マキタの型番でみる電動工具開発の歴史【小ネタ編】

電気カンナ1000

前回のマキタ製品の型番ルールに関する記事が思いのほか好評でしたので、今回は数字の品番モデルに関する小話をご紹介します。休憩時の息抜きにでもなれば幸いです。

マキタの電動工具第1号は電気カンナ1000

電気カンナ1000-2
電気カンナの木箱入りは初代から。この箱欲しいっ!

マキタの詳しい歴史はHPの会社沿革にお任せするとして、今からさかのぼること約60年前、1958年(昭和33年)に国産第1号の電気カンナを発売しました。この電気カンナの品番は、上の画像の木箱に刻印してあるように「1000」です。

電気カンナ1000
当時の大工さん達は革新的なこの電気カンナに飛びつきました。月収分くらいの価格だったとの話も聞きます。

2015年のマキタ100周年記念の新聞広告で、この電気カンナ1000を見た方も多いのではないでしょうか。 そして第1号機の発売後、しばらくしてモデルチェンジした第2号機の電気カンナが発売されます。この第2号機の品番が「1200」と名づけられました。以降マキタの電気カンナは品番「1500」、「1700」、「1800」と新モデルが登場していきます。

初代ナベちゃん

わしが師匠の金物屋に入ったのが昭和43年、ちょうど電気カンナ1800がでておった頃じゃ。まだまだ3号機の1500、4号機の1700の修理も毎日持ち込まれておったのう。
「鋸の目立てもできないくせに!」とか言われていた頃ですね。

編集長

初代ナベちゃん

懐かしいのう。これがうちの倉庫に眠る第2号機1200じゃ。もう使えんが未だに捨てらんのじゃよ。
マキタ電気カンナ1200
マキタ1200
迫力ありますね。

編集長

初代ナベちゃん

その頃ミゾキリ3500番も出ておったのう。あとは丸のこ5600番に電気ドリルの6400番じゃ。電気カンナとあわせて当時の大工道具の4種の神器じゃな。
いまだとインパクト、丸鋸、釘打ち機、コンプレッサですかね。

編集長

初代ナベちゃん

それからチェンのみ7100番、カクノミ7300番、電動ハンマーは8500番か。
なるほど、自分にも馴染みある品番になってきました。まとめるとこんなかんじですね。

編集長

発売順※品番製品現行機種
11000番台電気カンナ1804NSP、1805NSP、1911B/SP
22000番台自動カンナ2012NB、2035など
33000番台小型ミゾキリ3005BAなど
45000番台丸のこ5230など
56000番台電気ドリル6304Rなど
67000番台角ノミ、チェンのみ7001など
78000番台電動ハンマー8600S、8406/C/W
89000番台サンダー9046、9533など

初代ナベちゃん

そうそう。電気カンナから始まり、そのうち9000番台までいって、いよいよ番号が足らなくなってアルファベット品番が登場したのじゃよ。
この表を見ていると、歴史を感じますねぇ。最初に発売されたカンナやミゾキリも、今では削る作業自体が少なくなってますからね。

編集長

※発売順に関しては、記憶と情報が曖昧なところもあり、訂正ありましたらコメントいただければ有難いですm(__)m

牧田モートル
「牧田モートル」とあるように当初はモーターの製造会社でした。(昭和13年 岡崎支店)
牧田電機製作所 広島出張所
カンナとミゾキリが2枚看板に成長していることが分かります。(昭和35年 牧田電機製作所 広島出張所)
マキタ電気カンナキャンペーンバス
この当時にこんなバスを走らせるとはかなり先進的だったのではないでしょうか。

受け継がれる品番・開発ストーリー

マキタのカタログのモデル番号索引を見てください。今もなお1000番台の電気カンナから始まり、2000番台の自動カンナと続いています。上の表では空きになっていた4000番台には充電クリーナーや集塵機などわりと新しい製品が入っているのが興味深いです。もう4は縁起が悪いなんて言ってられないから使っちゃえ、というようなやり取りがあったのでしょうか(笑)。丸のこの5000番台も現役ですね。

当時マキタが開発した電動工具が、戦後の復興、高度経済成長の建築ラッシュに貢献したことは言うまでもなく、今では世界トップクラスのシェアをもつ電動工具メーカーに成長した軌跡を見ると、やはりマキタってすごい会社なんだとあらためて感じます。

ここであらためてマキタの創業から製品リリースを中心に年別にまとめてみました。

マキタ電動工具の開発の歴史
製品・出来事
1915年名古屋にて牧田茂三郎が牧田電機製作所を創業。
電灯器具、モーター、変圧器の販売修理を開始
マキタ創業者	牧田茂三郎
1938年法人化「株式会社牧田電機製作所」設立牧田モートル
1958年電気カンナ1000発売電気カンナ1000
1969年充電式工具第1号の
電池ドリル 6500D発売
6500D
1978年ニッカド電池第1号の
充電式ドリル6010D 発売
6010D
1981年エア工具の第1号
エア釘打 AN5000、
エアコンプレッサ AC6001を発売
AN5000 AC6001
1997年ニッケル水素電池第1号の
充電式ドライバドリル 6213D展示会出展
6213D
2005年リチウム・イオン電池第1号の
充電式インパクトドライバ TD130D発売
TD130D

こうしてみると、個人的には電池ドリル6500Dがめっちゃ気になっています。乾電池ボックスからのコードがおちゃめですが、おそらくすぐに電池なくなったんだろうなぁと想像しています(笑)

年表にある電気ドリルや釘打ち機、未だ現役で使っているという方はいらっしゃいますか? 是非シェアさせてください^^

以上、マキタの品番にまつわる小話でした。最後までお読みいただきありがとうございます!

マキタカタログの見方「型番だけで仕様が分かる」ルールを解説。

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