択肢はHP486D(フラグシップ)1択です。
コア抜きをするがφ65mmまでなら
HP458D(ハイミドル)がおすすめです。ただ、HP458Dはブラシモーターなので、気になる方はHP486Dを選びましょう。
コア抜きをしないなら・コンクリートへの穴あけがφ13mmまででいいなら・とりあえず18Vの震動ドリルドライバーが欲しいなら【作業性重視】
「パワーはそこまでいらないんだけど、18Vバッテリーのラインナップは魅力的だから18Vの使い勝手が良い震動ドリルドライバーが欲しい」という場合は、サイズと重量、性能が良いバランスでまとまっているHP484D(ミドル)がおすすめです。
18Vで最も軽量コンパクトな機種がほしいなら
ヘッド長が最小の164mm、重量が最軽量の1.6kgとなっているHP487D(コンパクト)がおすすめです。
コンクリートへの穴あけをしないなら
φ170mmまでのコア抜きをするなら・木工ドリルでφ50mmの穴あけをするなら 【パワー重視】
選択肢はDF486D(フラグシップ)1択です。
コア抜きをするがφ65mmまでなら
DF458D(ハイミドル)がおすすめです。ただ、DF458Dはブラシモーターなので、気になる方はDF486Dを選びましょう。
コア抜きをしないなら・とりあえず18Vのドリルドライバーが欲しいなら【作業性重視】
「パワーはそこまでいらないんだけど、18Vバッテリーのラインナップは魅力的だから18Vの使い勝手が良いドリルドライバーが欲しい」という場合は、サイズと重量、性能が良いバランスでまとまっているDF484D(ミドル)がおすすめです。
18Vで最も軽量コンパクトな機種がほしいなら
ヘッド長が最小の150mm、重量が最軽量の1.6kgとなっているDF487D(コンパクト)がおすすめです。
14.4V
18Vの登場でその地位から退きましたが、一昔前までは電動工具の主力を担っていました。18Vの普及に伴って新機種の投入も年々減ってきています。
投入数が減ってきているとは言っても、ラインナップ数は161機種と、競合するHiKOKIの18Vとマルチボルト36Vを足した数より多くなっています。
18Vバッテリーと比べて軽量で持ったときのバランスも良好なため、今でも一定のニーズがあります。
18Vと比べてパワーが劣るため、卓上/スライド丸のこ、油圧パンチャーや鉄筋カッターといった一部の主要電動工具のラインナップはありません。これらの工具が必要な場合には、18Vを選びましょう。
- 締付・穴あけ・はつり
-
- ケレン
- シャーレンチ
- 切断・切削
-
- 卓上丸のこ
- スライド丸のこ
- 高速切断機
- バンドソー
- コンクリートカッター
- 集じん・送風
-
- ハンディホットガン
- 研削・研磨
-
- 仕上げサンダー
- ミニサンダー
- ポリッシャー
- ハンドグラインダー
- ドライウォールサンダー
- ベルトサンダー
- 園芸工具
-
- 芝刈機
- せん定ハサミ
- 運搬車
- アースオーガ
- 油圧・圧着・鉄筋
-
- 油圧パンチャー
- ケーブルカッター
- 鉄筋カッター
- 圧着機
- 電動工具・充電工具その他
-
- フィニッシュネイラ
- リベッター
- かくはん機
- 高圧洗浄機
- 真空ポンプ
- 空気入れ
- 保冷庫
- グリスガン
- 防災用コンボキット
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー | |
---|---|
|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 | |
|
14.4VならDF474D・HP474D
14.4Vのドリルドライバー・震動ドリルドライバーならDF474D・HP474Dがおすすめです。18VのミドルモデルHP484D・DF484Dの14.4V版となっていて、14.4Vの中では最もパワーのある機種です。
14.4Vでも軽量・コンパクトな機種がほしいならDF473D・HP473D
軽量1.4kg、ヘッド長はDF473Dで162mm、HP473Dで176mmとなっています。
18VのコンパクトモデルHP483D・DF483Dの14.4V版となっています。18VのHP483D・DF483Dは2021年3月にモデルチェンジが入り新型機HP487D・DF487Dとなりましたが、2022年7月現在でも、14.4V版のモデルチェンジ情報は入ってきていません。
DF471D・DF370Dはどうなの?
DF471D・DF370Dはプロ向けというよりは、DIY・ライトユース向けの機種となっています。防じん防滴・ブラシレスモーターといった機能もついておらず、ヘッド長も192mmとかなり大きめです。
フルセットに付属してくるバッテリーも1.5Ahとかなり少ない容量になっていますので、連続作業にも不向きです。その分価格はかなり抑えめになっていますので、14.4V導入機として検討してみるのも手かもしれません。(※本体のみでの販売はありません)
10.8V(スライド式)
一昔前の10.8Vは、パワーもそこまで高くなく連続作業時間も短かったため、プロ向けというよりはDIY向けという位置づけでした。しかし、バッテリーの性能アップやより進化した設計により、現在の10.8V、特にスライド式の10.8Vは、14.4Vや一部の18Vに肩を並べるまでになって来ています。
そのため、パワーよりもバランスを求めるユーザーや軽さを求めるユーザーに特に人気となっています。また、プロのサブ機としてのニーズも高まってきています。
こういった状況から、各電動工具メーカーも力を入れているのがこのスライド式10.8Vになります。マキタも例外ではなく、ラインナップ数は120機種と、14.4Vに迫る数となっています。
2020年8月には、待望のブロワも登場しました。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー |
---|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 |
10.8Vでも性能を突き詰めたいなら
10.8Vでも性能を突き詰めたいならDF332D・HP332Dがおすすめです。32N.mのトルク、ブラシレスモーター、コンパクトなヘッド長154mm(HP332Dは168mm)と十分なスペックがあります。
また、この2機種のフルセット仕様には、10.8Vスライドバッテリーの中でも最大容量の4.0Ahバッテリーが付属しているので、長時間作業にも対応できます。
コストパフォーマンスに優れた10.8V機が欲しいなら
DF333D・HP333Dがおすすめです。ネジ締め能力は上位機種のDF332D・HP332Dと同等ながら、価格は2/3程度とコストパフォーマンスに優れています。
軽量・コンパクトで使い勝手の良い10.8Vドリルドライバーが欲しいなら
ドリルドライバーではかなり珍しい六角軸対応のDF033Dがおすすめです。一般的なドリルチャックではなく六角軸スライドスリーブを採用しているので、ビットの着脱が簡単に行なえます。また、ヘッド長149mm、重量0.93kgと軽量・コンパクトな点もポイントで、コストパフォーマンスも抜群です。
ちなみに、ビルディで取り扱っている10.8Vのドリルドライバー・震動ドリルドライバーの中で、最も人気がある機種となっています。
※10.8Vスライド式の六角軸仕様はドリルドライバーのみとなっております。震動ドリルドライバーには六角軸仕様はありません。
10.8V(差込式)
差込式の10.8Vです。差込式はバッテリーをグリップ内部に搭載できるので、スライド式と比べてよりコンパクトで軽量になっています。
一方で、構造上バッテリーの容量を増やすことができず、バッテリーも1.3Ahのものしか無いため、連続作業時間はスライド式に劣ります。また、パワーもスライド式より控えめになっています。バッテリーの充電時間が50分と長め(10.8V/1.5Ahスライド式バッテリーは22分)な点も注意が必要です。
10.8V差込式のラインナップ数は29機種になります。一方、10.8Vスライド式のラインナップ数は120機種となっており、互換性と言う点では大きく水をあけられているのが現状です。また、10.8Vスライド式は4.0Ahという大容量バッテリーにも対応しています。
7.2Vのペン型ドリルドライバー以外で極力軽いドリルドライバーが欲しいユーザーや、プロの方のサブ機としてのニーズがあります。DIYなどでドリルドライバーだけちょこっと使いをする方にもおすすめです。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー |
---|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 |
10.8V差込式でドリルチャック式の機種がほしいなら
10.8V差込式3機種のうち、ドリルチャック式の機種はDF330D・HP330Dになります。
10.8V差し込み式で六角軸対応の機種がほしいなら
10.8V差込式3機種のうち、六角軸スライドスリーブ式の機種はDF030Dになります。
※10.8V差し込み式の六角軸仕様はドリルドライバーのみとなっております。震動ドリルドライバーには六角軸仕様はありません。
7.2V(差込式)
差込式の7.2Vです。10.8Vの差込式と比べてバッテリーがよりスリムになっています。ラインナップはかなり少なくなりますが、ペン型インパクトドライバーやペン型ドリルドライバーといった特徴的な機種があります。
ドリルドライバー |
---|
同じバッテリーが使い回せる機種 |
18V(DIY用)
DIY専用の18Vバッテリーシステムです。プロ向けの18Vバッテリーや充電器との互換性はありません。バッテリーも1.3Ah・1.5Ahと低容量になっています。
また、下の表を見ていただいたら一目瞭然ですが、バッテリーを使い回せる機種も全くと言っていいほどありません・・・。更に、18VのDIYシリーズはバッテリー・充電器込のフルセットでの販売しか無い(本体のみの販売がない)ため、バッテリーを使い回せるというメリットもほぼありません。
DIY用の18Vドリルドライバー・震動ドリルドライバーを買うよりもプロ向けの10.8Vシリーズを選んだほうが幸せになれるでしょう。ドリルドライバー・震動ドリルドライバー以外の工具を買う気は一切無いというのであれば、価格の安さだけはトップクラスです。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー |
---|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 |
マキタのDIYモデルは、18V・14.4V共にDIY専用バッテリーを採用しており、プロ用のバッテリーや充電器との互換性がありません。そのため、最大でも1.5Ahまでの容量に限られます。一方で、HiKOKI(旧 日立工機)のDIYモデルは、プロ用と共通のバッテリーを採用しているので、3.0Ahや6.0Ahといった大容量バッテリーも使うことができます。
入門機としてDIYモデルを買ったあとに、プロ向けの機種にステップアップしやすいのはHiKOKIといえますね。
ビルディでCHECK
14.4V(DIY用)
DIY専用の14.4Vバッテリーシステムです。プロ向けの14.4Vバッテリーや充電器との互換性はありません。
DIY専用18Vと比べると、ラインナップは多めになってます。本体のみでの販売がある機種もあるため、バッテリーを使い回せるというメリットも生きてきます。ただし、バッテリーの容量は最大でも1.5Ahと低容量なので、長時間の作業や重作業には向いていません。やはり、性能よりもとことん価格を下げたいという方向けと言えるでしょう。
価格を考えてDIY用を選ぶのであれば、18Vよりはこちらの14.4Vの方をおすすめします。
ドリルドライバー・震動ドリルドライバー |
---|
|
同じバッテリーが使い回せる機種 |
|
マキタドリルドライバー・震動ドリルドライバーのよくある用語について
ここでは、マキタのドリルドライバー・震動ドリルドライバーでよく使われる用語について解説していきます。
ブラシレスモーター(BLモーター)
一般的な直流モーターには、モーターを回転させるためにカーボンブラシという部品が内蔵されています。このカーボンブラシはモーターの回転による摩擦ですり減っていくので、一定時間使用したあとは交換する必要があります。また、摩擦によるノイズなども発生します。
一方、ブラシレスモーターは、文字通りブラシがレス(無い)な新しいモーターになります。そのためカーボンブラシを交換する必要もなく、メンテナンスフリーなモーターです。更に、余分な摩擦がないのでモーターの効率を上げることができ、発熱も抑えることができます。摩擦による余計なノイズも発生しません。モーターのサイズも、ブラシ付きモーターよりもコンパクトになります。
単純に、ブラシレスモーター搭載機は、ブラシレスモーター非搭載機と比べて性能が良いと覚えてしまっても大丈夫です。
電圧 | 搭載機種 |
---|---|
36V | DF001G・HP001G・DF002G・HP002G |
18V | DF486D・HP486D・DF484D・HP484D・DF487D・HP487D |
14.4V | DF474D・HP474D・DF473D・HP473D |
10.8V | DF332D・HP332D |
防塵防滴(APT)
その電動工具に、防塵防滴性能があるかという目安です。マキタでは、ADVANCED PROTECTION TECHNOLOGYの頭文字を取ってAPTと呼ばれています。このAPTは以下の3つの特徴で構成されています。
- 水・粉じんが入りにくい設計
- 侵入した水・粉じんをコーティングやパッキンでブロック
- 侵入した水を速やかに外部に排出
これにより、突然の雨や現場での砂埃といった環境から本体を保護しています。ただし、水没などには対応しきれないので、過信は禁物です。
電圧 | 搭載機種 |
---|---|
36V | DF001G(IPX6)・HP001G(IPX6)・DF002G(IPX6)・HP002G(IPX6) |
18V | DF486D・HP486D・DF458D・HP458D・DF484D・HP484D・DF487D・HP487D |
14.4V | DF474D・HP474D・DF473D・HP473D |
振り回され低減(AFT)
クラッチ
ネジのサイズや材料の種類に合わせて、最適な締め付け力を設定することができます。設定した締め付け力に達すると、クラッチが切れ空回りすることで、締め込み過ぎや材料のひび割れなどをふせぐことができます。
電子式クラッチは、40VmaxフラグシップモデルのDF001G・HP001Gのみに採用されており、機械式では実現できなかった41段の幅広い設定範囲がポイントです。
機械式クラッチは、DF001G・HP001G以外のすべてのドリルドライバー・震動ドリルドライバーに採用されており、機種によって16段から21段の設定範囲があります。
ペンドリルドライバー
狭い場所での作業に向いています。また、トルクが8N.mと控えめになっているので、「配電盤での配線作業などで締め付けすぎないので良い」と電設業者から人気を集めています。
作業に応じて、ペン型とピストル型の2つのスタイルを使い分けることができます。
マキタドリルドライバー・震動ドリルドライバーのよくある質問
- Q
震動ドリルドライバーとドリルドライバーは振動機能の有無以外は全く同じなの?
A 震動ドリルドライバーとドリルドライバーは、穴あけの有無以外のスペックはほぼ共通になっていますが、用途に合わせてドリルチャックの仕様が少し異なっています。
震動ドリルドライバーのドリルチャックは、振動に耐えるために耐久性重視のものが用いられています。一方で、ドリルドライバーのドリルチャックは、精度重視のものが用いられています。
なので、コンクリートへ穴あけをするなら震動ドリルドライバー。コンクリートへの穴あけをしないならドリルドライバーをおすすめします。
- Q
40Vmaxのドリルドライバーに18Vのバッテリーを取り付けて使える?
A 「40Vmaxのドリルドライバーに18Vのバッテリー」や「18Vのドリルドライバーに14.4Vバッテリー」といったように、電圧が違う組み合わせでは取り付けることができません。ドリルドライバー本体とバッテリーは必ず同じ電圧で使用してください。
- Q
バッテリーに6.0Ahとか1.5Ahってあるけど、何が違うの?
A6.0Ahや1.5Ahというのはバッテリーの容量を表しています。スマートフォンやモバイルバッテリーなどの、2,000mAhや10,000mAhといった表記と同じ意味になります。この容量が多いほど、1回の充電で使える時間や作業量が長くなります。単純計算で、6.0Ahバッテリーと1.5Ahバッテリーでは、6.0Ahバッテリーの方が1.5Ahバッテリーよりも4倍長く作業ができるということになります。
- Q
同じ18Vでも3.0Ahとか6.0Ahがあるけど、互換性はあるの?
A同じ電圧であれば、Ah(容量)が違っても取付可能です。ただし、生産が終了している古い機種では4.0Ah以上のバッテリーが使えないことがあります。
同じ18Vや14.4Vでも、プロ用とDIY用の間に互換性はありません。
- Q
格安の互換バッテリーは使ってもいいの?
- A取り付けて使うことはできますが、けがや故障の原因となる可能性があります。また、当然ながらメーカー保証の対象外にもなりますので、純正品を使用するようにしましょう。
おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。マキタドリルドライバーの選び方・用途別おすすめ機種を全シリーズ解説【2022年版】、いかがでしたでしょうか。今後、用途別のおすすめ機種コンテンツも追加予定です。
今回の記事が、皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。