目次
インパクトドライバー用のビット、ちゃんと目的に応じて選んでいますか?
インパクトドライバー用のプラスビットは、今一番消耗されている電動工具用先端工具ではないでしょうか。それだけに各メーカーから様々なタイプが発売されており、またホームセンターやディスカウントショップでは海外製の安いビットも数多く見られます。そんなプラスビット、皆さんはちゃんと目的に適した正しいビットを使っていますか?
ここでは、あらためてインパクトドライバー用ビットの種類と特長を解説し、皆さんにあったビットの選び方をご紹介いたします。
インパクトドライバー用ビットに求められるもの
インパクト用ビットには3つの重要な要素があります。
- 折れにくさ
- 作業のしやすさ
- コストの安さ
この3つを実現するために、ベッセル、兼古製作所(ANEX)、新亀製作所(サンフラッグ)といった専門メーカーがしのぎを削り開発に注力してきました。 これら一流メーカーのビットの品質は、安価なプラスビットを使ったときに違いが分かります。簡単に折れたり先端が欠けたりした経験をされた方も多いのではないでしょうか。 折れにくさ、作業性、コスト、皆さんはどの要素を重視しますか? この3つの要素を踏まえて、国内メーカーのインパクト用ビットをあらためてご紹介いたします。
トーションビット
ビット中央部に細くなっている部分を設けることにより、ネジ頭が着座した時の衝撃をねじれることによって吸収し、刃先やネジ頭の破損を防ぎます。金属疲労を軽減し、ビットの長寿命化にもつながります。「トーションビット」と指名買いも多く、折れに悩まされる方にはおすすめの製品です。
カムアウト低減
カムアウト(ネジ穴からビットが浮き上がる現象)を抑制する先端部形状を持つビットです。ネジ穴をつぶす可能性を減らし、効率的に作業が行えます。特に最近のインパクトドライバーはトルクが強くカムアウトしやすくなっているため、うれしい機能です。
スリムビット
刃先・ネジ頭が見やすいように先端部が細く加工されているビットです。視点を変えにくい狭い場所の作業や、細めビス頭の作業の時に作業性が向上します。こちらも指名買いのあるおすすめのビットです。
両頭ビット
ビットの両先端で締め付けることが可能です。両方とも同じ先端部のタイプや、それぞれ別のタイプ(+/-や+/□など)のもの、同じタイプでも先端サイズが違うもの(+No.2/+No.3など)があります。片方が破損してももう片方が使用できるのでコストを節約できます。ただし、先端が欠けたビットをインパクトドライバー本体側(スライドスリーブ側)に装着すると、抜けなくなることもありますのでご注意ください(スライドスリーブ内でボールが破損部分に挟まることで抜けなくなります)。
マグネット付きビット
画像出典 ベッセル
磁石の効果によってネジをビットに吸着させるので、落とすことなく作業が可能です。マグネットが無い方が作業しやすい状況もありますので、マグネットなしタイプと両方持っていた方がよいです。
段付きビット
軸が細くなっており、狭い場所での作業性と視認性が向上します。スリムビットと用途は同様ですが、細い部分が長いため、少し折れやすくなっています。
ボールポイントビット
画像出典 ANEX
六角ビット用の先端加工です。先端部をボール状にすることによって斜めからの作業ができるので、狭所での作業効率と先端のネジ部分の視認性が向上します。
バネ付きビット
軸部分にバネが取り付けられておりスリーブを引くとバネの力でビットが飛び出すので、ビット交換が効率よく行えるようになります。スライドスリーブ内で熱くなったビットの取り外しも、ビットに触らずに行えます
キズ防止
軸にキズ防止チューブを取り付けることで、回転する軸が周辺の部品等に接触した際のキズ付きを防止します。
ビットの溝位置(差込寸法)
差込寸法といえば、六角軸の根元の径をイメージしますが、ここでの「差込寸法」とは、ビットを横から見た時の、取付根元から溝までの位置のことを表し、端から溝の中央部までの長さを指します。「軸位置」ともいわれます。この溝位置は電動工具やエアツールとで異なっており、あまり知られていませんが選択の際には注意が必要です。通常ホームセンターや金物店で売られているプラスビットはA規格が主流ですので、あまり気にせず購入していただいて大丈夫です。
差込口タイプ | 寸法(mm) | 概要 |
---|---|---|
A | 13mm | 国内の電動インパクト/ドライバーでは主流の規格となっています。 |
B | 9.5mm |
主にエアーツールメーカーが採用している差込寸法です。 ※ビットピースを取り付けることによって13mmタイプにも取り付けが可能です。 |
B | 9mm |
主にエアーツールメーカーが採用している差込寸法です。 ※ビットピースを取り付けることによって13mmタイプにも取り付けが可能です。 |
珍しいタイプで、AタイプBタイプ兼用のビット(溝が二つある)もあります。
インパクト六角6.35軸で主要なビットの種類とサイズ
プラスビット
画像出典 ベッセル
刃先サイズ | No.0~No.3 |
---|
一般的に用いられている+ネジ用のビットです。主要工具メーカー充電式インパクト標準付属品はNo.2となっています。No.1が最も細く、No.3が最も太い先端のビットです。
マイナスビット
画像出典 ベッセル
刃先サイズ | 5mm~10mm |
---|
一般的に用いられている-ネジ用のビットです。
四角ビット
画像出典 ベッセル
刃先サイズ | SQ1~SQ3 |
---|
サッシや耐震金物に多く用いられている四角ネジ用のビットです。
六角ビット
画像出典 ベッセル
刃先サイズ | H2~H6 |
---|
機械や設備、自動車やバイクなどに用いられる六角穴付きのネジ用のビットです。
トルクスビット
画像出典 ベッセル
刃先サイズ | T4~T50 |
---|
精密機械などに用いられるトルクスネジ用のビットです。へクスローブビットとも呼ばれています。