ビルディ代表 渡邉
今回、ビルディは安永左官工業で代表を務める安永さんにインタビューを行い、前編・後編にわけて記事を配信します。後編では、事業立ち上げのきっかけや、左官屋になりたいと思ったエピソードについて、ビルディ代表 渡邉(以下ナベちゃん)がお聞きしました。
前編はこちらからどうぞ☟
【ビルディ現場探訪記】親子二代で営む安永左官工業。代表に聞く「左官仕事のやりがい」とは?<前編> ※求人情報あり目次
事業立ち上げのきっかけについて
ナベちゃん
事業立ち上げのきっかけや目的について教えていただけますか?
きっかけは自分の親父です。親父は鹿児島出身なのですが、静岡県富士宮市を気に入ってこちらに移ってきて。以来、ずっと左官をやってきた親父の姿を見ているうちに自然にという感じですね。
安永さん
ナベちゃん
お父様が気に入った富士宮市の良さはどのようなところだったんですか?
はい、環境が実家の鹿児島と気候が似ていて、食べ物なども気に入ったからだそうです。静岡も鹿児島もお茶が有名ですし。
安永さん
ナベちゃん
でも、なんでまた静岡だったんですか?
規模の大きな現場があって、そこで出稼ぎのような形で来たそうです。そこで親方に、ここでこれからもやらないか?と言われたのが理由だったと聞きました。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。それで街も気に入ったし、ということですね。
幼稚園の時から左官は憧れだった
ナベちゃん
お父様の事業を継ごうと思ったのは何歳くらいのときに?
自分の記憶があるのは幼稚園の時には、すでに左官をやりたいって思っていましたね。
安永さん
ナベちゃん
幼稚園のときに!
はい。幼稚園にダンプで送ってもらったことがあったんですけど、その時の親父の姿がかっこよく見えたんでしょうね。それ以来、気持ちは変わっていないです。
小さい男の子の憧れみたいなものです(笑)
小さい男の子の憧れみたいなものです(笑)
安永さん
ナベちゃん
具体的にかっこいいと感じたポイントは?
なんだろうな、ダンプに物を積んで運んでいるのがかっこよく見えたというか。
安永さん
ナベちゃん
そのお話はお父様にされたことはあるのですか?
ちゃんと話したことはないですけど、幼稚園のときからこの気持ちが変わっていないのは本人も知っていますよ。
安永さん
ナベちゃん
お父様も嬉しいでしょうね。
今は対立してばっかりですけどね(笑)
安永さん
対立していても目指す山の頂上は一緒
ナベちゃん
お父様は今も現役で現場に出てらっしゃるのですか?
出ていますよ。今日は別の現場でしたけど、昨日は一緒でした。
何かあればすぐに電話で連絡を取り合いますし。
何かあればすぐに電話で連絡を取り合いますし。
安永さん
ナベちゃん
どのようなことで対立されますか?
考え方の違いで対立することが多いですね。
親父は古い人間なんで、昔のやり方で染みついています。それはそれでいいんだけど。今は今のやり方があるから、やっぱり互いの意見が合わないと衝突しますよね。
親父は古い人間なんで、昔のやり方で染みついています。それはそれでいいんだけど。今は今のやり方があるから、やっぱり互いの意見が合わないと衝突しますよね。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。
道具一つでもそうですよね。例えばコテだとすると、その現場ではこれ1つで足りるってときも親父は別にもう1つ持ってきたり。
自分は動く導線を広くもっていたいので、作業廻りを汚したりするのがいやなんですよ。落ち着いてやりたい。でも親父はそういうのがない。せっかちで慌ただしくやっちゃうので。
そんな姿を見ているとつい口を出して衝突しちゃう(笑)。
自分は動く導線を広くもっていたいので、作業廻りを汚したりするのがいやなんですよ。落ち着いてやりたい。でも親父はそういうのがない。せっかちで慌ただしくやっちゃうので。
そんな姿を見ているとつい口を出して衝突しちゃう(笑)。
安永さん
ナベちゃん
お父様との進め方の違いで、使う道具などでは違いはありますか?
例えば角ゴテ。角ゴテにはコンマ3、4、5とか色々な種類があるんですが、自分だったらコンマ3一個でやれば良いところを、親父はわざわざコンマ5の厚いコテを持ってきたりとか。
安永さん
ナベちゃん
コテの厚さでしなやかさとかが変わってくるんですか?
そうですね、それによって薄さ、しなやかさが変わってきますね。あと鋼の焼き方とかでも全然変わってきますね。材質が違うもんで。そういうものの違うものを持ってきたりとか。
安永さん
ナベちゃん
タイプが全然違うわけですね。
全然違いますね。でも意見ははっきり言いますよね、お互い。
親父も昔よりは丸くはなっているけど。やっぱり意見は曲げないですよね。
親父も昔よりは丸くはなっているけど。やっぱり意見は曲げないですよね。
安永さん
ナベちゃん
最終的にはどちらが譲るんですか?
どちらも折れませんね(笑)
安永さん
ナベちゃん
(笑)
でも対立していても仕事が丸くおさまっていればいいわけで。
まわりには恥をかかせているかもしれないけど、冷静に考えればどちらも正論言っているし。お互いいい仕事をしようとしているわけですから。
まわりには恥をかかせているかもしれないけど、冷静に考えればどちらも正論言っているし。お互いいい仕事をしようとしているわけですから。
安永さん
ナベちゃん
目指す山の頂上は一緒ということですね。
そう、山の登り方が違うというだけで。
安永さん
いずれは親子孫三代?
ナベちゃん
安永さんの新人時代はどうでしたか?
小さい頃から日曜日に手伝いとかいって現場の雰囲気とか見ていたのですが、いざ仕事でそれが毎日のことになってくると、違いますよね。
どうすればいいか分からないというときもあれば、一方でこれは昔からやったことがあるな、とか。もっとうまくなりたいと思って必死な毎日でしたね。
どうすればいいか分からないというときもあれば、一方でこれは昔からやったことがあるな、とか。もっとうまくなりたいと思って必死な毎日でしたね。
安永さん
ナベちゃん
小さい頃にお手伝いに行っていた頃のことをもう少し教えてください。
小学1年生、2年生くらいの時に、日曜日の誰もいない時とかに、親父に「ついてくる?」と言われたのが始まりですね。
安永さん
ナベちゃん
手伝うのは、例えばものを運ぶとかですか?
いえ、最初は掃除ですね、現場の掃除の手伝い。中高生くらいからは少しずつ重いものを持ったりとか。
安永さん
ナベちゃん
ちなみに安永さんご自身はお子様はいらっしゃるんですか?
12歳と10歳の娘がいます。しかも左官屋をやりたいとか言っています。
安永さん
ナベちゃん
え、12歳と10歳で左官屋さんをやるって言ってるんですか?もっと幼い時に言うのとは違いますし、割と本気そうですね。
まあ、期待はしてないですよ。
安永さん
ナベちゃん
楽しみですね。現場に連れていくこともあるんですか?
今年の夏休みにバイトさせて欲しいって言われてるんですよ。でも、どこ連れていけるかなって悩んでいます。
安永さん
ナベちゃん
お小遣い稼ぎですかね?
それもあるけど、どんなのか体験したいのもあるんじゃないですかね。今年も1人の子は夏休みの自由研究で左官屋ってなんなんだろうっていう感じで調べてましたしね。
安永さん
ナベちゃん
すごい!
材料の練りが一番難しい
ナベちゃん
安永さんご自身は現場での仕事をスタートして、コテを持った仕事が始まったということですね。練習とかはされていたんですか?
自宅で練習していましたね。
安永さん
ナベちゃん
実際に仕事でやってみて全イメージと違うなと思ったシーンはありますか?
一番はやはり材料を練ることですかね。どういう固さで練って良いのかはやはりわからないので。初心者なのでわからなくて当たり前なんですけど、そもそも聞いて良いものなのかわからなくて。目で盗めって言う世界じゃないですか。わからないとこは聞くこともありましたが、極力は人のやり方を見て、「ああこうやってやってるんだな」とか、勉強していました。
安永さん
ナベちゃん
水の量と、材料の量で変わるってことですよね?説明書とかもないんですよね?
ものによるんですが、モルタルという砂とセメントを混ぜるのは、分量もその人それぞれで、スコップとかでやったりするので難しいです。水の量は人それぞれで、柔らかいのが良い人もいれば、固いのが良いひともいて、現場によりますが、好みもあります。
安永さん
ナベちゃん
最初の壁は、練り物の配合が難しかったということですね?
はい、大きな壁の場合は先にまとめて練るんですが、途中でこれは固いだ柔らかいだとか文句言われて…。難しいことに練ってると途中で固まって、材料が締まってくるんですよ。それも計算して出さないといけないんです。材料によって変わってくるので、それを考えて出すのがまた一つ覚えなきゃいけないことですね。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。
生まれながらの左官屋さん
ナベちゃん
新人時代に、お父様から認められた瞬間みたいなものはあるんですか?
一回ありましたね。この現場、一人で行ってこいと言われた時です。最初は確か、新築住宅です。生コン車で来て土間の作業をしたんですが、この時は完全に1人でした。
安永さん
ナベちゃん
嬉しい瞬間ですね。
そうですね。でも当時は不安の方が大きかったですね。
コンクリにしても塗り壁にしても固まっちゃうものじゃないですか。
やり直しがきかないので、責任施工の重大さがのしかかった瞬間ですね。
コンクリにしても塗り壁にしても固まっちゃうものじゃないですか。
やり直しがきかないので、責任施工の重大さがのしかかった瞬間ですね。
安永さん
ナベちゃん
お父様から何かアドバイスなどあったのでしょうか。
親父も途中で1回見に来たのかな。これだったらいいんじゃないって言われた記憶もあるんですけど。ただ甘やかされるのも好きじゃないので、少し心配でした。
安永さん
ナベちゃん
ご自身に厳しいのですね。
駄目なところはだめって言われた方が、自分の伸びしろになりますからね。
安永さん
ナベちゃん
お父様がこの現場を選んだ理由はあるんでしょうか?
平米とか広さ的にもですし、あとは1人で行くような現場だったという。2人も行かせる広さではなかったとかですかね。
安永さん
ナベちゃん
お父様には勝てないと思ったことはありますか?
当時はやっぱりうまいなぁって思っていました。でもそれに敵わないじゃなくて、絶対に親父を抜かなくちゃいけないなって。そんな思いでやっていました。
安永さん
ナベちゃん
師匠であり目標でもあるお父様がいて、そんなお父様に憧れて幼稚園の頃から生きる道を決められたわけですよね。もはや生まれながらの左官屋さんといってもいいですね(笑)
そうですね(笑)
安永さん
左官業は女性にも向いている
ナベちゃん
最後に、採用活動もされているとのことですが、求める人材のイメージを教えていただけますか?
同時に2名以上で入社してもらえれば、互いに切磋琢磨することで上達も早いんじゃないかなと思っています。こちらはその分教えるのも2倍になるので、仕事の効率は悪くなるんだけど(笑)。後々を考えたら、いいかなと思っています。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。
それから、左官業は女性にも向いている仕事だと思っています。最近は少しずつ増えていて、美術大学出の女性とかもいますよ。
安永さん
ナベちゃん
美大の女性!
そうですね。よく例えられるんですが、塗りって化粧と同じなんですよ。
こういう風に色を入れていくと、こう変わってくるとかイメージできるので、やっぱり女性の方が勘がいい。アート感覚というか。
こういう風に色を入れていくと、こう変わってくるとかイメージできるので、やっぱり女性の方が勘がいい。アート感覚というか。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。大きな面に化粧をするイメージですね。アート感覚というのは、色付きのモルタルの混ぜ具合が良いとかですか?
そうですね。例えば施主のお客さまとの打ち合わせ時に、どの色が良い?という話になると、そういう時には、女性の方がはっきりと意見をお持ちのことが多いんですよね。
安永さん
ナベちゃん
何の色を打ち合わせることが多いんですか?
家の中の内装用の壁ですね。珪藻土以外にも漆喰もありますが、やはり珪藻土が一番多いです。
安永さん
ナベちゃん
なるほど。女性の左官屋さんにも期待ですね。
はい。たださっき言ったように、重いものを運ぶこともあるので、そのあたりはうまく皆で役割分担しながら進められたらなって思っています。
安永さん
ナベちゃん
いい採用ができるといいですね。最後に左官業に興味を持っている方々に向けてメッセージをいただいてもよろしいですか?
若手がとても少なく今後かなり希少種になる職業なので、仕事に困ることはないと思います。
安永さん
ナベちゃん
ありがとうございました!
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会社名 | 安永左官工業 | |
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勤務時間 | 08:00~17:00 |
休日 | 基本日曜のみ |
勤務地 | 静岡県富士宮市 |