クロス貼り前の下地施工がとっても大切【建築士のチェックポイント】

ボード貼り

【ゲスト寄稿】
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ターボーの自己紹介

現場で職人さんと一緒に汗をかきながらお仕事をするのが大好きな建築士のターボーです。ビルディマガジンを読んでくださる皆さんに、日頃施工現場で悩んでいることや、相談したいことなどを時折書いてみたいと思います。皆さんの憩いのティータイムやお昼を食べた後など、スキマ時間に読んでもらえたらとっても嬉しいです。

クロスの種類は様々

今の住宅はほとんどがクロス貼りというお部屋が多いですよね。クロスと言っても様々な種類があり、施工上気を付けないといけないことがあるのを御存知でしょうか? もしかして、クロスはどんな種類も同じだと思っていませんか? それって実は大変な間違いなのです。

壁紙の見本帳

よく使われるのは白のクロス

比較的よく使われるのが白い色のクロスです。でも白のクロスと言ってもその色も厚みも微妙に違いますし、地模様(凹凸)があったり、なかったりと、様々な種類が存在します。

サンゲツ FE1103
サンゲツ FE1103
サンゲツ FE1469
サンゲツ FE1469
サンゲツ SGA236
サンゲツ SGA236

クロスを選ぶ時、お施主さんがインテリアコーディネーターさんや建築士さんや不動産屋さんから見本帳を渡され、その中から決められる事がほとんどであると言ってよいでしょう。施工の事を気にしてクロスを決めるということはほとんどないと思います。それは当然といえば当然で、お施主さんには施工のしやすさなど関係のない話です(笑)

クロスの施工工程

ではクロスはどんな工程を経て施工されるのでしょうか?

クロスは一般的に下塗り、中塗り、上塗りの3回のパテ処理を経た後貼られます。

下地のチェックは念入りに

石膏ボードが施工されたら、クロス職人さんの出番です。パテを塗って下地処理をする前によくヘラでクロス職人さんがボードを撫でているのをみたことがないでしょうか? ボードについているゴミを落とす目的もあるのですが、下地に段差がないだろうか?釘やビスの頭が出ていないか?といったことをヘラを滑らせて確認しているのです。そう、あなたのお仕事の仕上がりをチェックしているのです(笑)

なぜこんなことをしているか?というと、クロスは下地の状態をとても拾いやすいからなんです。。ビスの頭がボードから出ていたら、ドライバーやインパクトで締めすぎないように気を使いながら締め込みます。ジョイント部分に出っぱりがあったり、逆に凹んでいる時は、下地が平滑になる様にパテを必要以上に広くかけたり、テープを貼ったりして平滑にしなければいけません。

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白いクロスは特に注意が必要

クロス屋さんに一面パテだらけにされた場合は施工を見直してみてもいいかもしれません。木下地は、不陸がないか?ということをちゃんと確認してみましょう。木下地がバラバラだと、当然上に貼ったボードの壁は平滑になりません。また、木下地の水分が多いままで施工をすると、あとで痩せてきて、下地に釘頭が浮いてくる場合があります。もちろん釘は錆びないものを使いましょう。

ご存知の方も多いと思いますが、白のクロスだと経年変化で錆びが出たりすることがあるからです。厚みが薄いものや、あまり地模様(凹凸)がないクロスは下地の状態を広いやすい性質があるためです。後の工程のお仕事をする人は、「先にやった人の仕事を引き立てるのが良い仕事」と昔から言われ継がれている言葉がありますが、その言葉に頼っていてはいけません。

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ボード以外もクロスは貼れる?

ボード以外の下地でもクロスを貼ることができますが、広葉樹の合板の上にはクロスをはれても、針葉樹の構造用合板の上にはクロスは貼れません。クロスが下地の構造用合板の模様を拾ったり、施工後アクが出たりすることがあります。ちなみにターボーは現場に出たての頃、何も知らずに針葉樹の構造合板にクロスを貼った同僚の現場監督の現場を見たことがあります。もちろん貼りなおしです(涙)

おわりに

いかがでしょうか? クロス貼りの下地を施工する際の注意する点を簡単にまとめてみました。仕事をする以上、お施主さんや他の職人さんに「いい仕事をするね」って言ってもらいたいですよね。

「いい仕事をするね」という言葉は、職人さんにとっては、何よりのご褒美です。この評価があるから、もっと頑張ろうって思えますよね。

最後までお読みいただきありがとうございました。皆様からのご質問やリクエストをお待ちしております。

2 COMMENTS

佐藤

ブログ拝見しましたが、もう少し現場に出て勉強なさった方がよさそうですね。
一般的にパテは3回とありましたが、一般的でもなんでもありません。
既存下地の状況によりけりですよ。
壁全体にパテ処理の場合、注意が必要とありますが不陸が酷いときに総パテをするのであって、そのままの状態で施工されるより余程親切かと。

同業の者ですが
この業界の発展の為、より正確な情報を発信しませんか?
お互い良い物を提供していけるように。

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匿名

どう施工しても収まらないクロスが製造されていることを知ってほしいです
なにをもって収まってるかの判断は人それぞれですが素人目で見てつなぎ目が見えてたらクレームがあって当然です
その説明もなしに自由にクロスを選ばせるのは間違ってると思います

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