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マキタ 新型インパクトドライバー2018年1月発売モデル TD171DRGX
2018年1月末、マキタより新型のインパクトドライバー18VのTD171DRGX、14.4VのTD161DRGXが発売されました。(この2機種は電圧の違いからトルク、回転数に違いがあるだけで、機能や付属品に違いはありませんのでTD161DRGXについての情報をお探しの方は、以下TD171DをTD161に読みかえてください。)
今回のモデルからモード切替で作業がグッと楽になる「モードメモリー機能」とやらがある様子。
しかし、マキタ営業さんの説明を聞いて、実際の製品の製品に触れてみて、疑問が浮かびました。
「モードメモリー機能の操作方法がよく分からない…」はい、説明書読んでも分かりませんでした(笑)
今回のモデルで初めて搭載されたインパクトドライバーのモードメモリー機能。きっと私のようにピンとこない方がいらっしゃるかと思い(私だけ?)、マキタさんご指導の元しっかりとマスターしてきましたので「モードメモリー機能の手順」を画像付きで解説していきたいと思います。また、ちょっと気づきにくい製品のポイントなども解説していきます!
マキタ TD171DRGXの特長
トルクの改良
まず大きく変わったのはこのトルク値です。新型のTD171DRGXは180N・mと前回のモデルより5N・m強くなりました。
前回のTD1710DRGXは175N・mでしたので、これは嬉しいパワーアップですね。リョービのインパクトBID-182L5やHiKOKIのマルチボルトインパクトWH36DAと同等のトルクになりました。
ヘッドの改良
今回のモデル変更に伴い、ヘッド長が1mm短くなりました。前回のTD170DRGXが117mmだったのに対し、今回のTD171DRGXは116mmになっています。狭所の作業ではこの1mmが変わる!かもしれないです(笑)
ヘッドの短さについて他メーカーとの比較記事もご覧ください→ヘッドの短さで比べるプロ用インパクトドライバー
ビットのブレを大幅に低減。
TD171DRGXでは軸受け部にボールベアリングをダブルで採用しました。これにより長いビット使用時にブレを大幅に低減することができ、締め付け時のコジれにも強い耐久性を両立しました。
ライトを左右に設置、ビットやビスの影ができにくい。
TD171DRGXではインパクトの両側にイトをつけることにより視認性が大きく向上し、ビットやビスなどの影ができにくくなりました。
前モデルのTD170DRGXと比べると一目瞭然ですね。
楽らく4モードの搭載
以前のモデルでは楽らくモードは1つでしたが、新型のTD171DRGXでは4つに増えました。どのような場面で活用できるか1つずつ確認していきます。
楽々モードとは…トルクの調整を指の強弱でしなくてはいけませんが、その加減をシーン毎に機械が自動でしてくれる機能のことです。
①木材モード
木材モードはトリガ全開で「ゆっくり」締始め、自動変速し「最速」で一気に締付けるモードです。最初から最大トルクですと、ネジが倒れたりカムアウトでうまく打ち込めません。そこの制御を自動でしてくれるので気兼ねなく使用可能です。
グラフを見ると縦軸が「回転率」、横軸が「時間」になっています。紫色の部分で自動変速をかけてくれているのがよく分かりますね。
②ボルトモード
ボルトモードは正転時はトリガONで瞬時に最速となり、逆転時はナットが緩むと自動停止する機能です。ボルト締めはやはり最初からマックスパワーですぐ締めて次に移りたいですよね!このモードに設定をしておけばトリガを少し引くだけですぐ全速締め付けが可能です。
更に逆転時ではボルトが緩んだらオートストップがかかります。画像をみるとトリガが引きっぱなしなのに回転がとまっているのが分かります。これも凄く便利ですね!
③テクス用薄板モード
テクス用薄板モードはビス貫入後、打撃を検知し自動停止する機能です。通常モードですると力の加減が難しく締め過ぎるなんてこともしばしば…。しかし、このモードを使うと打撃を検知し、自動停止しますので安定した綺麗な締め付けが実現可能なんです。
④テクス用厚板モード
テクス用厚板モードはネジの頭とび・カムアウトを軽減する機能です。最後の段階でトリガを弱め損ねて、カムアウトしたり頭が飛んだりする心配がなくなります。自動調節は楽でいいですね。
トリガー近くの手元ボタンでモード切替
打撃モード4段階切替は従来のモデルにもついていましたが、今回のTD171DRGXでは手元のボタンで打撃モードを切り替えることが可能です。これにより今までよりもスムーズに作業が可能となります。
さらに今回のTD171DRGXから。よく使うモードを1つ登録するモードメモリー機能が追加されました。
モードメモリー機能の設定についてはこちらで詳しく説明しています。
モードメモリー機能の使い方を詳しく解説
モードメモリー機能って何?
モードメモリー機能とは、「打撃モード1種類」と任意の「楽らくモード1種類」をボタン1つで切り替える機能のことです。
詳しく説明すると、打撃モードは「最速/強/中/弱」の4種類、楽らくモードは「木材モード・ボルトモード・テクス用厚板モード・テクス用薄板モード」の4つがあります。それぞれの中から1つずつよく使うモードをボタン1つで往復切り替えができます。
(例)打撃モードを強で設定している場合に、ボルトモードを記憶させると「打撃強⇔ボルトモード」をボタン1つで切替可能
これが使えると何が楽になるの?
この機能が使えると作業効率が向上します。
これまでは作業を中断し、黒色矢印の楽らくボタンを押す必要がありました。
しかし、モードメモリー機能を使いこなせばトリガのすぐ上にある赤い矢印のボタンを押すだけで、モード切替が可能となります。
人差し指の動きだけで変更が可能なので、是非ともマスターしたいところですね。
モード登録の詳しい方法
- 楽らくモードのボタンを押して記憶したいモードを選ぶ
(対象モードの赤ランプ点灯でOK) - トリガの上にある手元スイッチと下の盤面にある打撃ボタンを長押し
- 設定が完了すると設定ランプと登録したモードのランプが点滅
- 1番のライトボタンと2番の手元ボタンを同時押し
- 設定ランプと打撃力の全てのランプが点滅
- 1番の楽らくボタンと2番の手元ボタンを同時押し
- 下の盤面にあるランプがすべて点滅(もう1度同じ動作をすると手元ボタンが有効になります)
- 新型充電器(DC18RF)の急速充電に対応
- 約-10℃の環境でも充電が可能 ※1
- 充電時間が短くなりました(雪印マークがある新型バッテリーに限ります)
- スマートフォンなどが充電可能なUSB端子がつきました
登録したいモードに切り替えてから、右の図中の矢印のボタン2つを長押しでOKです。やってみると意外と簡単に設定できそうですね。
ちなみに別の楽らくモードに登録を切り替える際は上書き保存で可能でした。(設定のクリアをする必要はありません。)
モードメモリー機能を解除したい
使っている途中で「打撃モードの切り替えだけに戻したい」という場面が出てくるかと思います。モードメモリー機能がONの場合は打撃モードだけの切り替えはできませんので、「モードメモリー機能を解除する」必要があります。方法は下記の通りかんたんに可能です。
手元ボタンの無効化
こちらの方法を使うと手元ボタンが無効化されます。
モードメモリー操作方法一覧
▼TD171DRGX ボタン操作表
使用ボタン | 働き | 確認方法 |
手元ボタン+打撃ボタン | 選択中のモード登録(メモリー機能) | 設定ランプと登録したモードのランプが点滅 |
手元ボタン+ライトボタン | 登録したモードの解除 | 設定ランプと打撃力のランプが全て点滅 |
手元ボタン+楽らくボタン | 手元ボタンの無効化(もう1度同じ操作をすると有効になります) | スイッチパネルの全てのランプが点滅 |
TD171DRGXケースについて詳しく解説
ケースも新しくなりましたので、気になる小物入れの寸法も調べてみました。
小物入れの各寸法
縦を黄色、横を黒色で色分けしてあります。おおよその参考になれば幸いです。
TD171DRGXのケース単品も取り扱いができますので、ケースだけ新しくしたい!といった方にもおススメです。もちろん以前のTD170DRGXも収納可能です。
新型プラスチックケース(TD171DRGX標準付属)
小物入れの荷崩れ防止!簡易ロック機構
以前のモデルでは小物入れのフタをロックをしていないと中身がひっくり返り大惨事に…なんてことがありました。
しかし今回は小物入れのフタを締め忘れていてもハンドルを持ち上げた際に、ハンドルのツメと上フタが引っかかる仕組みになっています。ついうっかりしてしまうこともあるので嬉しいセーフティ機能ですね。
しかし…カタログに書いてることは分かるけど、仕組みがわからないと心配!!と心配性な私、仕組みを詳しく解説します。
新型のケースには留め具の両方にこの穴がついています。
そして留め具側を見ると何やらひっかけられそうな出っ張りが付いていますね。そう、ここが重要なんです!
もし小物入れのロックを忘れていてもここでロックがかかるので、誤って開放してしまうのを防げる作りになっています。上ぶた⇔小物入れ→ハンドルの順番に構造がなっているので一番上と下がロックをかけられれば真ん中もロックされる納得のつくりになっていました。
取り出しやすい取っ手付き
こちらも新しい機能、ケースの横に取っ手がつきました。もちろん両側についています。
ただ軽い気持ちで持ち上げると本体やバッテリの重さがあるので落としそうになります(泣)。あくまで「横方向への引き出し用」として活用するのがいいかと思います。
TD171DRGXの新しい充電器とバッテリーについて詳しく解説
新しくなったバッテリー
今回のバッテリーより「雪マーク」がつくようになりました。このマークがついている製品は2つの特長があります。
ご存知の方も多いと思いますが、リチウムイオンバッテリーは寒さが苦手。寒すぎると充電ができなくなることもあります。この雪マークがついた新仕様バッテリは、従来品では不可能であった-10度程の寒い環境でも充電ができるようになりました。(冬場にお手持ちのバッテリーが充電できない場合は、暖かい室内などで充電を試してみてください。)
※1 メーカー様に伺ったところ「外気温とバッテリー内部の温度差に多少の温度差が出ますので、あくまで目安としてお考え下さい」とのことでした。
新しくなった充電器 壁掛けも可能になりました
充電器も従来のDC18RCからDC18RFに新しくなりました。新型充電器には2つの特長があります。
大きな見どころは何といっても充電時間の短縮です。以前はBL1860B(18V-6.0Ah)を充電するのに55分ほどかかっていましたが、TD171DRGXで初登場の新型充電器では40分でフル充電が可能(15分の短縮)になりました。また、27分ほどで8割充電が可能ですので、忙しい現場では大活躍しそうです。新機能が付いても価格がそのままなのは嬉しいですね!
USB端子ですがUSB2.0(Type-A)の端子が1つ付いています。TypeC-TypeC(両端がType-C)のケーブルをお持ちの方はご注意を。
▼仕様表
入力電圧 | 単遭交流100V | |
入力周波数 | 50/60Hz | |
入力容量 | 330W | |
バッテリ充電端子 | 出力電圧 | 直流14.4-18V |
出力電流 | 直流12A | |
USB電源端子 | 出力電圧 | 直流5.0V |
出力電流 | 直流2.1A | |
端子形状 | USBA形 |
マキタ 急速充電器(7.2V~18V対応)
充電器を壁掛けで使う
1.用意するもの
・木ネジ(吊り下げ用)4mm×20mm 以上:2本(直径9.0mm未満 / ネジ頭3.5mm未満)
・木ネジ(固定用ネジ1)4mm×25mm以上:1本
・工具(ネジ締め用)
2.吊り下げ用ネジの取り付け
周りに充電器の取り付け作業や、バッテリの充電作業の障害になる出っ張りなどがないかの確認をします。強度のある壁面に取り付けをしてください。
吊り下げ用のネジを5mmほど出した状態で2カ所取り付けていただければOKです。
3.充電器の取り付け
先ほど取り付けた吊り下げようのネジに充電器をひっかけます。
実機画像の矢印2カ所をネジにひっかけます。
4.充電器の固定
固定用ねじを図のように締めこんで完成です。特に決まった場所はなく充電器の上にとめておけば問題ありません。引っかけているので誤って下からの力が加わった際のストッパー的な役割ですね。
外すときは順序を逆に処理してください。
簡単にネジを締めるだけで取り付けができるので、現場ごとに打ち直しでも苦労しませんね。同じ現場なら最初の2本はそのままにして、作業の終わりに固定ねじだけ外してまた翌日…というのが良さそうです。
新たなカラーが仲間入り
一時期限定色のオーセンティックカラーが仲間入り。
オーセンティックレッド(TD171DRGXAR)とオーセンティックブラウン(TD171DGXAB)が加わりました。そのかわりか、、ライム色とピンク色はなくなってしまいました。個人的にはライム色すごく好きだったので残念です。。
しかし、新登場のオーセンティックレッド色が実機で見ると凄くかっこいい…。カタログ画像とは色味が大分違いますね。
最後に ~TD171DRGXまとめ~
新型インパクトTD171DRGXのちょっと分かりにくいと思ったところなどを画像付きでご紹介しました。「ここはどうなってるの?」などありましたらお問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。コメント欄でも結構です。皆様に替わって私がマキタさんに直接確認します(笑)ので、どしどしお寄せください。
記事楽しく読ませてもらいました。
最近電動ドライバーを購入しようと思ってましたがインパクトドライバーの方が良いよとお義父さんに勧められました。ただインパクトドライバーは穴あけは得意でないとあり、打撃により折れてしまうとありました。
穴あけ機能は欲しいと思っているのでインパクトドライバーでなくてもいいのかなと思っていたら141は切り替えが出来るマルチドライバーだと知りそちらも気になりだしました。
ですがこの171の中のテクスモードと言うのは打撃を検知すると止まる機能は穴あけドリルを使うのに代用は可能でしょうか。
因みに使用は簡単な棚や椅子を作ったりの日曜大工程度です。長時間の使用や大量の穴あけが必要なことはありません。どうぞよろしくお願いいたします。
ふーさん様、コメントありがとうございます!
テクスモードに関してですが、インパクト(ハンマーの部分)は制御をせずに、回転数だけ変更をさせているようです。
そのため、テクスモードで穴あけは適していないと感じました。
日曜大工でのご使用でしたら仰る通り、利便性の高いマルチインパクトドライバーがおすすめです。
穴あけの程度によっては難しい場合もありますので、インパクトドライバーで穴あけはできます(条件付き)の記事もご確認頂けますと幸いです!