溶接面(遮光面)を選ぶときの3つのポイント「遮光度・遮光速度・重量」で徹底比較 【2018年9月更新】

溶接面の選び方 見出し画像

溶接面の種類

溶接時のアークは、目に見える可視光と目に見えない紫外線および赤外線が含まれています。特に有害な光は、紫外線(200~380nm)および可視光(400~570nm)です。

紫外線による障害:電光性眼炎症。角膜の表層部に障害を与える。目がゴロゴロし(異物が入った感じ)、涙が流れ、まぶたの痙攣を伴った急性症状が数時間後に現れる。通常48時間程度で消滅する。皮膚に受けると日焼け同様の水ぶくれの症状となる。

可視光による障害:光網膜炎。視力低下、視野の一部が見えなくなる、かすんで見えるなどの症状が数週間から数ヶ月続く。

これらの障害を避けるために、溶接作業をする際は適切な溶接面を着用することが必須になります。

では、どのような溶接面を選べば良いのでしょうか?まずは溶接面の種類から見ていきましょう。

手持ち型

手持ち溶接面

昔ながらの溶接面です。そういえば、2012年に金環日食を手持ち溶接面で楽しんでいる子供の写真が話題になりましたね。

手持ち溶接面は自動遮光面に比べると圧倒的に安いのですが、両手が使えないというデメリットがあります。また、装着の遅れやズレなどによって光が目に入る危険性もあります。

通常は外側から素ガラス、遮光ガラス、素ガラスと3枚並べて使用します。一番外の素ガラスがスパッタで汚れたら廃棄して、内側の素ガラスを外側にもってくるようにすると経済的です。

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かぶり型

手持ち溶接面

手持ち溶接面と同様に自動遮光面に比べると圧倒的に安いのが魅力です。両手も使えるので、初期コストを抑えたい方にオススメのタイプです。

但し、スパッタによって素ガラスが汚れると交換する必要があるので、その都度コストと手間がかかるというデメリットもあります。

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自動遮光面(ヘルメット取付型・キャップ型)

マイト工業 レインボーマスク INFO-760

ロボコップまたはアイアンマンのような、自動遮光面。戦隊モノに憧れた方は溶接する予定がなくても、何故か欲しくなってしまうのではないでしょうか(笑)

自動遮光面には明るさを変化させる液晶フィルターと、アークの点滅を検知する光センサが搭載されています。液晶フィルターは、アークが点灯している場合には暗く、消灯している場合には明るくなるように視界を自動的に変化させます。

手持ち型と異なり、常に着用していることができるので、両手を作業に使うことができます。

ヘルメットに取付けるバンドを装着したヘルメット取付型、直接被るヘッドバンドを装着したキャップ型の2つのタイプがあります。

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溶接用ゴーグル

イクラ ラピッドグラスゴーグルハードマスクセット ISK-RGG2HS

自動遮光面に比べて軽く、どんなヘルメットでも使用できるというメリットがあります。デメリットとしては少し価格が高いということ。メガネの上からも着用可能です。

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革製遮光面

革製溶接面

ビルディでは取り扱っていませんが安価、折りたたんでコンパクトに収納できるということで人気があります。

その反面、「蒸れ」や「革独特のにおい」といったデメリットもあるようです。

メーカーサイト

自動遮光面を選ぶ際の3つのポイント

ここでは溶接面の圧倒的主流である、自動遮光面の選び方を解説します。しかし、基本的な考え方は同じですので手持ち溶接面やゴーグル型を検討の際もご参考になさってください。

1.適切な遮光度のものを選ぶ

まず、何よりも遮光度を確認してください。溶接電流値によって使用すべき遮光度番号がJISで定まっていますので、遮光度が範囲内かどうか購入前に確認が必要です。(下表参照)

低電流のものに遮光度番号が大きいものを使用すると暗すぎて、作業性が悪くなってしまいます。「大は小を兼ねる」というものではないので、適切なものを選ぶことが大事です。

※製品によってはグラインダーモードを搭載し、自動遮光面をかぶったまま、溶接後の研磨・仕上げ作業をすることができるものもあります。

遮光保護具仕様標準(JIS)
遮光度番号 アーク溶接切断作業
被覆アーク溶接 ガスシールド アーク溶接
5 30A以下
6
7 30~75A
8
9 75A~200A 100A以上
10
11 100A~300A
12 200A~400A
13 300A~500A
14 400A以上
15 500A以上
16

ビルディで現在取り扱っている溶接面を価格が安い順に並べてみました。ご使用されている溶接機の能力(溶接電流値)を確認して、適切な遮光度のものをお選びください。

メーカー名 品番 販売価格 遮光度
RILAND X501
X501
6,480円 #11
RILAND X601
X601
8,480円 #9~13(調整式)
スズキッド EB-200A2
EB-200A2
12,183円 #9~#13
トラスコ TSM20S
TSM20S
14,602円 #9~#13
マイト工業 HAYATE2
HAYATE2
14,800円 #8~#13
イクラ ISK-RG5S
ISK-RG5S
19,980円 #9~13
イクラ ISK-RG5B
ISK-RG5B
20,800円 #9~13
山本光学 LC-700
LC-700
22,871円 #6~#13
山本光学 LC-800
LC-800
22,871円 #6~#13
小池酸素 KADF-816S
KADF-816S
27,445円 #5-13
イクラ ISK-RG5X
ISK-RG5X
27,800円 #9~13
マイト工業 INFO-760
INFO-760
28,380円 通光時(明):#3
WELD(暗):#8~#13
CUT(暗):#5~#8
GRIND:#3
X-MODE(暗):#8~#13
トラスコ TSM25S4
TSM25S4
30,327円 #9~#13
イクラ ISK-RG5S4
ISK-RG5S4
32,400円 #9~13
イクラ IS-RG4N
IS-RG4N
32,800円 #9~13
イクラ ISK-RGG2WS
ISK-RGG2WS
33,048円 #9~13
イクラ ISK-RG1000
ISK-RG1000
35,640円 #8~12
イクラ RG-50ALN
RG-50ALN
35,640円 #9~13
イクラ ISK-RG5X4
ISK-RG5X4
38,980円 #5~8、#9~13
スズキッド EB-300G
EB-300G
40,284円 #5~#8、#9~#13(切換スイッチ)
マイト工業 MR-930
MR-930
41,453円 WELD:#8~#13
CUT:#5~8
GRIND:#3(固定)
イクラ ISK-RG6SW
ISK-RG6SW
41,472円 #9~13
小池酸素 KADF-888S
KADF-888S
41,803円 #5~13
ダイヘン MSK-A100
MSK-A100
47,267円 #9~#13(無段階調整)
ダイヘン MSK-D100
MSK-D100
72,170円 #4±0.1
WELD:#9~#13
CUT:#5~#9
GRIND:#4
X-mode:#9~#13

2.遮光速度が速いものを選ぶ

遮光速度とは、アーク光を感知してから遮光するまでの時間になります。遮光速度が遅いと、アーク発生から遮光するまでの時間(アーク光が目に入る時間)が長くなりますので、それだけ目に与えるダメージが大きくなります。非常に僅かな時間ですが、作業が長時間に及ぶとその僅かな時間が積み重なって、大きなダメージとなりますのでバカにはできません。

遮光速度には「これぐらいがいいですよ」というような明確な基準はありませんが、1/15000~1/25000秒がスタンダードになっています。極端に遅いものを選ばないようにすれば十分でしょう。

下表はビルディで取り扱っている自動遮光面を価格が安い順に並べたものです。溶接面選びにお役立てください。

メーカー名 品番 販売価格 遮光速度
RILAND X501
X501
6,480円 1/20000秒
RILAND X601
X601
8,480円 1/25000秒
スズキッド JM-200FF
JM-200FF
10,980円1/25000秒
スズキッド EB-200A2
EB-200A2
12,183円 1/25000秒
トラスコ TSM20S
TSM20S
14,602円 1/25000秒
マイト工業 HAYATE2
HAYATE2
14,800円 1/12000秒
マイト工業 MR-460M
MR-460M
18,711円 1/3600秒
マイト工業 MR-460
MR-460
18,711円 1/3600秒
イクラ ISK-RG5S
ISK-RG5S
19,980円 1/25000秒
イクラ ISK-RG5B
ISK-RG5B
20,800円1/16000秒
山本光学 LC-700
LC-700
22,871円 1/25000秒
山本光学 LC-800
LC-800
22,871円 1/25000秒
3M 751120
751120
23,927円 1/10000秒
小池酸素 KADF-816S
KADF-816S
27,445円 1/25000秒
イクラ ISK-RG5X
ISK-RG5X
27,800円 1/25000秒
マイト工業 INFO-760
INFO-760
28,380円1/20000秒
トラスコ TSM25S4
TSM25S4
30,327円 1/25000秒
3M 751220
751220
31,841円1/10000秒
イクラ ISK-RG5S4
ISK-RG5S4
32,400円 1/25000秒
イクラ IS-RG4N
IS-RG4N
32,800円 1/20000秒
イクラ ISK-RGG2WS
ISK-RGG2WS
33,048円 1/25000秒
イクラ ISK-RG1000
ISK-RG1000
35,640円 1/10000秒
イクラ RG-50ALN
RG-50ALN
35,640円 1/25000秒
3M 701120
701120
37,094円 1/10000秒
イクラ ISK-RG5X4
ISK-RG5X4
38,980円 1/25000秒
スズキッド EB-300G
EB-300G
40,284円 1/25000秒
マイト工業 MR-930
MR-930
41,453円 1/20000秒
イクラ ISK-RG6SW
ISK-RG6SW
41,472円 1/25000秒
小池酸素 KADF-888S
KADF-888S
41,803円 1/25000秒
ダイヘン MSK-A100
MSK-A100
47,267円 1/20000秒
マイト工業 INFO-2200
INFO-2200
53,460円1/20000秒
3M 501826
501826
61,846円 1/10000秒
3M 541805
541805
62,175円 1/10000秒
ダイヘン MSK-D100
MSK-D100
72,170円1/20000秒
3M 547725J
547725J
207,114円1/10000秒

3.軽いものを選ぶ

作業中はずっと使用するものなので、少しでも軽い方が疲労軽減に繋がります。下にビルディで取り扱っている自動遮光面を軽いもの順に並べました。

「とにかく軽いものが欲しい!」という方は、是非ご参考にしてください。

メーカー名 品名 販売価格 質量
3M 701120
701120
37,094円 360g
マイト工業 MR-460
MR-460 ヘルメット取付型
18,711円 375g
イクラ ISK-RGG2WS
ISK-RGG2WS
33,048円 380g
RILAND X601
X601
8,480円 410g
マイト工業 MR-460
MR-460 キャップ取付型
18,711円 410g
イクラ IS-RG4N
IS-RG4N
32,800円 420g
マイト工業 MR-460M
MR-460M ヘルメット取付型
18,711円 425g
ダイヘン MSK-A100 ヘルメット取付型
MSK-A100 ヘルメット取付型
47,267円 425g
RILAND X501
X501
6,480円 450g
3M 751120
751120
23,927円 450g
マイト工業 MR-460M
MR-460M キャップ型
18,711円 460g
3M 751220
751220
31,841円 460g
山本光学 LC-800
LC-800
22,871円 470g
イクラ ISK-RG5X
ISK-RG5X
27,800円 470g
ダイヘン MSK-A100 キャップ型
MSK-A100 キャップ型
47,267円 470g
マイト工業 INFO-760
INFO-760
28,380円 480g
イクラ! ISK-RG6SW
ISK-RG6SW
41,472円 490g
トラスコ TSM20S
TSM20S
14,602円 490g
マイト工業 HAYATE2 ヘルメット取付型
HAYATE2 ヘルメット取付型
14,800円 490g
イクラ ISK-RG5S
ISK-RG5S
19,980円 490g
イクラ ISK-RG5B
ISK-RG5B
20,800円 490g
小池酸素 KADF-816S
KADF-816S
27,445円 490g
小池酸素 KADF-888S
KADF-888S
41,803円 490g
スズキッド JM-200FF
JM-200FF
10,980円 500g
山本光学 LC-700
LC-700
22,871円 520g
マイト工業 HAYATE2 キャップ型
HAYATE2 キャップ型
14,800円 525g
スズキッド EB-200A2
EB-200A2
12,183円 528g
ダイヘン MSK-D100 ヘルメット取付型
MSK-D100 ヘルメット取付型
72,170円 530g
マイト工業 MR-930 ヘルメット取付型
MR-930 ヘルメット取付型
41,453円 540g
イクラ ISK-RG1000
ISK-RG1000
35,640円 550g
スズキッド EB-300G
EB-300G
40,284円 550g
トラスコ TSM25S4
TSM25S4
30,327円 565g
イクラ ISK-RG5S4
ISK-RG5S4
32,400円 565g
マイト工業 MR-930 キャップ型
MR-930 キャップ型
41,453円 575g
ダイヘン MSK-D100 キャップ型
MSK-D100 キャップ型
72,170円 575g
イクラ ISK-RG5X4
ISK-RG5X4
38,980円 580g
イクラ RG-50ALN
RG-50ALN
35,640円 610g
3M 501826
501826
61,846円 610g
マイト工業 INFO-2200
INFO-2200 ヘルメット取付型
53,460円625g
マイト工業 INFO-2200
INFO-2200 キャップ型
53,460円660g
3M 541805
541805
62,175円715g
3M 547725J
547725J
207,114円5000g

防じんマスクの選び方

溶接ヒュームの画像

ここまで溶接面の選び方を解説してきましたが、溶接面だけでは安全対策は不十分です。溶接面は有害光線から作業者を守ってくれますが溶接ヒュームからは守ってくれません。別途、溶接ヒューム対策を行わなければなりません。

溶接ヒュームって何?

アーク溶接時に発生する煙は溶接ヒュームと呼ばれ、実際は「アークの熱によって溶かされた金属が蒸気となり、その蒸気が空気中で冷却され、細かい粒子となったもの」です。

これを長い年月にわたって多量に吸引すると、肺の組織が線維化し、硬くなって弾力性を失ってしまいます。いわゆる、肺線維症(じん肺)といわれる病気です。肺線維症といえば、石綿(アスベスト)による健康被害が有名ですが溶接ヒュームによっても発症することが知られています。

大きな工場などでは吸引装置などを設置するケースもありますが、防じん対策としてはマスクが最もポピュラーです。しかしながら、防じんマスクも溶接面同様に種類が多く、選定が大変・・・。

安心してください!下のポイントを押えておけば大丈夫です。

防じんマスク12の分類

まず、防じんマスクは使い捨て式と取り換え式の2つに大別され、さらに粒子捕集効率(3段階)、試験粒子の違い(2種類)により12種類に分類されます。ややこしいので、ここはサッと見て頂くだけで結構です(笑)

※背景が黄色になっているところが溶接時に使用できるマスクになります。溶接ヒューム対策で使用する場合は区分1以外を選べばOKです。

試験粒子と捕集効率
S
試験粒子に固体の塩化ナトリウム(NaCl)を用い測定
L
試験粒子に液体のフタル酸ジオクチル(DOP)を用い測定
区分1/2/3(粒子捕集効率)
使い捨て式/取り替え式 D
使い捨て式防塵マスク
DS1 DL1 区分1:80%以上
DS2 DL2 区分2:95%以上
DS3 DL3 区分3:99.9%以上
R
取り替え式防塵マスク
RS1 RL1 区分1:80%以上
RS2 RL2 区分2:95%以上
RS3 RL3 区分3:99.9%以上

作業内容による防じんマスクの使用区分

背景が黄色になっている部分を見ていただきたいのですが、大事なのはDS2・DL2・RS2・RL2以上の粒子効率を有するものを選ぶということです。

※オイルミストが存在する場合はDL2・RL2・DL3・RL3からお選びください。

・放射性物質がこぼれたときなどによる汚染のおそれがある区域内の作業または緊急作業
・廃棄物の焼却施設に係る作業で、ダイオキシン類の粉塵のばく露のおそれのある作業
・そのほか上記作業に準ずる作業
RS3 RL3
※オイルミストなどが存在する場合はLを選択
・金属ヒュームを発散する場所における作業(溶接ヒュームを含む)
・管理濃度が0.1mg/m3以下の物質の粉塵などを発散する場所における作業
・そのほか上記作業に準ずる作業
※カドミウム、クロム酸、重クロム酸、ベリリウム、鉛およびその化合物
DS2・DL2・RS2・RL2
およびそれ以上の粒子捕集効率を有する
DS3・DL3・RS3・RL3
※オイルミストなどが存在する場合はLを選択
・上記以外の一般粉塵作業 DS1・DL1・RS1・RL1
およびそれ以上の粒子捕集効率を有する
DS2・DL2・RS2・RL2
DL3・DS3・RS3・RL3
※オイルミストなどが存在する場合はLを選択

使い捨て防じんマスク

使い捨て防じんマスク

まずは使い捨てのタイプが初期コストがかからず、導入しやすいのではないでしょうか。部品の交換などのメンテナンスが不要なのでメンテナンス不足による被害を抑えることができます。

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取替式防じんマスク

取替式防じんマスク

取替式のタイプは初期コストはかかりますが使用頻度が高い方は長い目で見ると安くつきます。但し、使用前後の点検やメンテナンスが必要になります。

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別売部品

通常は一番外側から素ガラス、遮光プレート、素ガラスと3枚セットで使用します。溶接面ごとにサイズが異なりますのでご購入の前に確認が必要です。

遮光プレート

遮光プレート

自動遮光面以外の溶接面は、作業内容に合わせて遮光プレートを取り替えて使用します。適切な遮光度のものを使用するようにしましょう。くわしくはこちら

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素ガラス(カバープレート)

カバープレート

遮光プレートや液晶面をヒュームやスパッタから保護するためのカバーです。素材はガラス(またはプラスチック)です。

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ヘルメット取付用金具

商品名

自動遮光面にヘルメットを取り付けるときに使用する金具です。

製品ごとに金具が異なりますので、お探しの品がない場合はこちらからお問い合わせくださいませ。

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以上、「溶接面&防じんマスクの選び方」でした。いかがだったでしょうか?ビルディマガジンでは読者の皆様からのご質問をお待ちしております。少しでも疑問に思った点がございましたら、お気軽に下のコメント欄から投稿してくださいね。全力でお調べいたしますので!

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