この記事では、ビス打ち機でネジ頭が浮く4つの原因と対策についてご紹介しています。ビス打ち機についてより詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。
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各メーカーのビス打ち機の性能や使い勝手を知りたい方はこちら↓目次
ビス打ち機でビス頭が浮く場合のチェックポイント
今の住宅はクロス貼りの部屋がほとんどですね。そしてクロスを張る前工程として石膏ボードを施工します。その石膏ボード施工に欠かせないのがビス打ち機。マックスの製品名でそのままターボドライバーと呼ぶ方もいます。
クロスをきれいに張るためにはビス頭はきれいに収まっていなければいけません。せっかくビュンビュン高速で施工をしても、いちいちビス浮きを手締め修正していてはもったいない!そこで今回の記事では、ビス打ち機でビス頭が浮く場合のチェックポイントと対策方法を紹介していきたいと思います。
1.コンプレッサの圧が足りない
ビス打ち機は、釘打ち機よりも高い空気圧を必要とします。そのため、コンプレッサも高めの圧設定が必要です。特に、釘打ち機で作業した後にビス打ち機に付け替えて使う、といった場合は忘れがちですので、必ず圧力の再調整をしてください。
一般的な高圧釘打ち機の使用空気圧力は1.2~2.3MPa(12~23気圧)程度、常圧釘打ち機の使用空気圧力は0.4~0.8MPa(4~8気圧)程度となっています。一方、高圧ビス打ち機の使用空気圧力は1.8~2.3MPa(18~23気圧)程度、常圧ビス打ち機の使用空気圧力は0.6~0.8MPa(6~8気圧)程度、となっており、最低限必要なエア圧が1.5倍ほど高くなっていることが分かります。そのため、釘打ち機の設定でビス打ち機を使用してしまうと、空気圧不足により、十分な打ち込みが行えず、ビス頭が浮いてしまうのです。
また適切な圧に設定した場合でも、複数人での作業などコンプレッサのエア供給量が追いつかない場合も、当然空気圧・量が落ちてビス頭が浮いてきます。
機種 | 一般的な釘打ち機 | ビス打ち機 | ||
---|---|---|---|---|
高圧 | 常圧 | 高圧 | 常圧 | |
使用空気圧力 | 1.2~2.3MPa (12~23気圧) |
0.4~0.8MPa (4~8気圧) |
1.8~2.3MPa (18~23気圧) |
0.6~0.8MPa (6~8気圧) |
2.エアホースが細い
空気圧だけではなく、空気量も重要です。ビス打ち機は釘打ち機よりも多くの空気量を必要としますので、太めのエアホースが必要です。太さが足りない場合、空気量が不足して十分な打ち込みが行えず、ビス頭が浮いてしまいます。高圧であれば内径6mm、常圧では内径8.5mm以上のエアホースが必要です。安価なエアホースの場合、細いことが多いので必ず寸法をチェックしてください。
空気圧のところでもご説明したように、適切なエアホースの場合でも複数人での作業などコンプレッサのエア供給量が追いつかない場合も、やはり空気圧・量が落ちてビス頭が浮いてきます。
機種 | 一般的な釘打ち機 | ビス打ち機 | ||
---|---|---|---|---|
高圧 | 常圧 | 高圧 | 常圧 | |
使用ホース内径 | 高圧専用ホース 4mm以上 |
6.5mm以上 | 高圧専用ホース 6mm以上 |
8.5mm以上 |
3.エア消費量>エア供給量
コンプレッサの空気圧を指定通りに設定し、適切な太めのエアホースを使ってもビス頭が浮く場合は、「エア消費量>エア供給量」となっている状況が考えられます。 複数人で同時にエア工具を使っていたり、エアを大量に消費するビス打ち機やエアインパクトの同時使用をしていませんか? エア供給量が追いついていない場合は、同時作業人数を減らし作業スピードを落とすか、エア吐出量の多い上位クラスのコンプレッサへが必要です。また補助タンクを増設することも有効です。
大工さん向けのおすすめコンプレッサをご紹介。 大工さん向けコンプレッサーのおすすめ最新2022年版【MAX・マキタ・HiKOKI】4.本体の抑えつけが足りない
これは作業している皆さんが一番よくご存知だと思いますが、ビス打ち後に本体をボードから離すタイミングが早いと最後まで締め付けられずビスが浮いてしまいます。特に天井のボード貼りなど体勢が悪いときにタイミングが早くなりがちですので意識して抑えつけてください。
この打ち込み感はマックス、HiKOKI(日立工機)、マキタともに微妙に異なりますので、買い替え当初は慣れないこともあるようです。例えばHiKOKI(日立工機)のWF4H3シリーズでは、同一モデルでも仕上がり優先仕様とスピード有線仕様の2つをリリースしていますが、このあたりは本当に好みが分かれるところです。ちなみにビルディでは仕上がり優先モデルのほうが7対3くらいで人気ですが、皆さんのまわりではいかがでしょうか。
メーカーごとの仕様
各メーカーごとの推奨環境をご紹介します。
マックスのビス打ち機
マックスのターボドライバー推奨コンプレッサスとエアホースのスペックです。
高圧ターボドライバ
- コンプレッサ0.75kW以上
- ホースの内径はφ6mm以上
- コンプレッサ1台にターボドライバ1台
- 設定気圧は23気圧
常圧ターボドライバ
- コンプレッサ0.75kW以上
- ホースの内径はφ8.5mm以上
- コンプレッサ1台にターボドライバ1台
- 設定気圧は7~7.5気圧
圧力 | 品番 | 使用空気圧力 | 使用ホース |
---|---|---|---|
高圧 | HV-R51G1-G | 1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 |
HV-R41G5 | 1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R32G2-G | 1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R41G3-G | 1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R41G4-G・R 【廃番】 |
1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R51G1 【廃番】 |
1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R32G2 【廃番】 |
1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R41G4 【廃番】 |
1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
HV-R41G3 【廃番】 |
1.8~2.3MPa (約18~23kgf/cm2) |
内径6mm以上・長さ30m以内 | |
常圧 | TD-341G4 | 0.6~0.8MPa (約6~8kgf/cm2) |
内径8.5mm以上・長さ30m以内 |
TD-332G 【廃番】 |
0.6~0.8MPa (約6~8kgf/cm2) |
内径8.5mm以上・長さ30m以内 | |
TD-341G2 【廃番】 |
0.6~0.8MPa (約6~8kgf/cm2 |
内径8.5mm以上・長さ30m以内 |
純正ホース
マックス 高圧用 プレミアムやわすべりほーす
マックス 高圧用 スタンダードやわすべりほーす
マックス 常圧用 プレミアムやわすべりほーす
HiKOKI(日立工機)のビス打ち機
HiKOKI(日立工機)のビス打ち機の推奨スペックです。
圧力 | 品番 | 使用空気圧力 | 使用ホース |
---|---|---|---|
高圧 | WF4HS | 1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径:5mm・6mm 長さ:10m・20m・30m |
WF4H3 【廃番】 |
1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径:5mm・6mm 長さ:10m・20m・30m |
|
WF4H3(S) 【廃番】 |
1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径:5mm・6mm 長さ:10m・20m・30m |
|
WF3H | 1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径:5mm・6mm 長さ:10m・20m・30m |
|
常圧 | WF4AS | 0.59~0.78MPa (6~8kgf/cm2) |
内径:8.5mm以上 長さ:10m・20m・30m |
WF4AR3 【廃番】 |
0.59~0.78MPa (6~8kgf/cm2) |
内径:8.5mm以上 長さ:10m・20m・30m |
|
WF4AR3(S) 【廃番】 |
0.59~0.78MPa (6~8kgf/cm2) |
内径:8.5mm以上 長さ:10m・20m・30m |
純正ホース
HiKOKI(日立工機) ソフト高圧細径シリーズ(パージプラグ付)
HiKOKI(日立工機) エココンビエアホース(パージプラグ付)一般圧
マキタのビス打ち機
マキタのビス打ち機の推奨スペックです。
圧力 | 品番 | 使用空気圧力 | 使用ホース |
---|---|---|---|
高圧 | AR411HR | 1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径5mm以上・長さ30m以内 |
AR320HR | 1.76~2.26MPa (18~23kgf/cm2) |
内径5mm以上・長さ30m以内 |
純正ホース
マキタ 高圧スリックホース
おわりに
以上、ビス打ち機でビス頭が浮く場合のチェックポイント、いかがでしたでしょうか。皆さまの快適な作業のお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております!お気軽にお問い合わせください。