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↓新規格対応フルハーネスの選び方はこちら。


目次
そもそも、安全帯って何?

フルハーネス型安全帯

胴ベルト型安全帯
安全帯とは、高いところで作業を行う際に作業者を墜落から防止する保護具です。安全帯は大きく分けて「フルハーネス型安全帯」と「胴ベルト型」があります。
それぞれの特長は後ほど説明するとして、まずは共通する構成部品の「胴ベルト」と「ランヤード」について見ていきましょう。
胴ベルトとは

スライドバックル式胴ベルト

ワンタッチバックル式胴ベルト
フルハーネス型安全帯を使用する場合は、胴ベルトは必須ではありませんが腰道具を取り付ける時は必要になります。
一方で胴ベルト型安全帯においてはランヤード(命綱)を接続する重要部になります。(フルハーネス型安全帯の場合は、背中部分にランヤードを接続するD環があります。)
胴ベルトは「スライドバックル」と「ワンタッチバックル」の2つに分けることができ、それぞれ以下の特徴があります。
スライドバックル | ワンタッチバックル | |
---|---|---|
メリット | リーズナブル | 着脱がカンタン |
デメリット | 着脱が面倒 | 値段が高い |
【オプション品】胴当てベルト (サポーターベルト)

胴ベルトと組み合わせると、腰辺りが柔らかく、また安全帯の重量を広い面積で受けるため、腰がラクになります。
※胴ベルトの幅によっては使用ができない場合があります。ご購入の際は事前にご確認ください。
ランヤード(胴綱)とは
ランヤードとはハーネスまたは胴ベルトに取り付けられる命綱のことです。ランヤードはロープ式・ストラップ式・巻取式の3つに大きく分けることができます。
巻取式の中でも、シートベルトのように急激な力がかかるとロックがかかる「ロック式」が最も安全性が高いと言われています。
安全帯の最も大事な部分になりますので使用前には点検を行い、損傷があればすぐに交換するようにしましょう。
また、損傷が見当たらない場合も使用開始から約2年を目安に交換することが推奨されています。
3つ打ち、8つ打ちロープとは
ロープ式の中でもストランドを3本撚ったのものを「3つ打ちロープ」、8本撚ったのものを「8つ打ちロープ」と呼びます。
3つ打ち | 8つ打ち | |
---|---|---|
メリット | 滑りにくく強度がある | 柔らかく扱いやすい |
デメリット | キンクが起こりやすい | 太くなって縮む傾向が強く、 それに伴う強度低下が比較的大きい |
ストランド、ヤーンとは
ストランドはヤーン(単糸)が撚られたもので、ヤーンはファイバー(原糸)が撚られたものです。太いロープも解いていくと細い原糸の集まりだということがわかります。
キンクとは

キンクとはロープが「くの字型」に変形してしまう現象をいいます。
図の1~3ではロープがひねられて緩みが生じていますが、この状態からロープが引っ張られると図4のようにキンクが生じます。キンクを起こしたロープは強度が著しく低下します。
ショックアブソーバーとは

墜落発生時には、予め織り込んだカラミ糸が順次ブチブチブチと切断されることにより衝撃を大幅に低減します。
※ショックアブソーバーの第一種と第二種についてはこちらをご覧ください。
2丁掛けとは

フックの掛け替え作業が多い現場ではランヤードが構造物に掛かっていない状態(無胴綱状態)を無くすため、2本のランヤードを備えたダブルランヤード式安全帯の使用が推奨されています。※
ダブルランヤード式安全帯を使用することにより、交互にランヤードを掛け替えることにでき、常に構造物とランヤードが連結され、墜落の危険性を回避することができます。
※ダブルランヤードでないと現場に入れないということもあるので事前に確認しておきましょう。スマート安全帯ソリューション
藤井電工(ツヨロン)と富士通九州システムズが共同開発した「イプロンII」は2丁掛けを監視する、最新の安全管理システムです。
↓詳しくはこちらの記事で解説しています

安全帯の点検について
一度でも衝撃がかかったものは廃棄して、新しいものを使用しましょう。また、衝撃がかかっていなくても使用しているうちに劣化しますので、なるべく使用前には点検するようにしましょう。
安全帯の取替え基準 (点検表)
下のリンク先から藤井電工が配布しているチェックリストをご確認頂けます。
安全帯の使用期限・耐用年数
安全帯の使用期限は法令では定められていませんが、安全帯メーカーでつくる「安全帯研究会」の指導では下記のようになっています。
- ロープ、ランヤード、ストラップ:使用開始より2年
- ベルト/その他:使用開始より3年
※未使用でも製造から7年以上経過したものは使用不可
よくある質問
「胴ベルト型の安全帯は一切使用できなくなるの?」
「高所作業車での作業時は囲い、手すりがあるので胴ベルト型で大丈夫?」などなど
↓よくある質問をこちらのページにまとめています。

フルハーネス型安全帯

2019年2月1日、フルハーネス型安全帯が義務化となりました。(6.75m以下(建設業では5m)では引き続き、胴ベルト型が使用可能です。)
フルハーネス型安全帯はハーネスベルト、ランヤード、胴ベルト※で構成されています。
(※胴ベルトの使用は必須ではありません。)腿ベルトの種類(V字/水平)
ハーネス安全帯のベルトタイプは「腿ベルトV字型」と「腿ベルト水平型」に分けられます。
束縛感の少ない「水平型」が人気ですが、宙吊りになってしまったときにベルトがずり上がって体を圧迫するリスクがあります。
一方、骨盤を包み込むような構造の「V字型」は水平型に比べて安全性が高く、今後は主流になっていくのではないかと言われています。
ツヨロン レヴォハーネス ツインノビロン ワンタッチバックル【新規格】
タジマ SEG スチール製ハーネス(パススルー) 蛇腹ダブルランヤード(第1種)付 【新規格】
ランヤードの種類
巻取り式(リール式)
シートベルトのようにベルトが急に引っ張られるとロックがかかる「ロック機能」付の巻取器は落下距離は短くしてくれるので、最も安全性が高いと言われています。
巻取り式でないと入れない現場もありますので事前に確認しておきましょう。
また、ランヤード(命綱)を巻取器に収納でき、腰回りがすっきりするので腰道具を多くつける職人さんにはオススメです。
ロープ式
昔ながらのロープ式の安全帯です。
価格はリーズナブルですが、余ったランヤード部分が垂れ下がってしまうので作業性は悪いです。
また、巻取器式と違って、墜落時にはランヤードの長さ分は必ず落下するので安全性も劣ります。
ダブルランヤード
1本だけのランヤードだと掛け替えをする際に安全帯が繋がれていない状態(無胴綱状態)が生まれてしまいます。ダブルランヤード安全帯を用いれば無胴綱状態を無くすことができます。
大手ゼネコンなどの現場だと基本的にはダブルランヤード安全帯が義務付けられています。
墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン
2018年6月22日、厚生労働省は「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」が公表されました。ポイントは次の3点です。
- 名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」に変わる
- 「フルハーネス型」の着用が義務付けられる
- 「安全衛生特別教育」を受けなければならない
↓墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドラインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

その他の安全帯
胴ベルト型安全帯

胴ベルト型安全帯は胴ベルトとランヤードで構成されています。
日本で最も普及しているタイプですが、墜落時に内蔵を損傷したり、角度によってはすり抜けの恐れがあることから2019年2月1日からフルハーネス型安全帯の着用が義務化となりました。
ただし、2019年2月1日以降も6.75m以下(建設業では5m)であれば胴ベルト型の使用は可能です。
柱上安全帯
柱上安全帯は電柱に上って作業を行う際に用いられます。ランヤードを電柱に回して取付け、身体をあずけることで両手が使えるようになります。
使用中のランヤードの形がアルファベットのUに似ていることから、U字つりと呼ばれています。
専用のランヤードが用いられますので、高所作業用の墜落を抑止するためのランヤードで代用することはできません。
「U字つり」と「1本つり」の違い
- U字つり:ランヤードを構造物に回して、フックを胴ベルトに掛けます。ランヤードには常時体重がかかっている状態となるので、摩耗による強度低下を見込んで、1本つり用のランヤードよりも高い強度が規格で定まっています。
- 1本つり:構造物と作業者がランヤード1本でつながっている状態。1本つり用のランヤードをU字つりに使用すると、摩耗によって強度が規格を下回る恐れがあるため、U字つりでの使用は禁止されています。
2019年2月1日以降は「墜落制止用器具」として認められない
柱上安全帯には墜落を制止する機能がないことから、2019年2月1日以降は「墜落制止用器具」として認められません。
下記のような柱上ハーネス用ベルトを使用し、「1本つり」と「U字つり」を併用する必要があります。
ただし、経過措置により2019年8月1日以前に製造された柱上安全帯であって、旧規格に適合しているものについては、2022年1月1日までの間、要求性能墜落製紙用器具とみなされますので、高さにかかわらず使用可能です。
ツヨロン レヴォハーネス (柱上作業用) (柱上作業ベルト別売・着脱可) 【新規格】
傾斜面用・林業用
法面保護工事・土木工事など、足場の不安定な急斜面で使用する安全器具です。
身体を保持するメインロープと墜落防止のライフラインをベルトに接続して、使用します。
今回の法改正によりライフラインをハーネスに接続しなければならないということになっていますが、対応する新規格のフルハーネスはまだ発売されていません。それまでは旧規格のフルハーネスもしくは胴ベルト型安全帯を使用するしかなさそうです。
大きいサイズの安全帯(150kg対応)
安全帯の規格は「85kgの落体(トルソーまたは砂のう)をランヤード最大使用長さ分、自由落下させた試験において、落体を保持し、かつ衝撃荷重が8.0kN以下」と定められています。
そのため、通常のランヤードは装備を含めて85kgまでの作業者を想定して作られています。85kg以上となる場合は150kg対応のランヤードを使用するようにしましょう。
ちなみに衝撃荷重が8kN以上となると、一命はとりとめても骨折や内蔵を損傷するなど重大な障害が残ってしまう恐れがあります。
女性用安全帯
↓女性用安全帯についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

レスキュー/消防活動用ハーネス
墜落防止装置
フルハーネス型安全帯義務化について
従来の胴ベルト型安全帯は墜落時の衝撃による内臓の損傷、角度によってはすり抜けの危険性がありました。
国際的にはフルハーネス型安全帯が標準となっていることから、2019年2月1日安全衛生法が改正・施行され、6.75m以上(建設業では5m)で作業する場合はフルハーネス型安全帯の着用が義務付けられることとなりました。
↓フルハーネス型安全帯義務化については、こちらの記事で詳しく解説しています。

安全帯の主なメーカー・問い合わせ先
藤井電工(ツヨロン)

「安全帯といえば藤井電工」というほど、日本で圧倒的なシェア(6割)を占めている安全帯メーカー。
「安全は愛」をモットーに高品質な製品を生み出しています。
藤井電工(ツヨロン) 問い合わせ先
問い合わせフォームもありますが、お急ぎの際は近くの営業所に電話で問い合わせるのが良さそうです。
東京支社 | 〒103-0004 東京都中央区東日本橋1-7-2 長坂ビル TEL:03-5821-2241 |
---|---|
仙台営業所 | 〒983-0842 仙台市宮城野区五輪2-9-5 五輪ビル TEL:022-256-7001 |
名古屋営業所 | 〒460-0008 名古屋市中区栄1-29-19 ヤスイビル TEL:052-211-7781 |
大阪営業所 | 〒530-0041 大阪市北区天神橋1-8-13 林ボタンビル TEL:06-6882-3355 |
福岡営業所 | 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2丁目8番27号 博多駅東パネスビル1F TEL:092-413-6110 |
藤井電工(ツヨロン) 墜落制止用器具 の選び方

タイタン(サンコー)
タイタン(サンコー) 問い合わせ先
本社・本社工場 | 〒532-0033 大阪府大阪市淀川区新高1丁目14番7号 TEL:06-6394-3541 |
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東京支店 | 〒160-0004 東京都新宿区四谷4丁目25番5号3階 TEL:03-3352-5404 |
北海道営業所 | 〒003-0813 北海道札幌市白石区菊水上町三条3丁目52番18-2 TEL:011-832-0145 |
東北営業所 | 〒980-0012 宮城県仙台市青葉区錦町1丁目1番8号 TEL:022-797-9860 |
名古屋営業所 | 〒456-0056 愛知県名古屋市熱田区三番町22番15号 TEL:052-653-5770 |
九州営業所 | 〒814-0164 福岡県福岡市早良区賀茂4丁目6番28号 TEL:092-873-0392 |
タイタン(サンコー) 墜落制止用器具 の選び方

タジマ

ハンドツールやレーザー墨出器で有名なメーカー、タジマ。実は安全帯の評判も良いんです。
デザインがかっこいいだけでなく、装着感が良く、工具ホルダーや腰袋の種類が豊富であるところが人気の秘密です。
タジマ 問い合わせ先
問い合わせフォームからはファイルも添付できるので写真などを送りたい時は便利です。お急ぎの際はフリーダイヤルをご利用ください。
フリーダイヤル | TEL:0120-125577 (受付時間) 平日9:00~17:00 (12:00~13:00/ 祝日・当社指定休日を除く) 携帯電話、PHS からでもご利用が可能です。 |
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タジマ 墜落制止用器具 の選び方

基陽(KH)
基陽 お問い合わせ先
問い合わせフォームも用意されています。
株式会社 基陽 | 〒673-0434 兵庫県三木市別所町小林477-10 TEL:0794-82-2304 |
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基陽 墜落制止用器具 の選び方

タニザワ
タニザワ 問い合わせ先
札幌営業所 | 〒063-0850 札幌市西区八軒10条西12-2-19 TEL:011-643-2791 |
---|---|
苫小牧出張所 | 〒053-0853 苫小牧市花園町3-3-1 TEL:0144-76-0091 |
北東北営業所 | 〒020-0121 盛岡市月が丘1丁目27-45 エンジェルビルIII 2階 TEL:019-907-5086 |
仙台営業所 | 〒984-0002 仙台市若林区卸町東2-8-27 TEL:022-284-5533 |
郡山出張所 | 〒963-0201 郡山市大槻町字西ノ宮西7-2 TEL:024-951-1669 |
北関東営業所 | 〒330-0801 さいたま市大宮区土手町1-62-1 ワコーレ大宮ビルII 4F TEL:048-657-9230 |
千葉営業所 | 〒260-0027 千葉市中央区新田町9-5 ミヨシビル1F TEL:043-244-4646 |
東京第一営業所 | 〒104-0041 中央区新富2-8-1 キンシビル TEL:03-3552-5381 |
東京第二営業所 | 〒104-0041 中央区新富2-8-1 キンシビル TEL:03-3552-5390 |
東京第三営業所 | 〒104-0041 中央区新富2-8-1 キンシビル TEL:03-3552-5387 |
横浜営業所 | 〒221-0063 横浜市神奈川区立町6-1 ANNI横浜EAST 3F TEL:045-278-4181 |
名古屋営業所 | 〒461-0004 名古屋市東区葵3-7-16 千種ウエスト4F TEL:052-856-1830 |
大阪営業所 | 〒532-0004 大阪市淀川区西宮原1-4-2 ナリコマHD新大阪 TEL:06-6396-9070 |
神戸出張所 | 〒650-0017 神戸市中央区楠町6-2-6 ハーバースカイビルディング3F TEL:078-371-0797 |
倉敷出張所 | 〒712-8027 倉敷市水島北瑞穂町2-24 岡部ビル TEL:086-448-2100 |
広島営業所 | 〒733-0834 広島市西区草津新町1-17-21 TEL:082-277-2100 |
四国出張所 | 〒760-0080 高松市木太町3区2063番地1 TEL:087-834-4567 |
福岡営業所 | 〒812-0068 福岡市東区社領2-23-20 TEL:092-611-1471 |
九州出張所 | 〒802-0802 北九州市小倉南区城野3-1-33 マインド21 TEL:093-932-2636 |
タニザワ 安全帯 の選び方

ポリマーギヤ
ポリマーギヤは、1988年に巻取式安全帯を開発・発売した国内初のメーカーです。
Amazonでは2丁掛けの巻取器付ランヤードが1万円を切るなど、コストパフォーマンスが高いことで人気があります。
ポリマーギヤ 問い合わせ先
東京営業所 | 〒108-0074 東京都港区高輪2-15-31 高輪グランドパームス 201 TEL:03-3441-2131 |
---|---|
名古屋営業所 | 〒452-0005 愛知県清須市西枇杷島町恵比須20-1 丸中ビル 203 TEL:052-506-8426 |
大阪営業所 | 〒533-0033 大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目20-19 新大阪ヒカリビル 706 TEL:06-6815-9811 |
マーベル
マーベル 問い合わせ先
東京統括営業グループ | 〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-5 TEL:03-34317251 |
---|---|
横浜事務所 | 〒224-0023 横浜市都筑区東山田4-28-21 TEL:045-592-8102 |
三条支店 | 〒955-0065 新潟県三条市旭町2-2-24 TEL:0256-35-6666 |
名古屋支店 | 〒 460-0017 名古屋市中区松原2-22-3 TEL:052-331-0370 |
浜松営業所 | 〒435-0054 静岡県浜松市中区早出町229-6 TEL:053-464-2426 |
関西統括営業グループ | 〒578-0965 東大阪市本庄西2-6-28 TEL:06-6746-2512 |
神戸事務所 | 〒651-2146 神戸市西区宮下1-13-12 TEL:078-570-6255 |
高松事務所 | 〒761-8013 高松市香西東町519-7 TEL:087-832-9588 |
西日本統括営業グループ | 〒812-0006 福岡市博多区上牟田1-8-17 TEL:092-289-1600 |
広島事務所 | 〒739-1731 広島市安佐北区落合2-44-23 1階A号室 TEL:082-843-0911 |
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ケン・島津
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リナ
ケン・島津
・ 藤井電工 「 安全帯の構造・性能 」, 藤井電工株式会社 (2018年10月9日閲覧)