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新型インパクトドライバーTD002G登場
ついにマキタの40Vインパクトドライバーに待望のモデルチェンジが入りました。従来機TD001Gは、2019年10月に40Vmaxシリーズの第一弾として登場しました。そこから約2年、マキタの40Vフラグシップインパクトドライバーが2世代目に進化します。
18Vフラグシップインパクトドライバーの場合、TD171D(従来機)からTD172D(現行機)へのモデルチェンジは約3年でしたので、これまで以上にマキタが力を入れてきていることが分かります。
今回の記事では、新型インパクトドライバーTD002Gをすみずみまで余すことなくチェックし、進化したポイントはもちろん、変わっていないところまで詳しく見ていきたいと思います。もちろん従来機TD001Gとのスペック比較も行っていきます。
興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
TD002Gの進化ポイントをチェック
それでは早速、TD002Gの進化したポイントをチェックしていきましょう。
DST(デュアルスプリングテクノロジー)搭載


TD002Gでは、マキタインパクトドライバー初となる、デュアルスプリングテクノロジーを採用しています。
2つの硬さが異なるスプリングを搭載し、作業負荷に応じて打撃力を自動的に調整することで、より低反動で低振動のなめらかな締め付けを実現しています。
これにより、振動値を約10%低減するとともに、カムアウトも低減しています。更に、締め付けスピードも約10%向上しています。
DSTにより、繊細なネジ締めから、高負荷な金物ビス締めまで快適に作業が行えます。
最大打撃数がアップ
従来機TD001Gの最大打撃数は4,400min-1でしたが、新型機TD002Gでは200min-1アップした4,600min-1となっています。
この打撃数アップにより、作業スピードは従来機TD001Gより25%も向上しています。
工具の使用感をアプリでカスタマイズ

今回のモデルチェンジの大きなポイントとして、通信アダプタADP11(※別売)とスマートフォンアプリにより、インパクトドライバーの使用感をカスタマイズできるようになりました。
通信アダプタADP11は実売価格1万円程と少々高めなので、TD001Gや一般的なインパクトドライバーの使い勝手で十分満足しているという方にはあまり必要ではないかと思いますが、電動工具を自分の思い通りに調整して、より快適に仕事をしたいというこだわり派の方におすすめです。
打撃モードごとのカスタマイズ

最速・強・中・弱の4つの打撃モードごとに、変速カーブ・ソフトスタート・トリガーストローク・最低回転数・最高回転数の値をカスタム可能です。
楽らくモードごとのカスタマイズ

らくらくモード(木材・テクス薄板・テクス厚板・ボルト1・ボルト2・ボルト3)ごとに、ソフトスタート・打撃後最高回転数・初期最高回転数・ソフトスタート・打撃時間・最高回転数・緩め量・緩め(打撃終了)後回転数などの値をカスタム可能です。
ライトのカスタマイズ

ライトの明るさ設定が中のときの明るさを、25%~80%の範囲内で調整することができます。(※明るさ設定強・弱については変更できません。)
また、ライトモード時の点灯時間と、使用時の残照時間をそれぞれ個別に変更することができます。
カスタマイズ内容は10件まで登録可能+初期プリセット5種類

カスタマイズ内容は最大10件まで登録が可能です。また、名前をつけることもできます。
カスタマイズ10件とは別に、初期段階で基本プリセット5種類を使用することができます。工場出荷時設定のプリセットもあるので、簡単に元の設定に戻すことができます。
カスタマイズ方法
設定をカスタムするためには、別売の通信アダプタADP11をTD002G本体とバッテリーの間に装着する必要があります。
また、設定は専用のアプリから行います。アプリはApp StoreやGoogle playでダウンロードできます。

通信アダプタADP11は、カスタマイズの時のみの取り付けで、通常時は外して使用します。(設定変更中に5分間のデモモードを使用できますが、その際には付けたまま使用します。)
WH36DC(HiKOKI)との比較
アプリによるインパクトドライバーの使用感カスタマイズに関しては、既にHiKOKI(ハイコーキ)が、2020年10月発売のフラグシップモデルWH36DCで実装している機能になります。
WH36DCの場合は、セットに付属しているBluetoothバッテリーとスマートフォンアプリで設定できるので、コストはほぼ掛かりません(※WH36DCを本体のみで購入していて、さらにBluetoothバッテリーは持っていないという場合には、実売価格1万8000円程のBluetoothバッテリーを追加で買う必要があります)。
一方、TD002Gの場合は、後発である分、設定項目自体はかなり充実していると思いますが、実売価格1万円程の別売アダプターを買う必要があります。
メーカー | マキタ | HiKOKI(ハイコーキ) |
---|---|---|
品番 | ![]() |
![]() |
必要ツール | 通信アダプタ ADP11 (別売 / ¥12,672) |
Bluetoothバッテリ (フルセット付属) ※購入時は¥19,162 |
アプリ | ダウンロード(無料) | ダウンロード(無料) |
設定可能項目 |
|
|
4灯式LED

従来機TD001Gでは2灯式LEDを採用していましたが、新型機TD002Gでは4灯式LEDを採用しています。
4灯式になることで、ビットの影ができにくくなり、暗い場所や隅打ち時にビスが見やすくなります。
また、ライトの配置も見直されており、隅打ち性能も向上しています。


ヘッド長が1mm短縮
従来機TD001Gでは、ヘッド長は120mmとなっていましたが、新型機TD002Gでは119mmとなっています。
18VフラグシップモデルTD172Dの114mmには敵いませんが、取り回し性が良くなるので、少しでもコンパクトになったのはありがたいですね。
新ワンタッチビット装着

従来機TD001Gでも、新ワンタッチビット装着がアピールされていましたが、新型機TD002Gでは、従来機TD001Gと比べて差し込み荷重を約50%軽減しています。
ビット装着時の抵抗を減らし、スムーズに装着できるので、頻繁にビットの付け外しをする際にかなり助かる機能です。
迷彩柄シボデザイン

新型機TD002Gでは、ハウジング部分に迷彩柄のシボデザインを採用しています。
これまでのマキタのインパクトドライバーでは、こういった柄を取り入れた機種はありませんでした。これまでの機種と比べて見た目の印象がだいぶ変わってくるので、所有する満足感につながりますね。
新プラスチックケース


新型機が出るたびに、“新”プラスチックケースとして登場する付属ケースですが、今回もご想像どおり“新”プラスチックケースになっています。
外観上の変化としては、固定用のラッチ部分が黒から赤に変わっていることくらいですが、内部の小物収納トレーは配置や形状が大きく変わっています。
また、設定カスタマイズ用の通信アダプタADP11も収納可能です。

通信アダプタADP11を持ち歩かない場合やそもそも買うつもりがないという場合には、バッテリを追加で収納することもできます。

新色イエローが追加

新型機TD002Gでは、新色としてイエローが追加されています。マキタの工具でイエローカラーは珍しいので、現場で目立つこと間違いなしです。
一方で、従来機TD001Gにあったオーセンテックレッドが今回廃止されてしまいました・・・。個人的に結構好きだったカラーなので残念です。限定色などでの復活に期待ですね。
従来機(TD001G)から継続の機能・ポイント
今度は、従来機TD001Gから変わらなかったところを確認していきましょう。
最大締め付けトルクは据え置き
新型機TD002Gの最大締め付けトルクは、従来機TD001Gと同じ220N.mとなっています。従来機の段階で既に、6.35mm六角軸としてはオーバー気味のトルクでしたので、ここに関しては据え置きでも特に問題ないものと思われます。
ちなみに、18VフラグシップモデルTD172Dがモデルチェンジした際にもトルクは据え置きでした。インパクトドライバーのトルク競争は一段落しつつある印象です。
楽らくモードは引き続き6モード仕様

従来機TD001Gが登場した際に大きく進化した楽らくモードですが、今回のモデルチェンジでは特に変更はされていません。ただ、6つのモードそれぞれが設定のカスタマイズに対応したので、使い勝手は向上していると言えそうです。
また、モードそのものは変わりませんが、制御パネルのデザインは変更されています。カスタム設定が適用されているモードを使用する際には、カスタムランプが点灯します。

よく使うモードを一つ登録できるモードメモリ機能、グリップを握ったままモードを切り替えられる手元ボタン、なども引き続き採用されています。
ゼロブレも引き続き搭載

長いビット使用時にブレを大幅に低減することができ、締め付け時のコジれにも強い耐久性を両立したゼロブレ。TD002Gでももちろん搭載されています。
防塵防滴はもちろんIP56

40Vシリーズの特権となる本体とバッテリーのIP56等級。TD002Gでも引き続き対応しています。
従来機TD001Gとのスペック比較
ここまでは、新型機TD002Gの特徴を主なポイントごとに見てきました。今度は、従来機TD001Gとの比較をスペックから見ていきましょう。
新型機 | 従来機 | ||
---|---|---|---|
品番 | ![]() |
![]() |
|
発売日 | 2022年1月 | 2019年10月 | |
最大トルク | 220N.m | ||
ヘッド長さ | 119mm | 120mm | |
ネジ締め能力 | 小ねじ | M4~M8 | |
普通ボルト | M5~M16 | ||
高力ボルト | M5~M14 | ||
コーススレッド | 22~125mm | ||
打撃力切り替え | 最速・強・中・弱 | ||
楽らくモード | 木材・テクス(薄板)・テクス(厚板)・ボルト1モード・ボルト2モード・ボルト3モード | ||
回転数 | 最速 | 0~3,700 | |
強 | 0~3,200 | ||
中 | 0~2,100 | ||
弱 | 0~1,100 | ||
木材モード | 0~1,800 | ||
テクス用(薄板)モード | 0~2,900 | 0~2,400 | |
テクス用(厚板)モード | 0~3,700 | ||
ボルト1モード | 0~2,700 | 0~2,500 | |
ボルト2モード | 0~3,700 | ||
ボルト3モード | 0~3,700 | ||
打撃数 | 最速 | 0~4,600 | 0~4,400 |
強 | 0~3,600 | ||
中 | 0~2,600 | ||
弱 | 0~1,400 | 0~1,100 | |
木材モード | 0~4,600 | 0~4,400 | |
テクス用(薄板)モード | 打撃開始直後に停止 | ||
テクス用(厚板)モード | 0~2,600 | ||
ボルト1モード | 打撃開始直後に停止 | ||
ボルト2モード | 0~4,600 | 0~4,400 | |
ボルト3モード | 0~4,600 | 0~4,400 | |
1充電当たりの作業量目安 | 木ネジφ5.4×90mm | 約460本 | |
木ネジφ4.3×65mm | 約800本 | ||
金物ビスφ6.0×120mm | 約150本 | ||
ネジ・ボルトM8×16mm | 約4,100本 | 約4,500本 | |
機能 | 無段変速・ブレーキ付・正逆回転切替・ライト付・防塵防滴・ブラシレスモーター | ||
カラーバリエーション | 青緑黒黄紫 | 青緑黒赤紫 | |
機体寸法(長×幅×高) (バッテリBL4025装着時) |
119mm × 86mm × 247mm | 120mm × 86mm × 245mm | |
質量 (バッテリBL4025装着時) |
1.6kg | ||
定価 | フルセット | ¥73,000(税別) | ¥71,000(税別) |
価格 (本体のみ) |
¥28,200(税別) | ¥26,200(税別) |
スペックの比較でわかるポイントとしては、らくらくモード時の回転数や打撃数がアップしています。DST(デュアルスプリングテクノロジー)搭載によって、より高速で安定した回転・打撃が行えるようになったためと思われます。
1充電当たりの作業量目安については、ネジ・ボルト(M8×16mm)に場合に何故か本数が減少しています。こちらはマキタさんに確認中です。原因が分かりましたら追記させていただきますので、しばらくお待ち下さい。
サイズに関しては、ヘッド長は1mm短くなっているものの、高さは2mm高くなっています。
価格は若干アップ
TD002Gフルセットの定価は¥73,000(税別)、本体のみの定価は¥28,200(税別)となっており、従来機TD001Gから2,000円ずつアップしています。また、実売価格では、1,400円(税込み)前後のアップとなっています。
金額は上がっていますが、今回のモデルチェンジでは様々な改良や機能追加がなされているので、相応のアップといったところだと思われます。
おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。【TD002G】マキタ40Vインパクトドライバーに初のモデルチェンジ! 進化したポイントとは【新製品レビュー】、いかがでしたでしょうか。従来機から様々な改良が加えられ、より魅力的な機種に仕上がっていると思います。
この記事が皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。