この記事は初心者の方にもおすすめです。
目次
コーキングガンってどんな工具?
シーリング作業で使う工具
気密性や防水性などを確保するために、隙間を埋める作業のことをシーリングと言います。一般的な住宅の場合には、外壁の繋ぎ目やお風呂場の浴槽と壁の接する部分などにゴムのような柔らかい素材が使われていると思います。また、壁などのひび割れ補修を業者に依頼した場合などにも、そのひび割れ部分に同じような感触の素材が注入されていることがあります。これが、シーリング作業によって注入されたシーリング材になります。
このシーリング材を注入する道具が、コーキングガンと呼ばれている工具になります。
住宅以外でも、様々な建築現場や配管工事、土木工事などで使用されています。
これは、以前は同じ作業にシーリング材と油性コーキング材の二種類が使われていたことに由来しています。今では油性コーキング材はほとんど使われなくなり、油性コーキング材を使っていた作業でもシーリング材が使われるようになっています。ただ、油性コーキング材を使っていた時に定着したコーキングガンという名称がそのまま引き継がれて使われているために、コーキングガンと呼ばれているのです。
また、以前からの職人さんは、今でもシーリング作業のことをコーキング作業と言ったりしますし、メーカーでもコーキング材という名称でシーリング材を扱っていたりするので、なじみのない人にとっては混乱してしまいがちですが、現在では、シーリング=コーキングと捉えてしまって大丈夫です。
ちなみに、日本シーリング材工業会(JSIS)により、今後はシーリングに名称統一するという方針が示されていますので、もしかしたら今後はコーキングガンではなくシーリングガンと呼ぶことが一般的になるのかもしれませんね。
コーキングガンの使い方
一般的なシーリング材は、カートリッジと呼ばれるケース単位で販売されています。このカートリッジをコーキングガンに取り付けて使います。
手順1
まずは、シーリング材の準備をします。カートリッジ先端部分のノズルは取り外すことができるので、ますはノズルを取り外します。ノズルを取り外すと密封シールが見えるので、それを取り外したノズルの先端部分などの尖ったもので破ります。セメダインなどのゼリー状瞬間接着剤を使うときに、キャップについている突起でシール部分を破ると思いますが、あれと同じです。
手順2
シーリング材が通るようにするために、ノズルの先端部分をカッターナイフなどで切断し、再度カートリッジに取り付けます。この時に、シーリング材を注入したい場所の幅に合わせてノズルをカットすることで、作業効率を上げることができ、綺麗な仕上がりにすることができます。
手順3
コーキングガンの中央部を貫通しているロッドを一番後ろまで引き出して、カートリッジを装填します。装填したらレバーを軽く引いてロッドを前進させ、カートリッジを固定します。この時に勢いよくレバーを引きすぎると、シーリング材が吐出してしまうので、注意しましょう。
手順4
ここまで準備ができたら、注入したい場所に先端のノズルを当て、レバーを引きましょう。ロッドがカートリッジの後部を押すことにより先端からシーリング材が吐出されます。ゆっくりとレバーを引きつつ、本体側の方にスライドしながら充填すると綺麗に充填できます。ノズル側に向かって行くように充填すると綺麗に仕上がりません。
手順5
充填が終わったら、ヘラなどで表面を綺麗にならします。コーキング用のヘラを使うことで、よりスムーズに作業をすることができます。シーリング材が余った場合には、栓をして乾燥しないようにして保管しておけば、1ヶ月程度は保存が可能です。
- 注入したい場所以外にシーリング材が付着することを防ぐために、あらかじめ養生テープなどを張りましょう。
- シーリング材が手などに付着すると、取るのが大変ですので、ビニール手袋などをして使用しましょう。
- 浴室などの密室で使用するときには、よく換気をするようにしましょう。
シャープ化学工業さんで、シーリング材の開封方法とコーキングガンへの取り付け手順を分かりやすく解説されていましたので、ここでご紹介させていただきます。
こちらは、JAPAN PCCOXさんが公開しているコーキングガンの使い方動画です。後半の方では、シーリングガンの充填時の動かし方も見ることができます。
ビルディで商品を見てみる
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種類と選び方
稼働方式で選ぶ
コーキングガンは、手動式と電動式、空圧式の3つに分けられます。従来は手動式のみでしたが、最近ではマキタやパナソニックなどから電動式のコーキングガンが発売されています。また、マックスからはエアー式のコーキングガンも発売されています。
手動式コーキングガン
一般的に用いられている、手押し式のコーキングガンです。
参考 手動式コーキングガンビルディで商品を見てみる電動式コーキングガン
マキタやパナソニックから発売されている、電動式のコーキングガンです。手動式では、作業中にレバーを何度も引く必要がありますが、電動式ではトリガーを引き続けるだけでいいので、疲れや煩わしさを軽減できます。また、一定の吐出量を維持しながら作業をすることができます。
参考 電動式コーキングガンビルディで商品を見てみる空圧式コーキングガン
マックスから発売されている、エア式のコーキングガンです。電動式と同様にトリガーを引き続けるだけで充填作業が行えます。エア圧力の調整で、吐出量を調節できます。電動式より軽量ですが、エアホースやコンプレッサが必要になります。
参考 空圧式コーキングガンビルディで商品を見てみる容量で選ぶ
一般的なシーリング材は、330(333)mlのカートリッジに入っているので、コーキングガンもそのサイズに対応している製品が多くなっています。
数は少ないですが、600mlや800mlといった大型のカートリッジに入ったシーリング材もありますので、その場合はそのサイズに対応できるコーキングガンを選んでください。
取付方法で選ぶ
一般的なシーリング材は、330(333)mlのカートリッジに入っているので、コーキングガンもカートリッジに対応している製品が多くなっています。
一部のコーキングガンでは、ソーセージ型のパックに入っているシーリング材にも対応しているものや、缶などに入っているシーリング材を充填して使用できるものがあります。
おすすめのコーキングガン
お待たせしました。それでは、おすすめのコーキングガンをご紹介します。
手動式コーキングガン
電動式も少しずつ増えてきていますが、主流はやはりまだ手動式のコーキングガンになります。電動式と比較してだいぶ安価で入手可能なことも大きなメリットになります。
タジマ コンボイジャスト CNV-JUST
適合容量 | 330ml |
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重量 | 605g |
機能 | 液だれ防止機構・回転式フレーム |
Bcross(ビクロス) コーキングガン JM-100
適合容量 | 330ml |
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重量 | – |
機能 | – |
ピーシーコックス ウルトラフローガン 4560413200030
適合容量 | 330ml |
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重量 | 870g |
機能 | 回転式フレーム |
電動式コーキングガン
電動式コーキングガンのおすすめ機種です。
マキタ 18V 充電式コーキングガン CG180D
適合容量 | 300mlクラス |
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重量 | 2.3kg |
機能 | 液だれ防止機構・回転式フレーム |
電動式なので、硬いシーリング材でもスピーディに施工が可能。ダイヤル変速とトリガ変速で高い作業性を発揮。液だれ防止機能と過負荷保護機能で快適。
先端部のホルダを交換(※要別販売品)することで、ソーセージ型の取り付けや、吸い込み型としても使用可能。
パナソニック 3.6V 充電シーリングガン EZ3610
適合容量 | ~400mlクラス |
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重量 | 2.15kg |
機能 | 液だれ防止機構 |
空圧式コーキングガン
エア式コーキングガンのおすすめ機種です。
マックス 常圧エアコーキングガン AT-CG50
あると便利なアクセサリー
ここでは、コーキング作業で使える便利なアクセサリーをご紹介します。
藤原産業 SK11 コーキングノズル3PCS SKCS-3 167284
コニシ シーリング材専用曲がりノズル 05494
藤原産業 SK11 コーキングノズルストッパー SKCS-5 167307
藤原産業 SK11 コーキングパッドセット SKCS-6 167314
INOUE コーキングノズル 1510
おわりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。コーキングガンの特長・選び方とおすすめ機種、いかがでしたでしょうか。皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。
・ トラスコ中山株式会社 ( 2014 )『 知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2」 』 p.308 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・ シャープ化学工業株式会社 「 カートリッジガン(コーキングガン)の使い方 」, シャープ化学工業株式会社 (2018年8月20日閲覧)
・ コックス|コーキングガンメーカーPCCOX社の国内代理店のピーシーコックス日本販売株式会社 「 手動式コーキングガンの使用方法 」, ピーシーコックス日本販売株式会社 (2018年8月20日閲覧)