水冷式インナーベスト登場
ファン付きジャケット(空調服)やペルチェ式のネッククーラーなど、近年進化を続ける猛暑対策グッズに新たな選択肢「水冷式インナーベスト」が登場しました。
空冷、そして水冷とどこか自作PC界隈のような流れになっておりますが、この流れでいくと次は液体窒素・・・???
なお、アイスマンベスト・アイスマンベストPRO共に2022年シーズンは完売となっています。
同等品となる山善 水冷式ウェア ダイレクトクール DC-B02も販売していますが、こちらもまとまった入荷があるのは2023年夏シーズンとなりそうです。(2022年/9月現在)
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水冷ベストの仕組み
ベストの背中部分のタンクに少量の水と凍ったペットボトルもしくは氷を入れることで、背中や肩・胸部分に通したチューブにポンプで冷えた水を送ります。
ペットボトルは最大で650mlまで対応。専用の製氷皿で作った氷や小さめの保冷剤・ロックアイスなどでも代用可能です。
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PROとの違い
インナーベスト型はアイスマンベストとアイスマンベストPROがありますが、基本的な構造は変わらず、タンク部分に断熱材が追加・付属のバッテリーが5200mAhの大容量に変更(標準3350mAh)・冷水が巡るホースがブルーに変更の3点となっています。
この中で冷却に関わるのはタンク部分の断熱材となりますが、スペック上では通常のアイスマンベストよりもPROの方が連続動作・間欠動作共に30分ほど氷の持ちが良いようです。(凍った650mlペットボトル使用時)
バッテリーの容量に関しては通常品の3350mAhバッテリーで7時間の連続動作が可能となっているので、それ以上の長時間使用される方はPROもしくは別売オプションの5200mAhバッテリーをお買い求めください。
実使用レビュー
今回は水冷式インナーベスト アイスマンベストを販売している山真さんよりサンプル品をいただきましたので、実際に使用した様子をお伝えしたいと思います。
購入検討時に比較されることが多いであろう空調服(ファン付き作業服)との比較を中心に水冷服のメリット・デメリットをご紹介します。
冷却効果
現在多くの方に使われている空調服ですが、外気をファンで取込むという仕組み上、外気温が高い場合は暑い空気しか取り入れられず思ったより涼しくない・・ということがあります。
水冷式ウェアの場合は氷で冷やされた水を肩や背中・胸に少しずつ掛けるようなイメージで、外気温により氷の溶け具合に差はでますが、氷が残っている限り冷却能力は変わらず安定した冷たさが得られます。
コンプレッションウェアの上に水冷服を着て使用してみましたが、気温35℃前後でもチューブを通して冷水で体が冷やされる感覚があり真夏日の野外作業やアウトドアで活躍してくれそうです。
外観
空調服は空気を服の中に取込むため使用中は服が膨らんでしまい、アウトドアやレジャーで使うには見た目のハードルが高くなってしまいがちです。
マキタから膨らみを抑える内圧式インナーを採用したモデルも登場していますが、膨らみにくくはなるものの空調服特有のぼてっとしたシルエットは従来とあまり変わりません。
水冷服の場合はベストに水タンクと水冷チューブがついている構造のため、背中の水タンク部にペットボトルを入れたときに少し背中の膨らみが気になる程度で、薄手の上着を一枚羽織ると外見からはほとんど見分けがつかなくなります。
ちなみに、ペットボトルの代わりに別売の専用製氷皿で作った氷や保冷剤・ロックアイスなどを使用するとより背中の膨らみを抑えて着用できます。
※写真は500mLペットボトル使用時。
持続時間
※アイスマンベストPRO 650mLペットボトル使用時。
通常品のアイスマンベストに付属の3350mAhバッテリーは最も使用時間の短い連続動作モードでも満充電で約7時間使用可能となっています。
しかし、背中の水タンク内の氷が解けるとポンプを回しても常温の水が循環するだけで冷却効果を得られなくなるので定期的に氷を補給する必要があります。
実際に気温35℃ほどの炎天下で使用したところ、凍った500mLペットボトルを長時間使用モード(20秒動作-45秒停止)で使用したところ1時間半ほどで氷が溶け切ってしまいました。
野外で長時間使用する場合は、コンビニなどで定期的な冷凍ペットボトルの補給・もしくはマキタやHiKOKIなどの充電式冷温庫や高性能なクーラーボックスを用意する必要がありそうです。
一方空調服の場合はマキタの薄型バッテリ(A-72126)とファンユニットの組み合わせ時に、最大風量で連続使用時間 約6.5時間となっています。空調服の場合は予備バッテリーを用意するか充電することで長時間の運転に対応できます。
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刈払い機との相性が抜群
刈払い機などで肩掛けバンドを使用した際に空調服だと空気の流れが止められてしまうことがありますが、水冷服の場合はチューブさえ潰れなければ冷却に影響はないので刈払い機などの肩掛けバンドを使う工具とは特に相性が良いです。
その他の仕様
導入コスト
バッテリーなどを1式そろえた場合、アイスマンベストの方が安価~同価格程度となっています。
空調服の場合でも、ファン・バッテリ・充電器が付属したお得なスターターセットなどもあるので上記の違いをもとに使用環境などで選定して頂けると幸いです。
ベスト部分は丸洗い可能
チューブ・バッテリー・水タンク・モーターは全て取り外しが可能でベスト部分は手洗いで洗濯することができます。(チューブを取付けたままでも洗濯OK)
また、ベストの肌に当たる部分は汗で濡れても乾きやすいメッシュ生地になっています。
サイズ調整
カタログではフリーサイズ(S~5L相当)となっており、調整ベルトとバックルのベルトを調整することで幅広い体型の方に対応します。おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。【アイスマンベスト】空冷の次は水冷??水冷式インナーベスト登場!【新製品レビュー】、いかがでしたでしょうか。
現場の暑さ対策というカテゴリ自体がまだまだ発展途上で昨年のネッククーラー・今年の水冷服など、来年以降はどんな新製品がでるのかな??と楽しみにしております。
この記事が皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。