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新型インパクトドライバーTD173D登場
マキタと言えばインパクトドライバー、インパクトドライバーと言えば定番の18Vフラグシップモデルですよね。その18Vフラグシップモデルが、ついにTD173Dへとモデルチェンジしました。
従来機のTD172Dが2020年1月発売でしたので、ちょうど2年でのモデルチェンジになります。TD171DからTD172Dへのモデルチェンジは3年間隔でしたので、今回のモデルチェンジは前回よりは早くなっているようです。

今回の記事では、TD173Dの進化したポイントを詳しくチェックしていきます。また、変わっていない機能・ポイントや、廃止された機能まで詳しく見ていきたいと思います。さらに従来機TD172Dとの比較も行っていきます。ぜひ最後までご覧下さい。
TD173Dの進化ポイントをチェック
それでは早速、TD173Dの進化したところをチェックしていきましょう。
ヘッド長111mmを実現

インパクトドライバーの進化でまず気になるポイントはヘッド長とトルク値ですよね。TD173Dのヘッド長は111mmとなっており、マキタのインパクトドライバーで最も短くなっています。従来機TD172Dが114mmでしたので、3mm短くなりました。
ちなみに、もう一つの気になるポイントのトルク値ですが、今回も180N.mで据え置きとなっています。

TD171D・TD172D・TD173Dを並べてみたものがこちらになります。2世代分のモデルチェンジで、116mm→114mm→111mmと短くなりました。
TD172DとTD173Dの差は、実機で見てやっと分かるかなという印象ですが、TD171Dと比較すると大きく変化していることが分かりますね。
全周リング発光LEDライト搭載

ここ数年、マキタインパクトドライバーのモデルチェンジでは、必ずと言っていいほどライトの進化もアピールポイントになっていました。今回ももちろん進化しており、なんと国内初の全周式のリング発光LEDライトが採用されています。

全周からビットを照らすことができるので、従来の2灯式LEDではどうしても発生していたビットの影をゼロにすることが可能になっています。



また、従来機TD172Dと比較して、明るさは約2.5倍になり、明るさも3段階で調整できるようになりました。従来機TD172Dから引き続き搭載されているライトモードの活躍の機会もさらに増えそうですね。


こちらが実際にTD172DとTD173Dのライトの明るさを比較してみたものです。TD173Dの方がかなり明るくなっており、ビットの影もできていないことがわかります。

2機種並べてライトを正面から見たものがこちらになります。左がTD172D、右がTD173Dです。TD172Dの2灯式に対して、TD173Dの全周発光式のほうが光量も多く明るいことが分かりますね。

ちなみに、全周リング発光LEDという名称になっていますが、一体型の円形LEDライトを採用しているということではなく、12個のLEDを円形に配置しているようです。
新トリガスイッチ搭載

今回のモデルチェンジでは、トリガスイッチにも改良が加えられています。
トリガ操作でより繊細な回転数の微調整が可能になることで、ネジ穴をなめてしまったり、部材を傷つけてしまったりする頻度を減らすことができます。
新形状ビットスリーブ

TD173Dでは、ビットスリーブにも改良が加えられています。縁にリブを設けることで、スリーブが部材に当たった際に傷が付きにくくなっています。

こちらが従来機TD172Dのビットスリーブです。縁ギリギリまで滑り止め加工があるので、部材に当たったときに大きく傷がついてしまう可能性がありました。
こういった細かい改良は、スペックアップや機能追加と違ってあまり目立たないので、おろそかにされがちですが、ユーザー目線でしっかりと改良してくるマキタの姿勢はさすが国内トップの電動工具メーカーだと思います。
バッテリーを後方にオフセット


TD173Dでは、従来機TD172Dよりもバッテリーが後方にオフセットされています。これにより、重心の位置がグリップの中心線に近くなり、全体のバランスが良くなっています。工具のバランスが良くなるということは作業中の疲労軽減につながるので、この点もユーザー目線に立った改良だと言えるでしょう。
さらに、バッテリーが後方に移動したことで、障害物との干渉も減らすことができます。
隅打ち時の傾き「全方位」業界最小

従来機TD172Dでは、隅打ち時の傾きが業界最小の約10.5°であるとアピールされていましたが、新型機TD173Dではさらに「全方位」で業界最小とアピールされています。
左右2灯式のLEDからバンパー部分の全周リング発光LEDになったことも、スリムヘッド化に貢献しているのかもしれませんね。
後方配置操作パネル

TD173Dでは、打撃モード切替などの操作パネルを後方に配置しています。握ったままの状態でモードの確認がしやすくなっています。

TD173DとTD172Dで比較すると、操作パネルの位置が全く違うことがわかります。
軸芯にちかい握り部

軸芯に近い握り部により、軸をしっかりと押しやすくなっています。これによりカムアウトを低減できます。
また実際に持ってみた印象ですが、天井など上方向に向けて使う際に、よりしっかりと保持できるようになっていると感じました。
新・プラスチックケース

ライトと同様に、プラスチックケースも毎回進化しています。今回は、フタ部分に取っ手が設けられたことで、より開けやすくなっているようです。また、外観も若干変更されており、マキタロゴが中央ではなく、下部に移動しています。
従来機TD172Dのケースは、防じん防水保護等級IP56に対応やバッテリー4個収納対応といった大きな改良がありましたが、新型機TD173Dのケースは細かい改良にとどまるようです。

実際にTD173DとTD172Dのケースを比較してみたものがこちらになります。正面部分ではロゴの位置と表面のデザイン以外は同じと言っても良さそうです。

側面部分についても、取手が追加された以外は全く同じと言っていいでしょう。
18V初のオリーブカラーが追加

今回のモデルチェンジにより、待望のオリーブが定番カラーに追加されました。18V機種としても初のオリーブカラーになります。
一方で、TD172Dにはあったオーセンティックレッドは今回ラインナップされていません。レッド好きの方には残念なお知らせです・・・。ちなみに、40VのTD002Gと同じカラーラインナップとなっています。
また、今回のカラーラインナップでは、フレッシュイエローとオーセンティックパープルの2色が限定色仕様となっています。今後は、従来の通常色5色構成から、3色構成に縮小されていくのでしょうか・・・。色の選択肢が減るのは寂しいですね。イエローとパープル好きの方は、お早めの購入をおすすめします。
待望の充電器なしセット仕様が追加

マキタのインパクトドライバーでは初の充電器なしセットがラインナップに追加されました。本体+バッテリー2個+ケースの構成でセット購入が可能です。
「バッテリーとケースは欲しいからフルセット1択なんだけど、そのたびに充電器もついてきて余ってて困る・・・」という方には待望の仕様かと思います。
充電器なしセット仕様は、下記の5品番となります。通常のフルセットと間違えないようにご注意ください。TD173Dの直後にXがつく品番になっています。
充電器なしセット仕様は、インパクトドライバーだけではなく、マキタの充電工具全体で見ても初めての仕様かと思われます。他の充電工具にも充電器なしセット仕様が追加されていくと嬉しいですね。
従来機(TD172D)から継続の機能・ポイント
今度は、従来機TD172Dから変わらなかったところを確認していきましょう。
最大締め付けトルクは据え置き
TD171DからTD172Dへのモデルチェンジと同様に、今回のモデルチェンジでも最大締め付けトルクは180N.mのままで据え置きとなりました。
今回のモデルチェンジでも使いやすさを追求しているようなので、トルクアップ以外の項目に重点が置かれたものと思われます。また、トルクやパワーの追求は40Vmaxシリーズに任せ、18Vは使い勝手に特化するという開発方針なのかもしれませんね。
楽らくモードは引き続き4モードのまま

TD173Dでは、TD172Dと同様に楽らくモードは4モード構成となっています。モデルチェンジで、40VmaxのTD002G同様の6モード構成になるかと期待したのですが、そのまま据え置きとなりました。6モードはトルクが高く、ボルトの締め緩め機会がより多い40Vmax専用ということなのかもしれません。
もっとも、従来機と全く同じ感覚で楽らくモードを使えるという点はメリットとも捉えることができそうです。
また、よく使うモードを一つ登録できるモードメモリ機能、グリップを握ったままモードを切り替えられる手元ボタン、などは引き続き採用されています。

手元ボタン切替
グリップを握ったままでも打撃モードを切替え可能。

モードメモリー機能
よく使うモードを1つ登録可能(画像は木材モード登録例)。
登録後は、手元ボタンで「直前に使用したモード」と「登録したモード」を、サッと切替え。
ゼロブレも引き続き搭載

ダブルボールベアリングを採用し、長いビット使用時にブレを大幅に低減することができ、締め付け時のコジれにも強い耐久性を両立したゼロブレ。TD173Dでももちろん搭載されています。
従来機(TD172D)から廃止された機能・ポイント
最後は、従来機TD172Dから廃止されたところを確認していきましょう。
カラーバンパー非対応
従来機TD172Dでは、カスタマイズ要素として、カラーバンパーが用意されていました。通常は白色のバンパーを5色から選べるカラーバンパーに付け替えることでよりスタイリッシュになるほか、複数人で仕事をしている際に自分のインパクトが分かりやすいといったメリットもありました。
新型機TD173Dでは、バンパー部分に全周式LEDが搭載されていることで、カラーバンパーには非対応となっているようです。
非対応だとすごく困るということはほぼ無いと思われますが、TD172Dではできたカスタマイズができなくなったことは少し残念ですね。
従来機(TD172D)とのスペック比較
ここまでは、新型機TD173Dの特徴を主なポイントごとに見てきました。今度は、従来機TD172Dとの比較をスペックから見ていきましょう。
新型機 | 従来機 | ||
---|---|---|---|
品番 | ![]() |
![]() |
|
発売日 | 2023年1月 | 2021年1月 | |
最大トルク | 180N.m | ||
ヘッド長さ | 111mm | 114mm | |
ネジ締め能力 | 小ねじ | M4~M8 | |
普通ボルト | M5~M16 | ||
高力ボルト | M5~M14 | ||
コーススレッド | 22~125mm | ||
打撃力切り替え | 最速・強・中・弱 | ||
楽らくモード | 木材・ボルト・テクス(薄板)・テクス(厚板) | ||
回転数 | 最速 | 0~3,600 | |
強 | 0~3,200 | ||
中 | 0~2,100 | ||
弱 | 0~1,100 | ||
木材モード | 0~1,800 | ||
ボルト(正転)モード | 0~3,600 | ||
テクス用(薄板)モード | 0~2,900 | ||
テクス用(厚板)モード | 0~3,600 | ||
打撃数 | 最速 | 0~3,800 | |
強 | 0~3,600 | ||
中 | 0~2,600 | ||
弱 | 0~1,100 | ||
木材モード | 0~3,800 | ||
ボルト(正転)モード | 0~3,800 | ||
テクス用(薄板)モード | 打撃開始直後に停止 | ||
テクス用(厚板)モード | 0~2,600 | ||
1充電当たりの作業量目安 | 木ネジφ5.4×90mm | 約550本 | |
木ネジφ4.3×65mm | 約960本 | ||
小ネジM8×16mm | 約5,280本 | ||
機能 | 無段変速・ブレーキ付・正逆回転切替・ライト付・防塵防滴・ブラシレスモーター | ||
カラーバリエーション | 青黒緑黄紫 | 青黒赤黄紫 | |
機体寸法 (長さ×幅×高さ) |
111mm × 81mm × 234mm | 114mm × 81mm × 236mm | |
質量(バッテリ含む) | 1.5kg | ||
定価 | フルセット | ¥83,000(税別) | ¥71,600(税別) |
価格 (本体のみ) |
¥29,700(税別) | ¥24,400(税別) |
いかがでしょうか。スペックだけで見ると、ヘッド長とサイズ以外は変化していません。ただ、逆の言い方をすると、18Vフラグシップ機のスペックに関してはすでに成熟しきっているということなのかもしれません。
スペック表には現れない使いやすさや便利さをどのように追求していくか、マキタだけではなく電動工具メーカー共通の課題と言えると思います。
定価は結構アップ
TD173Dの定価は、従来機TD172Dと比較して、フルセットで¥11,000(税別)ほど、本体のみで¥5,000(税別)ほどアップしています。さらに、フルセット価格の¥83,000(税別)は、40Vmax機TD002Gの¥76,700(税別)よりも高額になってしまっています。
マキタの充電工具で、上位機種40Vmaxのほうが価格が大幅に安いという状況はあまり例がありません(18Vバッテリ2個差し機と40Vmax機といった比較では、40Vmax機の方が安くなることもあります)。もしかしたら、今後TD002Gに価格改定が入る・・・という可能性はありますね。また、仮に価格改定が入るとして、インパクトドライバーだけピンポイントとは考えにくいです。欲しい工具がある場合は、早めに購入しておいたほうが良いかもしれません。
14.4V版は存在しない?
これまでの18Vフラグシップ機のモデルチェンジでは、TD172DとTD162D・TD171DとTD161Dといったように同時に14.4V版にもモデルチェンジが入っていました。
一方で、今回のモデルチェンジでは、TD163D(仮)の発表はなく、カタログではTD162Dが好評発売中となっています。
ここ数年のマキタの傾向として、14.4V機の新製品投入はどんどん減少してきています。2022年の14.4V新製品はなんと1機種もありませんでした。さらに掘り下げると、2021年のTD162D以降14.4Vの新製品は出ていません。(18V/14.4V兼用の機種は数機種出ています。)
40Vmaxや18Vへのシフトが進む中でこのまま14.4V機の開発は終了してしまうのか、それとも遅れて登場するのか、気になるところですね。
おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。【マキタ】フラグシップインパクトドライバーTD173D登場! LEDライトはついに全周発光式へ【新製品レビュー】、いかがでしたでしょうか。細部にわたって改良が加えられ、より使いやすい機種へと進化していると思います。
この記事が皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。