機械工具商社トラスコ中山株式会社さんの物流センター「プラネット埼玉」が10月1日より稼働を開始したとのことで、埼玉県幸手市まで行ってきました。 この幸手物流センターは、数ある同社の物流センターの中でも最大の規模を誇り、敷地面積14,297坪と東京ドームとほぼ同等の広さがあります。
同社がこの施設を「ロジスティクス ワンダーランド」と呼んでいるように、最新鋭の物流機器がこれでもかと採用されています。目玉のAutoStore(オートストア=高密度収納システム)やButler(バトラー=自走型搬送ロボット)は来年秋の導入を予定しているとのことで残念ながら見ることはできなかったのですが、それでも多彩な最新の物流設備には圧倒されっぱなしでした。
ちなみにこのAutoStoreとやButlerは、家具のニトリさんが国内初導入、今回のトラスコ中山さんが国内2社目となるそうで、同社の物流への取り組みがニトリさん同様いかに先進的かお分かりいただけると思います。
外観
近づけば馴染みのあるオレンジと緑色のロゴがどーんと視界に入ってきます。
オフィスビルのようなガラス。あれ、これ物流倉庫だよね?美しい。
こちら側にも入出荷場所。
営業拠点としての支店機能もあります。
例年発表される中山哲也社長の2018年のメッセージです。もはや未来は過去の延長にはなく、突然変わる断層のような節目の時代に我々は生きている、という刺激的な言葉です。
詳しくは同社HPトップメッセージを。
室内
室内に木が生えとる!あれ、ここ物流倉庫だよね?
ちなみに左側に写っているアスクル社長から贈られた花は、私がこれまで見た花束で最も豪華なものでした。
オシャレな吹き抜け。物流倉庫?
これから入荷予定のメーカー看板が出ています。
物流設備
その名の通りパレット棚が移動します。人やフォークリフトが通るための通路を詰めて保管スペースを増やしておき、必要なときだけ動かして通路を作ります。モーゼの海割れのようです。474台・2844パレット。
まだまだ倉庫スペースは十分にあります。
中型・大型の商品を中心に格納されています。
この台車が1階の荷受け場から上のフロアまで軌道を通り、自動倉庫まで運んでくれます。もちろん人は押しません。
これから使われるハンドパレット。と思ったら全て在庫品でした。ビシャモンです。
庫内に張り巡らされた磁気テープの上を自動走行してモノを運びます。トラスコの代表的な台車カルティオに似ています。意地悪で足を出したらちゃんと止まりました。10台のAGVが走っています。
AGVは小さな体でかなりの重量物を運べます。たしか500kgまで運べると仰っていたような。。(違っていたらゴメンなさい)。
こちらは小さめの商品の収納に使われる自動倉庫。1時間に650件の入出荷をこなします。こちらが8基。
商品の仕分け設備です。正しい仕分け先のフタだけが開く仕組みで、ミスを削減します。
梱包設備
梱包物のサイズに合わせて段ボールをカットしてくれるとんでもないやつです。
材料となるダンボール紙が、プリンタの紙のようにどんどん吸い込まれていきます。
緩衝材のクシャクシャくらい人の手でいいじゃん、と一瞬思いましたが、何百枚何千枚と作業する中でその疲労とスピードに大きな違いが生まれるのだと思います。 また人によるクシャクシャ感の違いも均一にすることができるのもメリットです。
荷造り最後の工程、納品書の挿入、パッキング、送り状の貼り付けがラインで自動化されています。
分かりにくいですが、納品書が挿入された後、封詰めの工程に進みます。
ガムテープを使わないキレイなパッキングの完成です。この後送り状の貼り付け工程に進みます。
免震設備
災害時にも「止まらない物流」を目指している同社は、太陽光発電により電力を100%自給、さらに地震対策にも余念がありません。地下には様々な免震装置が設置されています。
横揺れ対策用のオイルダンパーです。こんなゴツいダンパーが伸縮する揺れを想像するだけで怖いです。1基260万円なり。
揺れを吸収するぶっといゴムの柱。ブリヂストン製です。こちらは1基620万円でございます。
揺れが発生した場合に、プレートにけがかれる仕組みです。おそらく免震装置の調整が目的です。
フリーロケーションシステム
同社としては初のフリーロケーションシステムを採用しています。これはAmazonの物流と同じ方法で、商品ごとに決まった棚を割り当てない在庫管理のやり方です。入荷商品の容積と、その時点での棚の空き容積を瞬時に計算して、最適な収納棚が決定される高度なシステムです。
託児所トラキッズ埼玉
プラネット埼玉で働く社員、パートさんのために託児所を設置、正社員の保育士3名さんが常駐しています。ちょうど視察に訪れたときはお子様2名がお昼寝中でした。ただ幸手市の待機児童はゼロ、ということで今後利用者が増えるのか心配と仰っていました^^;
以上、駆け足でしたがざっと見て回るだけでもおよそ80分ほどかかりました。現時点では在庫・出荷状況もまだ半分~3分の1程度という印象でしたので、フル稼働したタイミングでまた見学させていただきたいと思っています。 最後にこの幸手物流センター「ロジスティクス ワンダーランド」動画を紹介して今回の記事を締めくくります。最後までお読みいただきありがとうございました。