エアサンダー/ポリッシャーの特長・選び方

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この記事は初心者の方向けです。

1.特長

  • エアコンプレッサーと接続し、圧縮空気を動力として、振動や回転などによって木材や金属の研磨、パテの研磨、塗装はがし、錆落としなどを行う空圧工具です。サンドペーパーやディスク、ベルト、バフなどを取り付けて使用します。
  • 空圧工具は、同等能力の電動工具に比べて小型・軽量でパワーがあります。
  • 作業内容や対象によって様々な種類のエアサンダー・エアポリッシャーがあります。
  • エアサンダーでの作業では、その特性上粉塵が大量に発生します。そのため、集塵機能を持ったエアサンダーや集じん機に接続可能なエアサンダーが多くなっています。
MEMO
エアサンダーとエアポリッシャーは構造的にはほぼ同一のものですが、使用用途に応じて設定に違いがあります。エアサンダーは研削目的で用いられることが多いため比較的高回転ですが、エアポリッシャーは研磨目的で用いられるため、比較的低回転高トルクとなっています。

2.種類

構造による分類

エアオービタルサンダー/ウィンドウポリッシャー

角型のパッドが小刻みに振動(偏芯運動)を行うので、削りすぎることなく研磨を行えます。平らな面を研磨するのに向いています。手にすっぽりと収まるものが多いため、作業性に優れます。
サンダーは、木工研磨やパテの研磨、足付け作業に多く用いられるタイプで、粗削りから仕上げまでを万能にこなすことができます。市販のサンドペーパーを装着可能な機種もあります。
ポリッシャーは、主にガラス磨き用のウィンドウポリッシャーとして用いられています。
MEMO
機構部はそのままで、コーナーの研磨に特化したタイプとして、エアコーナーサンダー(エアデルタサンダー)があります。パッドがアイロンのような形になっており、三角型のサンドペーパーを装着して使用します。比較的小型でもあるため、狭い場所や角などの研磨作業にで用いられています。
  • 吸塵式と非吸塵式があります。(サンダー)
  • のり付きペーパータイプと、マジックペーパータイプがあります。

エアダブルアクションサンダー/ポリッシャー

エアランダムサンダー/ポリッシャー、エアデュアルアクションサンダー/ポリッシャー、エアオービットサンダーなどとも呼ばれます。
円形のパッドが小刻みに振動(偏芯運動)しながら回転運動を行うのでより強い研磨が行えます。偏芯量が大きいほど研削力も強くなります。平らな面だけではなく、緩やかな局面の研磨にも向いています。研磨痕がほぼ付かないので、きれいに仕上げることができます。
サンダーは、パッドやサンドペーパーを替えることによって、木工だけではなく金属の研磨や錆落としも可能です。
ポリッシャーは、取り付けられたバフによってワックスがけや艶出し磨きなどに使用されます。
  • 吸塵式と非吸塵式があります。(サンダー)
  • のり付きペーパータイプと、マジックペーパータイプがあります。
  • サンディングペーパー/バフは一般的には125mm径のものが用いられますが、機種によっては75mm・100mm・150mmなどのものもあります。
  • サンダー/ポリッシャー兼用の機種もあります。

エアシングルアクションサンダー/ポリッシャー

円形のパッドの回転運動のみで研磨を行います。偏芯運動をしないのでトルクが直接伝わり、エアサンダー/ポリッシャーの中でも高い研磨力を持ちます。
サンダーは、バリ取り、面取り、錆落とし、塗装剥がし、足付け作業など幅広い分野で用いられています。
ポリッシャーは、傷取りなどのコンパウンド作業や塗装後の肌調整などで用いられます。
  • サンディングペーパー/バフは一般的には125mm径のものが用いられますが、機種によっては75mm・80mm・100mm・150mm・160mm・190mmなどのものもあります。
  • サンダー/ポリッシャー兼用の機種もあります。

エアギアアクションサンダー/ポリッシャー

円形のパッドの回転運動にギアによる変則的な動きを加えて研磨を行います。シングルアクションに比べるとトルクは落ちますが、エアサンダー/ポリッシャーの中では比較的高い研磨力を持ちます。削りすぎや加熱などのリスクを極力減らせることに加えて、研磨痕が付きにくいという特徴があります。
サンダーは、塗膜はがし、中間パテ研磨などで用いられています。
ポリッシャーは、塗膜面の仕上げ、家具楽器などの仕上げ研磨などで用いられています。
  • 吸塵式と非吸塵式があります。(サンダー)
  • サンディングペーパー/バフは一般的には125mm径のものが用いられますが、機種によっては75mm・150mm・165mmなどのものもあります。
  • サンダー/ポリッシャー兼用の機種もあります。

エアベルトサンダー

輪状のサンディングベルトを回転させることにより、研磨を行います。エアサンダーの中では最も高い研磨力を持ちます。細かい場所や奥まった場所の研磨に対応した細長いベルトを持つタイプと、広い面積の研磨に対応した幅広いベルトを持つタイプがあります。金属加工のバリ取りや塗装はがしといった作業もベルトの交換で強力にこなすことができます。作業台などに固定することで卓上サンダーとしても使用できます。

エアローラーサンダー

カーブサンダーとも呼ばれています。
回転する研磨ホイールを用いて研磨を行います。範囲を広げずにピンポイントで研磨ができるので、狭い場所やくぼみなどで効率的な作業ができます。

エアストレートサンダー

ラインサンダーとも呼ばれています。
角型のパッドによる前後の往復運動(ストローク)のみで研磨を行います。手作業に最も近い感覚で作業をすることができますが、構造上研磨力は最も低くなります。面出しやライン出し、パテ・サフェーサーの仕上げ研磨、家具・建具木工作業時の仕上げ研磨などに用いられています。市販のサンドペーパーを装着可能な機種もあります。
  • 吸塵式と非吸塵式があります。
  • のり付きペーパータイプと、マジックペーパータイプがあります。

エアディスクサンダー

円形のディスクの回転により研磨を行います。エアディスクグラインダーとも呼ばれます。ディスクを替えることで、研磨だけではなく研削、切断といった作業も可能です。

その他

フィットサンダー(スウィングサンダー・揺動アクションサンダー):円形もしくは角型・三角型のパッドを用いますが、回転はせず、揺動によって研磨を行います。構造上研磨力は低めになります。

エアヤスリ:エアで前後にストロークするヤスリです。

形状による分類

ハンディ型

最も一般的な形状です。両手で包み込むように持って使用します。最上部に始動レバーが付いている機種がほとんどで、手のひらでオンオフの操作ができます。片手だけでも使用できるワンハンドタイプもあります。

アングル型

サイドハンドルが付いている機種もあります。

ピストル型

小型・軽量の機種に用いられている形状です。取り回しが容易です。

バーティカル型(Vグリップ型)

縦型の構造です。ほぼ同じサイズのメイングリップとサイドグリップが、V字の角度でついています。安定性に優れています。

ベルトサンダー型

一般的なベルトサンダーの形状です。ベルト部分が大きめに取られています。

ローラー型

一般的なローラーサンダーの形状です。比較的小型・軽量です。

3.主なメーカー

空研

空研エアサンダー

抜群の研削力・研磨力と安定した作業バランス

マルチミニサンダーセットMRS35は小型・軽量・パワフルで強い研削力。シングル回転(擬似)から、デュアルアクションへワンタッチで切換。

信濃機販

信濃機販エアサンダー

円滑な楕円運動でスムーズな研磨

樹脂製のパッドサポートの採用により、耐久性と研磨力がアップ。オービタルサンダー SI3011AMは吸塵タイプ。オービタルサンダー SI3001AMは非吸塵タイプ。

マイン

マインエアベルトサンダー

5種類の先端アームをねじ1つで簡単取替

エアベルトサンダーナロベルター NR111Sは先端アームの簡単な取り替えで3mm~20mmの研磨ベルトが使用可能!点研磨や線研磨に効果的。

4.選び方

  • 作業内容に合わせたエアサンダー・エアポリッシャーを選択してください。
  • 作業内容に合わせた形状を選択してください。
  • カプラやプラグが付属しているかを確認してください。付属していない場合は、エアー取り入れ口のサイズに応じたカプラ・プラグを別途用意する必要があります。
  • 主要なエアー取り入れ口ねじ寸法
    ISO規格表記
    Rc(=テーパーめねじ)
    旧JIS規格表記 サイズ(インチ)
    Rc1/4 PT1/4 1/4″
    Rc3/8 PT3/8 3/8″

    ※NPT1/4といった表記の機種もありますが、これはアメリカ管用の規格のため、PT=NPT間での接続はできません。

  • 空気消費量(m3/min)を確認してください。
  • 用途に合わせたサンドペーパーやディスク、ベルト、バフを選択してください。
【参考文献】

()『知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2 」pp462-464. 佐川印刷株式会社

【参考サイト】

」,NPK(2017年12月14日閲覧)

」,VESSEL(2017年12月14日閲覧)

」,信濃機販株式会社(2017年12月14日閲覧)

」,mine(2017年12月14日閲覧)

」,不二(2017年12月14日閲覧)

」,SP AIR(2017年12月14日閲覧)

」,株式会社空研(2017年12月14日閲覧)

」,NITTO KOHKI(2017年12月14日閲覧)

」,COMPACT TOOL CO.,LTD.(2017年12月14日閲覧)

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